令和6年度生涯学習関係職員実践講座(ステップアップ編2)報告
佐賀県立生涯学習センターでは、生涯学習・社会教育関係職員を対象に、必要な知識や実践力を身につける「生涯学習関係職員実践講座」を行っています。
今年度は「学び直しと意識のアップデート」のテーマのもと、年間で全6回(基礎編、ステップアップ編、地域支援編 各2回)の講座を実施します。その様子をご覧ください。
ステップアップ編2「みんなが話しやすい 参加しやすい “対話の場”のつくりかた」のチラシはこちら (1098KB; PDFファイル)
みんなが話しやすい 参加しやすい ”対話の場”のつくりかた
令和6年11月28日(木)13時30分~16時30分
地域には多様な人がいます。みんなの意見を引き出し、一緒に考え、よい未来を描くために!風通しが良く心地の良い交流の場・対話の場のつくり方、ファシリテーションのコツを学ぶ講座を開催しました。
講師 貴島 道拓さん(一般社団法人yagocolo代表理事、NPO法人福岡テンジン大学副理事長)
1部:まちづくりに必要な対話って?ファシリテーションって?
チェックイン
「まずはチェックイン。話合いの前の準備体操をしましょう」と貴島さん。運動の前に準備体操をするように、話合いや会議の前に簡単な自己紹介や雑談の時間を持つことによって、その後の対話がスムーズに行いやすくなるそうです。参加者同士で「最近どう?」と、楽しかったこと、大変だったこと、印象に残っていることを話しました。様々なエピソードから人柄がちょっぴり垣間見えるような一幕もあり、会場の空気が一気に温まりました。
まちづくりで良い話合い、場づくりって?対話って?
ファシリテーションとは「話合いを促進する技術」です。企業、教育、まちづくりなど、様々なところで使われています。その中でも地域でファシリテーションを行う際に大事にしたいこととして貴島さんが挙げられたのは「みんなで合意形成を図る、一緒に納得感を持ってものごとを進めていく」ということ。「地域にはいろいろな立場や年齢、価値観を持つ人がいるので“多様性を認め合える寛容性の高い場”“安心して参加できる場”がまちづくりにおける良い場と言えるのではないでしょうか」と話されました。
そして、そのような場づくりのためのヒントとして“対話“の考え方について触れられました。対話は討論と違い、どちらがよいかではなく、皆で考えていくことを大切にします。対話の心得として、否定も断定もしない、耳を澄ませて聴く、沈黙も歓迎するなど、7つのポイントを示しながら、ひとつひとつについて言葉かけの例を交えて説明をいただきました。「なるほど」と頷く参加者の皆さん。
さらに、ファシリテーションの手法としてワールドカフェ、まわしよみ新聞、トークフォークダンスなど、実際に行われた事例を元に、それぞれの利点などをお話しいただきました。みんなが話しやすい参加しやすい場づくりを心掛ける事で「色々な人の知識や経験、価値観が組み合わさり、沢山の気づきやアイディアを得ることができます」と貴島さん。会場からは「ワールドカフェで地域の人と語った後、出た意見をどう集約し、活かしていけばよいですか?」などの質問もあり、参加された皆さんそれぞれに自身の地域や職場を思い浮かべながら受講されていることが伺えました。
2部:“対話の場”を体験してみよう
後半は、実際に対話の場を体験してみよう!と『地域の担い手が参加したくなる地域活動とは?』をテーマにワールドカフェを行いました。貴島さんからファシリテーターの心がけを伝授いただいて、いよいよスタート。間に席替えをはさみながら、3回のグループ対話を行いました。皆さん対話の心得を思い出しながら、発言しやすい場を心掛けられたこともあり、各グループで話しが膨らみ、様々な意見が交わされていました。
ワールドカフェを体験した後は、フィードバックの時間です。「ファシリテーターをやってみてどうだった?」「参加してみてどうだった?」と感想を聞き合いながら振り返りを行いました。
最後に貴島さんから皆さんに「耳を澄まして聴いてみようとか、最初にチェックインの時間をもってみようとか、ささいなことからでもよいと思います。地域の話合いで、会議で、普段のコミュニケーションで、ファシリテートを心がけ、活かしていただけたらと思います。」とエールを贈られました。
参加者の声
アンケートより(一部抜粋)
- 気づきを沢山いただきありがとうございました。ワールドカフェについては初体験でしたが、本音で話ができて、初めてお会いした方々とは思えないほど充実した時間でした。
- 対話の心得を始めに伝えていただいたおかげで、否定されない、沈黙が許されるという安心感があり、とても意見が出しやすかったです。
- 実際にファシリテーターをさせてもらって貴重な体験だった。今後も引き受けてスキルアップしたいと思った。
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自分の仕事の見つめ直しになった。他市町の事例や状況を聞くことができたので、目先を変えて物事を見るきっかけとなった。
- アンケートを取るよりも少人数で集まってもらえる場を作って、ワールドカフェを実施してみようと思いました。
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ファシリテーションの心得は、話合いの場だけでなく、日頃の対応全てに活かせると分かりました!新たな気づきを得られました!
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実行委員会の運営をしており、ファシリテートすることがあるので、それに活かしたいです。