令和3年度家庭教育支援者リーダー等養成講座

家庭教育支援者リーダー等養成講座(支援者養成講座) 第1回報告

親子への寄り添いから始まる家庭教育支援


今年度より家庭教育支援者リーダー等養成講座は、家庭教育・子育て支援に関わる活動経験年数に応じて、「支援者養成講座」と「リーダー研修」に分かれて受講できるようになりました。

支援者養成講座として初となる今回のテーマは「親子への寄り添いから始まる家庭教育支援」です。

活動経験年数が3年以内の方、また、これから活動したいと考えている皆さんと一緒に、支援者として、また地域の一人として親子に寄り添い続ける支援について考えていきました。


チラシはこちら (762KB; PDFファイル)

第1回 「寄り添いから始まる家庭教育支援」 10月22日(金)開催


講師:田口 香津子さん(佐賀女子短期大学学長)


この日は連続講座の1回目、メイン講師としてお迎えしたのは田口香津子さん(佐賀女子短期大学学長)です。

会場には、県内各地の支援センターや幼稚園・保育園、親子の居場所づくりなど、親子への様々な支援をされている方々が20名以上集まりました。

最初に、明るい話題で受講者の緊張を解きほぐした田口さんは、支援者としての基本的な視座から話されました。支援者が人と接する中で、安心感を与える居心地の良さや暖かさを持ち、また自分が置かれている状況を客観的に認知していくことなどをベースにすることで、子どもだけではなく大人も育つということを学びました。


それを踏まえて行ったアイスブレイクでは、受講者同士ペアになり、3つのインタビューをすることで自己理解、他者理解を深めました。

これにはメモを取らない、次に会った時にも内容を覚えておこうという約束事があったので、皆さんはお互いに話しを聞き洩らさないように真剣な表情でインタビューを始めていました。しかし次第に笑い声と笑顔が増えてきて、受講者同士の距離がグッと近くなったことが会場の様子や感想から伺えました。


    


続いて田口さんは、接近・密着の状態で生まれるという愛着(アタッチメント)について、明るい部屋と暗い部屋で行った共働きの両親と赤ちゃんの実験の結果などの例を挙げて、分かりやすく説明されました。

また大人の愛着のタイプでは、客観的に過去の状況と向き合うことで回復に向かうことに触れ、子育てや支援に携わる中で、自らのライフストーリーをふりかえる場面があることも話されました。


支援を必要としている子どもがマイナスの感情に包み込まれている場合、周りの人はそのマイナス部分に反応して、よりマイナスの感情を膨らませるような言動をしてしまいがちです。そのような時、その子の心の奥底にある純粋な部分に栄養を補給するような対応をすることで、心の状態が変わることを事例を交えてお話しされました。地域の実践者の実例に、普段の自分の現場の様子を重ね合わせて聞き入る受講者の皆さんでした。


演習では「子どもの話を聴くときは(兵庫県教育委員会 防災マニュアルを詩に 篠原久美子さん作)」の10個の詩を、皆さんに順番に朗読してもらいました。田口さんはそれぞれの意味を読み解きつつ、つらい経験をした人へ寄り添う際に、支援者が心に留めておきたいことについて話されました。


    


最後は少人数のグループで、ゆっくりと寄り添いの気持ちで聴く演習をしました。不完全な自分自身も包み込むような気持ちで今の素直な気持ちを自己開示し、周りの人は受け入れる気持ちで行ったため、皆さんは次第に穏やかな表情になり拍手が起こるグループもありました。

テーマである「寄り添う」という言葉を、とても深く分かりやすい表現で読み解かれた田口さんは「言葉に対しても、ちょっとした気づきを得てみてくださいね」と話されました。


 受講者の感想から(一部抜粋)


・仕事の上でも考えさせられる事が多くあり、今後に活かしたいと思いました。

・子どもへの接し方、言葉のかけ方、親からのヘルプの受け取り方などとても勉強になりました。

・親子の様子をしっかり見てじっくり受け止め、安心できる場を提供したいと思います。

・グループワークでの話も大変良い話が聞けました。

・考えさせられることがたくさんあり、同じ想いの保育士たちへ今すぐ伝えたい!と思いました。

・自分自身の行動を、振り返る機会となりました。

・1人ひとりの気持ちに寄り添い、互いに育ち合える手段を模索中だったこともあり、今回の講座はとても役立ちました。

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