令和2年度「県民カレッジの集い」を開催しました
トークライブ!アバンセ 「アートとエンターテイメントの新しい可能性」
日時 令和2年11月8日(日) 14時~16時
会場 アバンセホール(オンライン配信あり)
佐賀県立生涯学習センター(アバンセ)では、県民の皆さまに継続的に生涯学習に取組んでいただきたいとの願いから、年に1度「県民カレッジの集い」を開催しています。
令和2年度「県民カレッジの集い」は、『アートとエンターテイメントの新しい可能性』と題して、2部構成で開催しました。
第1部は元佐賀新聞論説委員長の富吉賢太郎さんによる基調講演、第2部は佐賀の文化を彩る4名の登壇者によるトークセッションで、佐賀のアートとエンターテイメントの現在と、これからの取り組みを語り尽くしていただきました。
第1部 基調講演「佐賀の現代文化を楽しむ」
▲講師 富吉賢太郎(とみよしけんたろう)さん 【佐賀清和学園理事長、元佐賀新聞論説委員長】
第1部の基調講演は、富吉さんが文化に関わった最初のエピソードとして、幼少期に見た映画「空の大怪獣ラドン」の話から始まり、会場のみなさんが引き込まれていました。
また、新聞に書いたコラムがきっかけになり知り合った、82歳の現役 訪問診療医「小堀 鴎一郎」さんとの交流が語られました。交流を通して「人間の成長には、文化との触れ合いが欠かせないこと」が伝わってくるエピソードに、会場のみなさんも感銘を受けたようでした。
第2部 トークセッション「担い手たちに聞く ~今とこれから~」
第2部のトークセッションでは、アバンセ事業統括 上野景三の進行により、4人の登壇者と富吉さんにお話をうかがいました。
▲登壇者 重松恵梨子(しげまつえりこ)さん 【映画館シアターシエマ支配人】
コロナウイルス感染防止対策下の映画館の現状や、映画の鑑賞方法の多様化についてお話していただきました。基本的な対策を徹底することや、映画館での上映がなく、最初からネット配信される映画が増えていることなどが紹介され、これからの映画館の在り方について考えさせられる内容でした。
また「出張上映会」や、「監督とのトークショー」と「トークショーをネット配信する」などの新しい取り組みや上映する映画の選定、場の提供が社会に与える影響についても興味深い話を聞くことができました。
▲登壇者 冨永ボンド(とみながぼんど)さん 【現代芸術家】
冨永さんは、木工用ボンドを使った絵画を描き、ライブドローイングやアートスタジオの経営、商品販売などを手掛ける現代芸術家です。インターネットを使った新しい取り組みについてお話をうかがいました。
配信によるライブドローイングでは、視聴者のコメントに答えながらライブ感とコミュニケーションの面白さを作り出し、テレビ局と共同で『オンライン展示会』を開催するなどの事例を紹介していただきました。
インターネットを活用しながらも、「今後、実際に会うというのは、とても贅沢な、特別な体験という時代になるだろう」という意見に、受講者のみなさんもうなづいていました。
▲登壇者 北原香菜子(きたはらかなこ)さん 【薩摩琵琶演奏家】
2月頃から演奏会が次々と中止になる中、『白石町での、新型コロナウイルスの影響で出荷できなかったタマネギのための供養演奏』がテレビやインターネットで取り上げられ、話題になったお話などをお聞きしました。畑の中では、自然の風や太陽を感じるうちに自然と手が動いたそうです。
また、農業と文化活動のコラボレーションなどについての提案もありました。最後に、イベント全体のフィナーレを、薩摩琵琶の演奏で飾っていただきました。
▲登壇者 青柳達也(あおやぎたつや)さん 【演劇家】
緊急事態宣言の終了後に、佐賀城本丸歴史館の歴史寸劇をどのように再開したのかをお話ししていただきました。試行錯誤を繰り返しながら、役者と観客の間に透明スクリーンを張るなどの対策を考案し、おそらく全国最速級(6月半ば)で再開できたそうです。動画配信にも取り組んでいるそうですが、やはり現場で実際に見るのが演劇の基本的な形だと考えているとのことでした。
また、フリーランスの舞台スタッフ(いわゆる裏方)が受けた経済的な影響なども紹介し、社会的な視点でもお話ししていただきました。
▲助言者 富吉賢太郎さん (進行 上野景三(うえのけいぞう)【アバンセ事業統括】)
最後に、助言者の富吉さんから「文化が人の成長に欠かせないことを再確認した」「苦しい状況の中でも、たくさんの新しい取り組みが生まれていることを知り、心強く感じた」などのまとめの言葉をいただきました。
登壇者からのプレゼント抽選会
トークセッションの後、登壇者のみなさんと富吉さんからのサプライズ プレゼントが発表されました。
抽選会を行い、5名の方がプレゼントを受け取りました。
「わたしの生涯学習 発表会」のパネル展示
ホール ホワイエでは、生涯学習活動を紹介する写真展『わたしの生涯学習 発表会』を開催しました。
ものづくりや学習活動の他、『自作の漢詩集』や『ウォーキング活動中のごみ拾い』などの写真も紹介され、受講者のみなさんも興味深そうにご覧になっていました。
コロナウイルス感染防止対策
『県民カレッジの集い』の開催にあたり、様々なコロナウイルス感染防止対策を行いました。
▲オンライン配信の導入 ▲透明パネルの設置
▲客席の間隔を空ける ▲検温・消毒・マスク着用等の徹底
参加者の感想(アンケートより抜粋)
- 人間が人間たるにはいかに文化、芸術が大切であるかが聞けてよかった。
- 心が豊かになるひとときを過ごせた。佐賀には豊かな自然と、豊かな人材があると知った。
- コロナ禍において少し元気が出てきた。趣味の陶芸をやっているので創作を頑張る力が湧いてきた。
- 人としての生き方をそれぞれの立場で語っていただき、興味深かった。
- 講演、パネリストの話のレベルがそろって高く、気付きと学びが多かった。