令和7年度 家庭教育支援者養成講座(リーダー研修) 第3回報告

支援の輪をつなぐためにできること

リーダー研修は、家庭教育・子育て支援に関わる活動経験年数が3年以上の方を対象とした連続5回講座です。アバンセの会場には県内各地から、子育て支援センターや保育園、放課後児童クラブ、NPOなど、様々なフィールドで活動している受講者の皆さんが集まりました。

今年は「支援の輪をつなぐためにできること」をテーマに、様々な経験を重ねてきた皆さんと、子どもや親の育ちを支える家庭教育支援のあり方について一緒に考えていきました。


R7年度家庭教育支援者養成講座(リーダー研修)チラシ (800KB; PDFファイル)

第3回 発達が気になる子どもとその保護者との関わり方

【開催日時】12月23日(火)13時30分~16時30分


3回は、西九州大学短期大学部幼児保育学科教授の川邊浩史さんを講師に迎え、発達障害をテーマにお話しいただきました。

川邊さんは子どもの発達支援や障害児心理の研究、支援活動に長年携わられ、発達障害児やその家族が参加するキャンプ活動の指導や、保育幼児教育アドバイザーとしても多くの子どもたちや保護者に向き合ってこられました。講座ではその経験も紹介いただきながら、支援において大切なことを学びました。


講師

【講師】川邊 浩史 さん(西九州大学短期大学部幼児保育学科教授)


まず「発達障害とは」ということで、その3つのタイプ(ASDADHDSLD)を含む神経発達障害()について、種類や特徴など基本的なことを説明された後、文部科学省の調査報告をもとに小・中学生の現状を話されました。そして、就学前の子どもや年齢を絞った割合でみると数値は多くなる可能性を示された上で、「子どもにはみんなに配慮が必要です。障害に限らず、学習や生活上の困難へ対応する教育的ニーズのある子どもたちもいる。違いを認め合い、それぞれのニーズに応えられるような社会をめざしていくことが大事だと思います」と伝えられました。

続いて『困り感』という言葉を紹介されました。困り感とは「嫌な思いや苦しい思いをしながらも、それを自分だけではうまく解決できず、どうしてよいか分からない状態にあるときに、本人自身が抱く感覚」のこと。その感覚を伝えるために言語化することが難しい子どもには、こちらが「気づく、声をかける、動く」ことが大切であると話され、事例をもとに子どもの困り感とその原因、その場の対応について、発達障害の特徴にも具体的に触れながら解説していただき、理解を深めることができました。

保護者との関わり方

県内の放課後等デイサービスを利用している保護者を対象としたアンケート結果から、保護者への関わり方や支援者に求められていることについて説明していただきました。

「保護者からは、他の専門機関と連携する力や、専門的な知識をもって相談対応することが特に求められている。全体的にみると、保育園・幼稚園等の施設の支援体制や園の先生からのアドバイスへの評価は高い。就学前のサポートという点で大きな成果につながっています。また、保護者の悩みやクレームを受けた際は、その言葉の裏にある感情やニーズを理解しようとすることが大事」と話され、保護者のことを受けとめる姿勢とともに、決して一人で抱え込まずに複数で対応していくこともポイントとしてあげられました。

グループワーク

後半は、例題から子どもの困り感と具体的な対応方法を考えるグループワークを行いました。日々、子どもたちと関わる受講者の皆さんは、職種の異なるメンバー同士でも様々な意見が飛び交う様子が見られました。

各グループからの発表を聞いて、川邊さんは「皆さんは経験による引き出しをたくさん持っている。大事なのは引き出しの出し方。観察を通してその子の困り感を絞って見立てること、対応方法は選択肢として準備することを意識してほしい。支援とは、困っている本人が手を伸ばしやすい環境を整備することである」と話され、子どもが自らの困りごとに対して「こうしたい(こうしてほしい)」と “自分で言える” ことに寄り添う支援のあり方を示されました。


ワーク ワーク ワーク


最後に「私自身、30年近く携わってきた今も、常に振り返りながら学び、取り組んでいくことの大切さを感じています。子どもたちが笑顔になれるように、一人ひとりのニーズにあった『親切なお節介』の輪を広げていきたいですね」とメッセージを送られました。

 

受講者の感想(アンケートより抜粋)
  • 講師の話が具体的で分かりやすく、事例からのグループワークでよりリアルに考えることができました。
  • 自分にとっては難しい内容でしたが、具体的に対応していく方法を考える良い機会となりました。
  • 「その子の気持ち」を大事にして現場に活かしていきたいです。各グループの発表で様々な意見を聞けたのもよかったです。
  • ”困り感の具体化”が一番心に残りました。見立てをはずしても、振り返りながら、より良い支援へとつなげていきたいと思います。

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