令和7年度学生への意識啓発事業を開催

~多様性を味方に~ 自分らしく未来を描こう

令和712月1日(月)1620分~1750分 西九州大学佐賀キャンパス


 価値観が多様化し、変化の大きい社会の中で、どのように自分らしい生き方を描いていくのか、講師 小崎さんの経験やライフデザインを通して考え学ぶ講座を西九州大学短期大学部との共催で実施しました。


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講師 小崎 恭弘さん(大阪教育大学教育学部 教授)


講座のチラシはこちら (1187KB; PDFファイル) 

なぜライフデザインが必要?

人の生き方や人生・生活も変化する時代

 今回、講座を受講したのは、西九州大学短期大学部の1年生の皆さんです。「皆さんは何歳まで生きる予定にしていますか?」との小崎さんの問いかけに、聞こえてきたのは「70歳」「80歳」「85歳」などの声。「100歳以上生きたい人」への挙手は少数でした。これに小崎さんは、大正、昭和、平成の日本の平均的なライフサイクルのグラフを出し、寿命が大きく伸びていること、また、将来の平均寿命が100歳を超えると予想されていることを話されました。そのため「学校に行って、就職して、結婚して、子育てして、60歳定年引退」という昭和に多く見られたモデルで生きていくのは、今後、難しくなると思います」と話されました。


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 また、以前はなかった新しい仕事もどんどん生まれています。「だからこそ何度でも学び直すことができるし、色んな働き方ができます。自分の可能性を広げることができる」と続けられました。兵庫県で初の男性保育士となり、その後も様々な活動や仕事に取り組んでこられた小崎さんだからこその説得力のあるお話しに、頷く学生達の姿が見られました。


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モデル不在の時代の生き方

 このように、変化し続けている社会。小崎さんは時代と共に変わる人生に対する意識調査、また人口動態などのデータを示しながら、その変化がどれだけ大きく加速度的に進んでいるかを説明されました。また、自身の学生時代や結婚、子育ての経験談を交えながら「卒業後はどうしたい?結婚はする?しない?どんな仕事をしたい?」とライフイベントについて問いかけられました。周りの人と「どうする?」と話し込む学生達。若い人に理想の家族像を聞くと、意外と親世代の結婚や家族をモデルにイメージをしていることがあるそうです。小崎さんは「それは40年前のモデルかもしれません。社会はもっと大きく変化しているし、多様な選択肢があるということを意識しておいてください」と話されました。そして「これだけ社会が変わると、今まで当たり前と思っていたことがそうではなくなっていきます。ロールモデルは存在しません。そこで、大事になるのが、自分で自分自身のライフデザインをするということです」と話されました。


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ライフデザインをしてみよう

 最後にワークシートに沿って、それぞれ何歳でどうなっていたいかなど、ライフプランを考える時間を持ちました。

 社会の変化を受け入れ、楽しみながら、モデルなき時代を生きていくにはどうしたらいいか。「それは、ここにいるひとり一人が新しいモデルになって、自分らしい生き方を目指していくことだと思います。男性だから、女性だからできないということもありません。私は以前、男性はなれないとされていた保育士になることができました。多様性と個性を生かして、可能性を広げ、社会にないものは作って、そうして自分の目指す人生を作っていってください」とエールを送られました。

 

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学生の声 

アンケートより(一部抜粋)

  • 講師の先生の話がとても面白く、気づけば夢中で聞き入っていた。誰もが自分らしい未来を選び取れる時代になっているというメッセージに大きな勇気をもらった。何歳からでも新しい挑戦ができ、学び直しや資格取得も可能であるという話を聞き、前向きな気持ちになれた。
  • 性別は関係ないし、結婚も自由な社会だとはわかっているけど、やっぱり親が生きてきたように生きようとしてしまったり、結婚はするものと考えてしまっているなと気づくことができました。
  • 自分の生き方を自分で選ぶことの重要さを改めて感じた講義だった。自由な社会だからこそ、主体的に考える姿勢が必要だと気づき、将来について向き合う良い機会になった。
  • 「自分らしさ」を大切にしていいという考えに勇気をもらった。将来、保育の現場でも子ども一人ひとりの個性を大事にできる保育者になりたいと思った。

  • 日本で生活していると、社会の仕組みや働き方の考え方が自分の国と違うと感じることが多いですが、講義を通してその背景を理解することができました。
  • これからの生活や将来についてゆっくり考える時間になったので、とてもよかったです。普段はあまり考えられないことを見つめ直すきっかけになりました。

  • 自分らしく生きることが社会にも良い影響を与えると気づき、将来の選択に自信を持てそうです。今回の学びを生かして、自分の未来を主体的に描いていきたいです。


【主催】佐賀県立男女共同参画センター、西九州大学短期大学部

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