令和2年度課題解決支援講座(武雄市)を開催しました
課題解決支援講座
佐賀県立生涯学習センターでは、市町、公民館等との共同企画で、地域課題の解決に向けて取組む講座を開催しています。《令和2年度は佐賀市、唐津市、武雄市の3地域と共催》
武雄市×武内公民館との共催で
「あなたが行きたい祭りをつくろう~未来ワクワク武内大作戦2020」[全3回]を開催しました。
講座のチラシはコチラ (752KB; PDFファイル)
また、講座[全3回]の前後に武内町住みよいまちをつくる会「お祭り部会」メンバーとの座談会を設けました。
武内町では町民の交流を目的に10年にわたり実施してきた『ふれあい祭り』の見直しや、観光イベントとして定着している『飛龍窯灯ろう祭り』の事業終了などを受け、これから武内町の祭りをどうするかという問題が横たわっていました。そこで「お祭り部会」をはじめとした町民を対象に、自由な語り合いの中から祭りのあり方を考えるワークショップを取入れた講座に取組みました。
参加者一人ひとりが自分の意見や思いを語り、みんなで企画をつくりあげていく体験を通して、地域行事に参画する意欲を高め、これからのまちづくり活動の一助につながることを目指しました。
講師は2017年に東京から佐賀(伊万里市)に移住され、ライター業の他、地域おこし活動やセミナー講師など、幅広い活動を展開されている株式会社ニコ代表のいわたてただすけさんと、武雄市山内町にあるイタリアレストランtrattoriYaMimasakaオーナーで、『日本一のサービスマン』に輝いた実績を持つ鳥谷憲樹さんのお二人です。
講師 いわたてただすけさん 講師 鳥谷憲樹さん
武内公民館での講座各回の様子を[講座だより]にもまとめています。どうぞ、ご覧ください。
第1回「武内のいいところを集めようの巻」12/16(水)
会場の公民館には10代から80代までの幅広い年代の方々が集合。
はじめにメイン講師のいわたてさんから「お祭りの企画」を1本の木に例えて考えよう、というお話がありました。企画は「何のために祭りをやるのか」この木何の木、という木の幹の部分が大事なこと。そして木の養分になるのは地域課題。『無数にある課題(養分)を吸い上げ、連鎖的に解決につなげていくお祭りをつくろう』『お祭りで地域課題を解決しよう』という発想に、参加者一同「なるほど!」と深くうなずきました。
その後、日頃感じている武内町のいいところと課題について話し合い、全体発表で内容を共有していきました。
グループワークでは笑い声も聞こえ、和気あいあいとした雰囲気の中、1回目がスタートしました。
講座だより(1)←コチラをクリックしてください。 (663KB; PDFファイル)
第1回参加者の声(アンケートより一部抜粋)
- 日頃話さない人たちとも気兼ねなく話すことができた。
- いろんな世代の意見が聞けたので、参考になって楽しかった。
- 自分が住む地域のいいところや課題を出して、そこから企画を考えるのがおもしろかった。
- 思ったよりたくさんの意見が出ていた。きっといい祭りができると思う。
第2回「私たちの祭りをカタチにしようの巻」1/18(月)
2回目は、前回取組んだ武内町のいいところと課題をベースに、2つのキーワードを掛け合わせて祭りのコンセプトを考えていきました。少し難しいのか頭を抱えたりするグループもチラホラ。それでも魅力的な掛け合わせが続々と発表されました。そして、メイン講師のいわたてさんから、コンセプトを選ぶ際は「祭りですること(TODO)をできるだけ多く受けとめることのできるコンセプトを選ぶこと」「1つの課題が解決して連鎖的に他の課題もよくなりそうなコンセプトを想像して選ぶこと」とアドバイスを受けて、投票に進みました。
結果、武内町のお祭りのコンセプトは《音×炎》に決定!
