令和7年度 家庭教育支援者養成講座(リーダー研修) 第4回報告

支援の輪をつなぐためにできること

リーダー研修は、家庭教育・子育て支援に関わる活動経験年数が3年以上の方を対象とした連続5回講座です。アバンセの会場には県内各地から、子育て支援センターや保育園、放課後児童クラブ、NPOなど、様々なフィールドで活動している受講者の皆さんが集まりました。

今年は「支援の輪をつなぐためにできること」をテーマに、様々な経験を重ねてきた皆さんと、子どもや親の育ちを支える家庭教育支援のあり方について一緒に考えていきました。


R7年度家庭教育支援者養成講座(リーダー研修)チラシ (800KB; PDFファイル)

第4回「おたがいさま」で支えあい育ちあう支援とは ~あなたの困りは、わたしの困り~

【開催日時】1月22日(木)13時30分~16時30分


第4回は、元「貝塚子育てネットワークの会」代表で、現在は貝塚市立中央公民館の職員である中川知子さんを講師にお迎えしました。

中川さんは双子を連れて子育てサークルに参加したことをきっかけに「貝塚子育てネットワークの会」で活動を始められました。活動拠点の公民館に頻繁に通ううちに、公民館活動の面白さ、そして“人の人生に光を照らす”公民館職員という存在に魅了されたそうです。それから自身も公民館の職員となり、様々な分野や世代を対象にした事業に取り組まれています。講義では、公民館での家庭教育支援の取組み、また「貝塚子育てネットワークの会」の活動について『人が育ちあう学びとつながり』をキーワードにお話しいただきました。


講師

【講師】中川 知子 さん(貝塚市立中央公民館 会計年度任用職員)


はじめに貝塚公民館の話として、その歴史や運営体制、地域団体やクラブとの関わりなどを説明され、「公民館で活動する幅広い世代が地続きでつながっている中の1つとして、家庭教育支援を行っている」と話されました。また、高齢者や障がいのある方向けの講座、ボランティア活動について紹介され、その中で育まれる“支えあい、励ましあい、助けあう”関係性や、”おたがいさま”という気持ちの土台づくりというものが、家庭教育支援にも、地域の様々な場面でも共通して必要であることを伝えられました。

 

家庭教育支援の取組みとして紹介された「保育つき講座」は、全国に先駆けて1975年に始まりました。保育をつけて母親が学ぶことが贅沢だといわれていた当時、この講座は「女性の学習する権利と子どもの発達する権利を統合したもの」であり、「親である女性の主体形成の学び」を保障するという視点を公民館が掲げて実施されてきました。講座が続いていく中で、公民館の利用者が保育ボランティアを担い、やがて受講者が次の保育ボランティアになるという流れができて、その循環は今でも続いているそうです。

「貝塚子育てネットワークの会」は1988年に発足し、37年間続いている団体です。当初は子育てサークルなどの乳幼児の親による活動だったものが、今では高校生の保護者も参加し、子どもの年齢別で4つの部会が組織されています。中川さんは、この会が長く続いている理由として「世代を越えたタテのつながり」「恩送りの循環」「人生の主体となる力が培われる」「公民館の支援」をあげられました。また、活動に対して第3者の視点からの評価があることは、当事者のエンパワーにつながる大事なポイントだと述べられました。

最後に「子どもの育ちとともに力をつけた保護者は地域に出ていき、地域を耕す人になっていく。そういう人たちが地域にたくさんいると、地域がどんどん良くなっていく。家庭教育支援の最終着地点はそういうことなのではないでしょうか」と、保護者が力を獲得していく学びの環境をつくることの意義を話されました。

対談トーク

続いては、中川さんと中村由美子さん(さが多胎ネット 代表)の対談トークです。お二人には、もともと保育の仕事に就いていたり、双子を含む3人の育児や子育てサークルでの活動経験があったり、お孫さんの人数も同じという共通点があり、初対面とは思えないくらい意気投合した中で対談がスタートしました。

  • 活動してきた中での悩みや課題

お二人とも共通して、親子同士の関わりの中で『保護者が経験を積み重ねる機会が少なくなっていること』をあげられました。中川さんは「保護者がお客さまではなく、主体的にその場に関わる一歩を出せるような仕掛けを心がけている」と話されました。また『次の担い手づくり』という点で、周りがサポートしながら、活動の中でリーダーとして人が育っていくケースを示され、中村さんは「自分が長くリーダーを担っているが、他のメンバーとの関わり方のさじ加減をもっと探ろうと思う」と気づきを話されました。

  • 支援者として大切にしていること

中川さんは『人は人の中で育つので、つながりをつくる、孤立させないこと』『子育てには仲間と学びが両輪で必要。両方を整えられる環境をつくること』と、自らの経験から実感を込めて話されました。それを受けて中村さんは、自分は支援をされる側の立場でもあると言われた上で『支援する側も支援される側も、お互いに育ちあい、お互いが両輪になって良い地域、社会をつくっているという視点』を大切にしていきたいと述べられました。

対談 対談 対談

グループトーク

後半は『子どもや保護者が豊かに育ちあうために心がけたいこと』というテーマでグループトークを行いました。

受講者の皆さんはそれぞれの立場や活動に結びつけて考え、グループのメンバーで意見交換しながら話題が深まっていく様子が見られました。

グループワーク グループワーク グループワーク


各グループからの発表では「とにかく笑顔で話しかける」「一人一人の悩みに一緒に向き合っていく姿勢」「寄り添うこと・受けとめること」「今は種まきの時期、親子の育ちを協力しながら支えていく」「支援者も元気で心豊かであること」「支援者側の連携でできることを広げる」などのキーワードで表される内容が紹介され、語り合いの中での気づきや学びを全体で共有することができました。

グループワーク グループワーク グループワーク


発表を聞いて、中村さんは「親子の気持ちに寄り添っていくには、仲間同士の支えあいも大事ですね。また、支援者がタテにもヨコにもつながりあって、面になって立体になるような『つなぎあい』の支援ができたらいいなと感じました」と話されました。また、中川さんは「現場では安全面やサービスとしての考え方といった難しさもある中で、子どもや保護者が育ちあう、また支援者自身も育つ環境をどうしたらつくれるのか、皆さんが真摯に取り組んでいらっしゃることに感銘を受けました。皆さんがここでつながりあい、本音も語れる仲間になってほしいです」とメッセージを送られました。


受講者の感想(アンケートより抜粋)
  • どの活動にも重なる内容(ネットワーク、関わり方)でした。自分たちの課題に向き合う時間になりました。
  • 人をつなぐ場所、人をつなぐ時のポイントが参考になりました。「お客さんにしない」ということを聞き、自分たちスタッフだけで抱え込みすぎていたと気づかされました。学んだことを職場で共有したいです。
  • 公民館での活動も様々な支援の仕方があるのだと知ることができた。中高生の子をもつ保護者が語りあえる場があることはとても素敵だと思います。
  • 講師お二人の話を聞いて、今できること、どのように支援をつなげていくかを考えさせられました。つなぐ、つなげる努力をしていきたいです。
  • たくさんのステキなキーワードをいただきました。学んだことを自分の現場でいかしながら、保護者の支えになっていきたいと思います。

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