アバンセ館長コラム第32号(令和6年11、12月合併号)
何と言う事でしょう。知らず知らず、日々の慌ただしさに流されていたのですね。すっかり失念していました。11月号のコラム執筆が飛んでしまいました。恥ずかしいことですが、11月・12月号合併の第32号として、書かせていただきます。
アバンセ開館30周年記念のメイン行事を、11月9日(土)と11月10日(日)の2日間で無事に開催することができました。アバンセは今年度、佐賀県立男女共同参画センター・佐賀県立生涯学習センターが30周年を、佐賀県DV総合対策センターが20周年を迎える節目の年です。この3つのセンターと情報フロアの行事を2日間に凝縮させて実施するために、アバンセ職員は企画段階で何度も協議し、変更調整を繰り返してくれました。
私は企画の最初の段階で、以下のような館長としての想いを伝えました。
『30年間の歩みを振り返り、開館以来関わってくださった皆様への感謝を伝えるとともに、これからの30年間、さらに多くの方にアバンセを利用していただくために、利用者層を広げる(子ども・若年層、子育て世代の皆様にも足を運んでもらえる)企画を考えること』
『アバンセスタッフだけで企画や運営を完結させないこと。多くの方にプロセスに関わっていただけるよう、オープン、チャレンジ、サポートのマインドで取り組むこと』
その姿勢をもって、県民の投票で『らしく、あたらしく』のキャッチフレーズやロゴが生まれ、9日の男女共同参画フォーラムでは、タレントのpecoさんや県内の高校生に、10日の県民カレッジでは、小島よしおさんに登壇していただく運びとなりました。実行委員会が中心となったまなびいフェスタでも、落語やクラフト体験など家族連れで楽しめる催し物が沢山企画され、小・中・高・大学生、20代の若者たちがボランティアやステージ発表などで多数活躍してくれました。おかげさまで、2日間で約3,495人の皆様がアバンセに集まってくださいました。
私は、PECOさんや小島よしおさんと直接お話しさせていただく機会に恵まれましたが、全国各地からトークショーへ声がかかるお二人の人柄に触れ、凄い数のファンに慕われている人気の訳がわかったような気がしました。楽屋に到着された途端、空気がパッと明るくなるような清潔感があり、まっすぐ相手に向ける眼が濡れてキラッと輝いておられました。お会いした途端、その眼差しに吸い込まれそうな魅力を感じ、さすが芸能人だなと思いました。もちろん舞台上では、自分の才能やパワーをフルに披露するプロ意識の高さも感じられましたが、楽屋で初対面の私たちにも全く尊大な素振りがなく、自然体の対応でした。発せられる言葉も生き方も純度が高く、すうっと心の深いところへ届くものがありました。やはり賢い方たちなのですね。私もファンになりました。
30周年の節目を機に、私たちも気持ちをリセットします。「アバンセは県民一人一人に寄り添う応援団」と言う言葉が嘘ではないように、アバンセが、まずは人を大事にする居場所に、『らしく、あたらしく』です。
2024年最後のコラム、読んでいただき感謝します。

アバンセ館長 田口香津子 プロフィール
アバンセ館長
佐賀女子短期大学 学長 (2018.4-2022.3)
認定NPO法人 被害者支援ネットワーク佐賀VOISS理事長