「武内町はなんもなか~」から『音×炎の祭りの武内町』という、かっこいいキャッチフレーズができました。
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第2回参加者の声(アンケートより一部抜粋)
- アイデアを出すのが難しかったが、出始めると楽しかった。
- 自分では発想しないアイデアや意見が飛び交い、意見がプラスされていく過程がおもしろかった。
- 様々なアイデアを率直に出しあえて、みんなで議論してコンセプトが決まってよかった。
- できるところまでたくさん話し合って、よい祭りをつくり上げたい。
第3回「武内流おもてなしの心を探そうの巻」2/16(火)
3回目は『お祭りとおもてなし』について、メイン講師の鳥谷さんからお話を伺い「音と炎のお祭り」で何をするか(メインコンテンツ)について考えていきました。「お祭りもレストラン経営も『リピーターづくり』と『継続性』が大事。そのために『おもてなし』は欠かせないもの」と語りかけられました。そして、お祭りでもてなす人は『地域の課題を解決してくれる人』と捉え、祭りの企画づくりに取組みました。
提案された9つの企画を投票で1つに絞り、武内町の新たな祭りは《音と炎の武内町 飛龍窯キャンプ祭り》に決定しました。
各回のワークショップでは『相手の話を否定しない』『しっかり話を聴こう』と呼びかけ、風通しのよい話し合いの場づくりを大切に進めました。講座が進むにつれて「自分の意見が言えた!」という人の割合がアップしたのも嬉しい結果となりました。
さて、今後、具体的な中身の検討は「お祭り部会」に引き継がれることになりましたが、講師のお二人から「新たな祭りが『飛龍窯』のためだけの祭りで完結することなく『人口減少』や『空家問題』など、様々な武内町の課題解決に絡めた祭りの組立てとなるよう意識して取組んで」とエールが送られました。
講座だより(3)←コチラをクリックしてください。 (472KB; PDFファイル)
第3回参加者の声(アンケートより一部抜粋)
- 意見を出しやすい話し合いの場で楽しかった。自分の意見も反映されて、参加して気持ちよかった。
- いろいろな思いをそれぞれ熱く語ることができた。自由に話し合える場を持てたことに感謝。
- これまで受け身で参加してきた祭りだったが、楽しく話し合え、新しい意見やアイデアが出し合えた。
- これからの祭りの中身を考えていくことがすごく楽しみになった。
「お祭り部会」との座談会 10/27(火)
講座が始まる前の10月に「お祭り部会」との座談会を設けました。講座の開催経緯などについて説明を行い、それぞれが「行きたい祭り」について語り合いました。メンバーからは「いつもの会議っぽくなく楽しい。自分の意見が言えた」「いままでのお祭りから視点を変えて考えることができそう。楽しみ」など、講座への期待感も感じることができました。また、「お祭り」を考える地域のコアメンバーと顔を合わせ、講座の目的を共有できたことは、講師や公民館職員、アバンセスタッフにとっても大きな励みとなりました。
「お祭り部会」とのふり返り 3/15(月)
3回の講座を終えて「お祭り部会」と一緒にふり返りを行いました。メンバーからは「もっと提案したいことがあった。都合で欠席した回があって残念」「みんな自分の言いたいことは言えたと思う。ここまで作りあげることができてすごい」など熱を帯びた声が寄せられました。同時に部会メンバーのみなさんが武内町のことが大好きという気持ちもヒシヒシと伝わってきました。
「お祭り部会」に残されたミッションは、新たな祭りの開催に向けてどのように進めていくかです。頭で考えてもなかなか方策が見つからないそんな時、講師から「まずはみなさんでキャンプ体験をしてみませんか」の一声が。すると、一斉に「わたしたちでまずはやってみよう」「自分たちが体験して何ができるか、何が必要かを考えよう」と意識が前向きにチェンジ!メンバーの気持ちがひとつになって動き始めました。
これから「お祭り部会」を中心にワクワクのキャンプ会議がスタートします。
メンバーのワクワク感を地域に広め、より多くの町民のみなさんを巻き込みながら、
《音と炎の武内町 飛龍窯キャンプ祭り》の開催が実現することを期待しています。
武内町のみなさん、ありがとうございました。