アバンセ館長ルーム

 

アバンセは、幸せに生きたい県民の応援団です。男女共同参画社会づくりの促進の拠点であり、パートナー間などあらゆる暴力の撤廃の拠点、生涯学習の振興の拠点でもあります。

    館長の仕事は、そんな多様なアバンセの魅力を発信すること。その魅力とは、人との出会いで生まれるものです。この館長ルームでは、アバンセの職員紹介とともに、その折々の出来事を通して感じたことを綴っていきます。ときどき、ふっと道草したくなるような、自在なお気持ちで、館長ルームにお立ち寄りください。

 

最新のアバンセ館長コラム

第46号 令和8年2月「それでも民主主義にこだわる」

 

 第二次世界大戦後の日本は、戦前と大きく変わった。1945年に日本国憲法が生まれ、民主主義を標榜してきた。私自身は、戦後生まれで戦争の実体験のない平和な時代を生きてきた。実際の家庭生活は、自己破産、交通事故被害、障害児養育、両親の離婚とさまざまな社会課題の渦中にいたけれど、21世紀はもっとよりよい社会が訪れる、それとともに私の未来も開けると希望をもって暮らしていた。


 小学校で戦争はよくないこと、民主主義が大事ということを繰り返し学んだ。朝の会、帰りの会、あるいは授業をつぶして、学級会があった。日直さんが司会をする。「今日は、○○について話し合いをします。意見はありませんか。話しているときはほかの人は最後まで聞いてください。同じ意見の人や違う意見の人がいたら手を挙げてください。もう少しみんなに聞こえるように大きな声でお願いします。」あと一人の日直が、黒板に意見を書き出す。司会者が、「では、この案に賛成の人は手を挙げてください。」と言い、多数決をとる。「では、一番多いこの案に決めます。ほかに、議題はありませんか。ある人は手を挙げてください。」 時折、実際クラスで起こっているいじめがテーマになった。


 「私の方があの子よりも勉強ができる」という優越感、「あの子の方が男子から持てる」という羨ましさ、「いじめられるみじめな側になりたくない」という恐れ、「先生からいい子と思われたい」という見栄、「だってあの子は噓つきだからいじめられても仕方ないよ」という冷ややかさ、いろんな自分の気持ちがぐるぐる渦巻いていた。


 大方の意見は、「これからは優しくすればいいと思います。」、「いじめは良くないのでやめた方がいいと思います。」、「自分がいじめられたら悲しいので、仲良くしたほうがいいです。」などの表層的なものだったけれど、クラスに漂うダークさをちょっと待てと、担任の先生と一緒に立ち止まり、考える機会になったことを思い出す。


 今、最後まで意見を聞かず、ヤジを飛ばす国会中継の光景に、小学生が見たら失望しないか、会議の進め方の基本を勉強しなおしてきたら、と思ってしまう。私たちは、おかしいと思えば、意見を言い、少数意見でも耳を傾け、透明性の高い方法で意思決定をし、それが自分と違う方針であっても一旦は受け入れ、実態を見ておかしければ再度問題提起することを学んできたはずだ。必ずしも、自分の思うように物事は動かない、けれど、それでも民主主義が大事。対話が大事。一人一人の自由と人権の総和の最適解が民主主義と信じたい。思考停止状態のまま、誰かのマインドコントロール下にいるなんて怖い時代は、まっぴらごめんだ。





 

アバンセ初代館長の船橋邦子さんと対談しました。

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 アバンセ館長 田口香津子    プロフィール


 アバンセ館長

   佐賀女子短期大学 学長 (2018.4-2022.3)

 認定NPO法人 被害者支援ネットワーク佐賀VOISS理事長

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