令和4年度家庭教育支援者リーダー等養成講座

家庭教育支援者リーダー等養成講座(支援者養成講座) 第2回報告

親×子×支援者 支えあい学びあい育ちあう支援をめざして


支援者養成講座は、家庭教育・子育て支援に関わる活動経験が3年以内の方、また、これから活動したいと考えている方を対象とした連続3回講座です。

様々な職種や経験を持つ皆さんと一緒に、支援者として心に留めておきたい大切なことを学び、親・子・支援者 それぞれとの関わりを軸に、支えあい 学びあい 育ちあう支援について考えていきました。


チラシはこちら (1196KB; PDFファイル)

第2回 「受け止め支えるってどんなこと?」 12月6日(火)開催

講師:田口 香津子(アバンセ館長)

第2回は、この講座の受講経験者でもある光武美和さん(居場所「オレンジ」)、内堀麻里さん(不登校の親と子の会「むすび」「こどものもり」)、峰松美和子さん(鹿島市子育て支援センター)にお越しいただきました。

親や子どもに関わる支援活動の経験年数は、どなたも受講者の皆さんと変わりはありませんが、受講後はそれぞれに学びを活動につなげていらっしゃいます。田口香津子アバンセ館長の進行のもと、活動にかける想いや、その中で感じたことなどをお話しいただきました。

トークセッション

    

光武 美和さん(居場所「オレンジ」)  内堀 麻里さん(不登校の親と子の会「むすび」「こどものもり」) 峰松 美和子さん(鹿島市子育て支援センター)

子育てをする中で壁にぶつかり、相談先も分からず孤独な思いをする時期を経て、同じような悩みを抱える親や子どもが安心できるような場所が欲しいと考えていた光武さん。

2年前の受講で出会った講師の活動に感銘を受けたことがきっかけで、地域の自治会長に相談をして公民館を借りたり、学校へ協力をお願いするなど奔走し居場所づくりを始められました。最近では、利用する子どもたちがホッとできる場所となり、支えあえている関係になってきたと感じているそうです。


同じように、長く悩んでいた時期があったと話される内堀さんは、縁あって参加した不登校の親の会で「自分と同じように悩んでいる人がこんなにいるんだ」と知ったことが活動の原動力となっているそうです。

不登校の親と子の会、不登校の子どもの活動場所の立ち上げ、佐賀県内の不登校の支援先を一つにまとめた「佐賀県不登校支援マップ」の作成、それを作る過程で見えてきた、親の会の横のつながりが希薄である現状に「佐賀県不登校親の会ネットワーク」を立ち上げるなど、次々と行動に移されました。


峰松さんは、子育てがひと段落した頃に勤め始めた子育て支援センターで、来館する母親たちの悩みや孤独感に触れ、どうすれば母親たちの不安を取り除き、寄り添うことができるのかを問い続け、自身のスキルアップを図りながら知見を広げられています。

特に地域とのつながり、親子の居場所、異世代との交流やそれを促すきっかけづくりを重視されていて、自身がいろんな機関と連携し、必要なタイミングで母親たちへつなげていきたいと話されました。


3名とも活動の場は様々ですが、そこでは支援者と支援対象者という関係ではなく、お互いに支えあっていること、また、チームや自分らしくいれる場所の大切さからは、支援者同士も支えあっていることが伺えました。


    

グループワーク

後半は、トークセッションを受けて「受け止め支える」ことについて、より深めていくグループワークです。

前回に引き続き、皆さんにはこの時間が「居心地のよい空間」となるように心がけていただきました。緊張が伴う自己紹介タイムの時でも、皆さんの雰囲気づくりのおかげであちらこちらで笑顔が見られました。


一つ目のお題では、トークセッションで印象に残ったことについて、グループで語り合いました。

同時に、印象に残った理由も話してもらったことで、皆さんの想いや活動の場での悩み、経験談からも相互に学ぶことができました。


    


二つ目のお題では、受け止め支えるために具体的に行動に移せることを1つ付箋に書き、グループ内で宣言しました。中には、日々変化する社会で暮らす親子のために関係書籍の読書で知識を得ていくといった、すぐに取り組めるような宣言もありました。共有タイムではそれぞれに違った着眼点で発表され、頷きながら共感している受講者の姿が多く見られました。


    


まとめとして田口館長は、他者優先となってしまいがちな支援者という立場だからこそ、自分を大切にする時間を作ることや、ありのままの自分を出せる場所を持つことの大切さを話されました。

また、マイナスだと捉えられる行動でも「~できる力」という言葉を後ろにつけて、見方を転じることで(例:一人でいる→一人でいる力)「何とかしなければ」という焦りや不安が減っていくことも伝えられました。

最後にトークセッションの登壇者からは「皆さんに丸ごと受け止めてもらって、温かさと安心感と共に過ごせました」とお礼のメッセージをいただきました。終始温かい雰囲気の中、各々が自身の経験と照らし合わせながら多角的に「受け止め支える」ことを考えたことで、支えあい学びあい育ちあう時間となりました。

 受講者の感想から(一部抜粋) 


  • 登壇者の方々それぞれに共感するものが多く、また、同じグループでも大いに盛り上がり時間が足りませんでした。自分にないもの足りないものもそれを良しとし、周りとつながり、少しずつ行動に移したいと思いました。
  • グループワークや全体共有で、参加者の方の思いを深く知ることができました。実際に活動されている方のお話しや内容から深く学ばせていただきました。
  • いろんな職種の方の意見などを聞けて大変刺激を受けました。
  • みんなで話し合い話を聴くことで、受け入れ受け止めることの大切さ、自分らしく自分も大切にすることの大事さを改めて感じました。
  • トークセッションでは自分を見つめ直すいいお話しばかりで、グループワークも皆さんの体験を聞きながらいろいろと学びが多かったです。また明日からの活力になりそうです。

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