令和3年度「県民カレッジの集い」を開催しました
日時 令和4年1月9日(日) 14時~16時30分
会場 アバンセホール、オンライン配信
佐賀県立生涯学習センター(アバンセ)では、県民の皆さまに継続的に生涯学習に取組んでいただきたいとの願いから、年に1度「県民カレッジの集い」を開催しています。
令和3年度「県民カレッジの集い」では、第1部として「夢パレット博士証書授与式」、第2部として城郭考古学者の千田嘉博さんをお招きしての基調講演「佐賀城と名護屋城ー佐賀の城から歴史を考えるー」を実施しました。
第1部「夢パレット博士証書授与式」
県民カレッジ夢パレットさがでは、最高単位である「夢パレット博士」(500単位)の認定証書の授与式をアバンセで行っていますが、昨年度は新型コロナウイルス感染症対策のため授与式を実施できませんでした。
今回は県民カレッジの集いの会場で、副学長である上野景三アバンセ事業統括から4名の博士と1名のジュニア博士に証書が授与されました。
授与の後に、博士の代表からこれまでの学びの軌跡についてお話しをしていただきました。
平松清風大学を受講し友人や仲間ができたこと、詩吟サークルや地域での活動のことをお話しいただき、これからチャレンジしたいこととして「小学生向けの詩吟教室を開きたい」「介護支援のボランティア活動(サポーティアさが)をしたい」と発表されました。
会場からは、博士たちへ大きな拍手が送られました。
第2部 基調講演「佐賀城と名護屋城ー佐賀の城から歴史を考えるー」
講師 千田 嘉博(せんだ よしひろ)さん (城郭考古学者。奈良大学教授)
千田嘉博さんは、中世・近世城郭を研究し、日本各地の城の発掘調査・整備にも関わられています。テレビ番組での解説やナビゲーターとして活躍している姿をご覧になられた方も多いのではないでしょうか。
もちろん、佐賀城と名護屋城の調査や研究、整備にも関わられており、講演でも研究成果に基づいたお話しを聞くことができました。「絵図や現地調査からは、佐賀城の本丸から天守にのぼる通路がなかったことになっている。しかし、何らかの方法があったのではないか?」「豊臣秀吉が作った名護屋城は広大すぎて、まだまだ一部分しか発掘できていない。これからもっとたくさんのことがわかるはず」など興味深い話題の連続でした。
後半では、佐賀の城と他の地域の城を比較したり、文化財の保護や活用についても話題が拡がりました。
特に文化財の活用については先行するヨーロッパの事例を挙げながら、誰でもが楽しめる文化財の在り方について示唆に富むお話しをしていただき、佐賀県の文化財について振り返る機会にもなりました。
対談
講演の後には、事前に寄せられた参加者からの質問に千田さんのお答えをいただきました。
(進行:上野事業統括)
参考資料の抽選
最後に、学びを深める参考資料として千田さんの著書「城郭考古学の冒険」(幻冬舎)を紹介し、参加者に抽選でプレゼントしました。
県民カレッジ夢パレットさがの紹介展示
▲歴代の博士授与式の様子をパネルで紹介 ▲県民カレッジの紹介
参加者の感想(アンケートより抜粋)
- 情熱的な話しぶりで、テレビのとおりだと感動した。
- 実際に調査されたことからお話しをされたので興味深く聞くことができた。
- コンピューターを使ったバーチャル空間で当時の城を再現する時も、間違いがあってはいけないという話が面白かった。
- 名護屋城の石垣から築城技術の歴史的な変化がわかるとは驚いた。名護屋城へ行って石垣を触ってみたくなった。
- 文化財のバリアフリー化という視点は持っていなかった。文化財はみんなのもので、誰もが楽しめるようにしなくてはいけないと深く考えさせられた。