令和7年度 家庭教育支援者養成講座(リーダー研修) 第2回報告
支援の輪をつなぐためにできること
リーダー研修は、家庭教育・子育て支援に関わる活動経験年数が3年以上の方を対象とした連続5回講座です。アバンセの会場には県内各地から、子育て支援センターや保育園、放課後児童クラブ、NPOなど、様々なフィールドで活動している受講者の皆さんが集まりました。
今年は「支援の輪をつなぐためにできること」をテーマに、様々な経験を重ねてきた皆さんと、子どもや親の育ちを支える家庭教育支援のあり方について一緒に考えていきました。
R7年度家庭教育支援者養成講座(リーダー研修)チラシ (800KB; PDFファイル)
第2回 受容と共感からはじまる関係づくり ~子どもと家族の心に寄り添うとは~
【開催日時】11月27日(木)13時30分~16時30分
第2回は、佐賀市諸富地区社会福祉協議会子育て支援コーディネーターの野口洋子さんを講師にお迎えしました。
野口さんは、ボランティアへの興味から子育て支援グループの立ち上げに関わったことをスタートに、当時はまだ少なかった地域の子育てサロンや広場の開設に携わり、仲間や協力者のネットワークをつくりながら、20年以上、地域に根付いた活動を続けられています。また10年前から、子育ての悩みや不安を抱えている保護者のもとを訪れ、そばで寄り添う家庭訪問型の支援活動をされています。講義では「受容と共感からはじまる関係づくり」をテーマに、具体的な事例も交えてお話しいただきました。
【講師】野口 洋子 さん(佐賀市諸富地区社会福祉協議会 子育て支援コーディネーター)
野口さんはまず、自身が県外から移住して生活する中で孤独感を感じていた時に、ある人からの言葉かけで「ここに居ていいんだ」という安堵感を得られた経験から、地域の中に居場所があり、声をかけてくれる人の存在がとても大事だと実感したことが、今の活動につながる原点であると話されました。
そして、社会的に子育て支援の取組みが地域の中で広まる時期に、周りの人と試行錯誤しながら子育て中の親が集える広場を開いたエピソードを語られ、今では、その広場が親同士の学びあいや助けあい、育ちあう場であるとともに、地域の多世代の人がつながる場にもなっていると話されました。
また、広場に出て来られない人たちの存在が気がかりで訪問型支援の必要性を感じ、『ホームスタート』というボランティアでの訪問活動を始めたことを紹介されました。家族の様々な状況に対して『傾聴と協働』という関わり方で寄り添うことで、親自身が自らの力で困難を乗りこえ、家族の環境も変化していく様子を事例を通して示されました。
「そばに居て一緒に過ごすうちに、相手が『何かあったら助けてもらえる』という安心感を持って自律していく姿を見て、信頼して気持ちを打ち明けられる関わりや言葉かけの大切さを感じている」と野口さん。最後に「支援には”これが正解”というものは無いと思います。本人たちが自分の力で一歩踏み出せるきっかけ、次への階段に進めるようにその気持ちを支えることが大事。必要な支援を必要なときに自ら選べるようにつないでいくために、私たちにもいろいろなつながりが必要だと思います」と伝えられました。
対談トーク
続いて、アバンセの田口館長が聞き手となり、野口さんに質問を投げかけながらお話を伺いました。
- 拠点型(広場)と訪問型の支援において、共通して大事だと感じることは?
「黒子」になること。相手のやり方を尊重すること。安心して居られるように、後ろからそっと寄り添うこと。
- 「受容」とは?「共感」とは?
相手の思いを否定しないこと。相手の不安感やそのサインに敏感になる意識をもつこと。
- 一緒に活動する仲間(支援者)との関係づくりで大切にしていることは?
素直に気持ちを伝えたり、意見を出し合ったりして、お互いを理解すること。支援の現場では信頼関係が何よりも必要。
- 野口さんのパワーは一体どこからくるのでしょうか?
関わった相手が自ら力を発揮して変わっていく姿を見られたら嬉しい。それが自分のパワーになっている。
また、活動を通して自分の居場所があること。ここで頑張っていこうと思える。
グループワーク
後半は「どんな言葉をかけると、相手が安心したり、元気になったりする?」という視点で、言葉かけについて考えるワークです。出された事例に対して個人で考えた後に、グループのメンバーが相手の立場になってその言葉を聞いてみて、どう感じたかということを話し合いました。
受講者からは「皆で意見を出し合って1つ1つにうなずきあい、今の活動に活かされる気づきがたくさんあった」「立場によって感じ方が違う意見こそ大事だと思った」「自分の中になかった考えを聞き、支援する際の視野が広がった」などの声が聞かれ、お互いに刺激を受けながら学ぶことができた時間となりました。
受講者の感想(アンケートより抜粋)
- 「黒子になる」と言われたことになるほどと思いました。出過ぎないことの大切さを感じました。
- ”否定しない”共感を大事にしていきたいです。
- 赤ちゃん訪問の活動をしているので、訪問型支援のお話はとても参考になりました。
- 親の安心感が子どもの安心にもつながること。学びが多い時間でした。
- 言葉かけの難しさをあらためて感じました。保護者に寄り添うとはどういうことか、職場で共有したいと思います。


















