令和7年度 政治参画セミナー【公開講座】を開催しました

「私たちが安心して暮らしていくために考える政治のこと」(講演&対談)

和田靜香さん 今年度の政治参画セミナー公開講座は、「50代で一足遅れてフェミニズムを知った私がひとりで安心して暮らしていくために考えた身近な政治のこと」の著者で、ライターの和田靜香さんを講師に迎えました。

 フリーランスでシングル女性としての生きづらさを痛感した和田さんの経験や、取材を通じて感じたことなどをお話しいただきました。

以下、その一部をご紹介します。

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 長年フリーのライターとして音楽や相撲について書きながら活動をしてきたが、40歳過ぎた頃から徐々に仕事が減り、アルバイトをしながら生計を立てていました。しかし、コロナ渦に入りアルバイトも無くなり追い詰められたときに、「この苦しい生活は私のせいですか?」と衆議院議員の小川淳也氏に問答を申し込みました。そのことを書いた本が政治分野では異例のヒットとなり、再びライター生活へと戻ることができました。

 小川議員との問答を通じて、「女性が抱える問題は、男性中心の政治では伝わりにくいのでは?」と考えるようになりました。それまで政治のことは何もわからなかったが、初めて女性の政治家について調べていくうちに、神奈川県の大磯町で男女同数のパリテ(男女同数)議会が20年以上続いていることを知り、「どのようにしてパリテを達成し続けることができたのか?」知りたくなり、大磯町に取材に通い、その後、一冊の本にまとめました。

 大磯町を取材すると、公民館での勉強会やおしゃべりといった、数十年にわたる女性たちの草の根の積み重ねが基盤にあることがわかりました。カフェを拠点に繋がり、自分たちが暮らす大磯町のことを語り、考え、行動する姿から、暮らしと政治が繋がっていることを実感しました。また、女性が自信を持てないのは、自分のせいだと思いがちだが、女性が自信を持つことができる環境や機会があれば、女性は自信を持つことができるということを、大磯町の取材を通じて学びました。

 以前、私は「女性はまず家庭の中で妻として母として輝くべき」という価値観に縛られていました。しかし、取材に関する資料をいろいろと読む中で、これは1970年代に政治によって作られた「日本型福祉社会」の構想に根差したものであることがわかりました。女性が無償ケア労働をすることは、昔からの習わしで仕方がないことではなく、政治によって決めらたことで、その政治の世界は高齢の男性が多くを占めており、このことからも政治に女性が参画することが大切だと思いました。

 政治参画とは、必ずしも政治家になることだけではありません。政治について話すことや政治家を応援することも政治参画であり、その人なりのできることをすることが政治参画だと思います。私たちが日々の暮らしの中で抱く違和感を大切にするとともに、女性は、シングルとか、主婦とか、とかく分断されがちですが、分断されてはいけないと思います。分断を超えてつながりあうことで、女性が少しでも生きやすい社会になることを願います。

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 講演後の対談では、アバンセの田口館長が聞き手となり、和田さんにお話を伺いました。対談では、フェミニズムを知ったきっかけなどをお話しいただきました。

 和田さんがフェミニズムを知ったのは、2019年の「#Ku Too」運動がきっかけとのことでした。当時、和田さんはイタリア料理店でアルバイトをしていて、パンプス着用を強いられていたそうです。長時間の立ち仕事で、ものすごく足が痛い経験をしていたことから、「#Ku Too」は自分ごとであったと当時を振り返りながら話されました。

 そして、対談後の質疑応答では、会場からたくさんの質問や感想が寄せられました。

 

 最後に、和田さんから参加者に向けて、「これまで長く政治や社会のために活動してきた女性たちのことを心から尊敬しています。皆さんの頑張りを世間に伝えていくことが、私の役目だと思っており、これまでの活動に感謝するとともに、これからもぜひ活動を続けてください。」とのメッセージが送られました。

                                     

 ※職場でのハイヒールやパンプスの着用義務付けに反対する、石川優実氏が始めた日本の社会運動。「靴」と「苦痛」、「#Me Too」を掛け合わせた造語。

  2019年にSNSで広まり、健康被害や性差別的側面を訴え、2019年ユーキャン新語・流行語大賞トップテンに選出された。

 

【参加者の声】※一部抜粋

  • 和田さんのお人柄あふれる時間でした。等身大の語りにとても引き込まれます。政治、政治参画などもっと身近に感じて、ふみ出せたらと思います。
  • とても気軽に政治の話が聞けました。身近に感じることもできました。
  • いろいろな切り口で、女性の政治参画の必要性を知ることができ、大変有意義だった。
  • 今の制度、世間の考え方は政治が作ってきたもので、様々な社会の“空気”を作ってしまえる政治に無関心ではいられないと思いました。
  • 分断しない、互いを不自由にしない、皆が自由になれる言葉が、よりよい社会を作っていくのかなと思いました。

(2025年9月21日開催)

 和田靜香さん

   

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