令和4年度「県民カレッジの集い」を開催しました
- 日時 令和4年12月17日(土) 14時~16時30分
- 会場 アバンセホール、サテライト会場(唐津市浜玉公民館)、オンラインライブ配信
佐賀県立生涯学習センター(アバンセ)では、県民の皆さまに継続的に生涯学習に取組んでいただきたいとの願いから、年に一度「県民カレッジの集い」を開催しています。
今年度はアバンセ会場、オンラインライブ配信に加え、唐津市浜玉公民館でサテライト会場を開設しました。
基調講演では、『魔女の宅急便』の原作者でも知られる作家の角野栄子さんを講師にお迎えし、オンラインにてご登壇いただきました。
第1部 夢パレット博士証書授与式
県民カレッジ夢パレットさがでは、最高単位である「夢パレット博士」(500単位)の認定証書の授与式をアバンセで行っています。
昨年度に引き続き、県民カレッジの副学長である田口香津子アバンセ館長から4名の博士に証書が授与されました。
授与の後に、博士の代表からこれまでの学びの軌跡についてお話しいただきました。
会場からは、博士のみなさんへ大きな拍手が送られました。
第2部 基調講演「旅と物語」
基調講演の講師は、アニメ映画「魔女の宅急便」の原作者で、国際アンデルセン賞も受賞されている作家の角野栄子さん。ご自宅のある鎌倉市からオンラインにてご登壇いただきました。
会場の大きなスクリーンに角野さんが登場すると参加者からは歓声があがりました。トレードマークのいちご色の眼鏡や洋服に身を包み、背景には角野さんが描かれたかわいらしいイラストたちが花を添えてくれました。
講師:角野栄子さん(作家)
お話のテーマは「旅と物語」。旅が大好きな角野さんは、小さな頃から「寄り道」や「散歩」が大好きで、よく冒険の旅に出かけていたそうです。いろんなものを見たり、想像していたこの時間は宝物だと語られました。
24歳の時には、ブラジルへ移民として2年間働きながら滞在し、その時に出会った少年とのエピソードを描いた「ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて」が作家デビューのきっかけとなったそうで、この2年間の貴重な経験は「あてのない、いたずら書きみたいな散歩のようだった」と振り返られました。
このような「寄り道」や「散歩」のような隙間時間が、今の子どもたちにはあまりないことが残念だけど、それを補ってくれるのが本だとおっしゃいました。扉を開けて違う世界へ行く「旅」と同じで、本の表紙をめくり、扉を開けると物語が始まる。そして、本の間には心が遊べる「隙間」があり、それは、ページをめくるときに想像する時間とのこと。これはイマジネーションで、人が持つ大きな力となり、本にはいっぱい詰まっていると語られました。
子どもたちには、是非自分で本を選んで、最後まで読む満足感を知ってほしい。そのためには子どもたちがワクワクするような心が動く物語を大事に書いていきたい。それが私の「冒険」と述べられました。
また、角野さんは、小学校入学時に祖父母から孫へ贈られるランドセルの代わりとして、「あなたの本箱」をプレゼントすることを提案され「お祝いに本箱」を合言葉にしていきたいとおっしゃっていました。
最後に、2023年の11月に東京都の江戸川区に開館予定の「角野栄子児童文学館」愛称「魔法の文学館」を紹介されました。角野さんならではのアイデアが詰まった素敵な文学館になるようです。「佐賀からは遠いけれど、近くに来た際はぜひ寄ってください」と参加者に呼びかけられました。
第3部 トークタイム 角野栄子さん×田口アバンセ館長
講演の後には、事前に角野さんへ寄せられた参加者からの質問にお答えいただきました。
進行:田口館長
県民カレッジ夢パレットさがの紹介展示
歴代の博士授与式の様子をパネルで紹介
県民カレッジの紹介
参加者の感想(アンケートより抜粋)
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いくつになろうと、どこにいようと、興味を持っていれば何かに出会える。その瞬間を見失なわないようにしたいです。隙間時間は心の動く時間。子どもたちに与えるのは、決まった教材より寄り道時間!
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日々の小さな気付きから、インスピレーションやイマジネーションを得られて、生活も楽しんでおられて素敵です。私には、忘れていたことでした。私も出掛けたり、本の中での体験を通じて旅していきたいと思います。
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心がたくさん動かされてワクワク楽しい豊かな時間でした。忙しい毎日の中でも隙間の時間をみつけて、新しい発見、冒険を楽しみたいと思います。角野さんのお元気でイキイキされた姿に元気をいただきました。
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「人生は、旅」というけれど、そんな一般的な言葉で言い表せないほど、「旅」という言葉を深く考えさせられました。深く感じられました。いつもいつでもどんなことでも心が動くこと、ビビッと感じること、それが大事、それが一つの旅なのですね。