令和6年度「女性のためのエンパワーメントセミナー」【第1回】を開催しました
女性を対象に、暮らしのなかで「○○だから」にモヤモヤを感じることや、無意識の思い込みや決めつけに気づき、「わたしらしさ」や「わたしらしい生き方」を探し、「わたしらしさ」を大切にするためのセミナーを開催しました。
(1)コーヒーと一緒に「わたしらしさ」を考える
【講義】矢内 琴江さん(長崎大学ダイバーシティ推進センター 副センター長)
【コーヒーの淹れ方と活動紹介】諸石 紋子さん(自家焙煎珈琲goen 店主)
*実施:令和7年2月15日(土)13時30分~15時30分 アバンセ 美術工芸室
第1回目は、性別による思い込みや決めつけやおいしいドリップバッグコーヒーの淹れ方のコツを学び、コーヒーを飲みながら「わたしらしさ」や「わたしらしい生き方」を考えました。
前半は、矢内さんから、ジェンダーをめぐる歴史的背景や、世界経済フォーラムが発表した日本のジェンダーギャップ指数など、ジェンダー平等に関する現状をお話いただきました。また、大学生や地域の女性たちの「モヤモヤ」を紹介していただき、同じグループの参加者同士で、身近にあるジェンダーに関する「モヤモヤ」や気づきを話し合いました。
最初は、緊張した面持ちの参加者も、お互いの意見を出し合うことで、徐々に笑顔が見られ、リラックスした表情で、時には笑い声が起きるような雰囲気でした。
矢内さんからは、「私たちの社会の中にある、性別をめぐるモヤっとした問題は、個人の問題ではなく、社会構造の問題であって、誰にでも関係すること」と述べられました。また、性別をめぐる生きづらさを考え、周りの人と語り合うことが、人にやさしい社会をつくっていく練習になること、その練習が、一緒に考えていく仲間と出会う機会にもなること、そして、自分の生き方やよりよい社会づくりについて一緒に考えることにつながるということを教えていただきました。
後半は、諸石さんから、自家焙煎珈琲の喫茶店を始めるきっかけや師匠との出会い、喫茶店を開店する前に知り合いになった仲間と一緒に始めた地域活動団体「さくらむすび~桜結~」(以下、「さくらむすび」)による自発的なまちづくりへの取り組みや、SDGsにつながるライ麦ストローや新聞紙で作ったエコバッグなどの取組みを紹介していただきました。中でも、「さくらむすび」の活動は、佐賀県の令和3年度「佐賀さいこう表彰(自発の地域づくり部門)」を受賞され、ライ麦ストローやプラスチックごみの削減では、今年1月に佐賀県が主催で開催された「プラスマLifeさが プラゴミ削減フェア」でその取り組みを紹介されました。
参加者のみなさんが楽しみにされていた、おいしいドリップバッグのコーヒーの淹れ方のコツについて、実演を交えながら教えていただきました。今回は、紙コップ2個を使って、一人ずつドリップバッグコーヒーを淹れて、家でもおいしいコーヒーを飲んでもらえるように体験してもらいました。コーヒーの香りと味わいを堪能しながら、前半の矢内さんの講義の感想や諸石さんの活動などの感想を、同じグループの中で共有しました。
諸石さんからは、屋号の「goen」にもあるとおり、人とのご縁を大切にしながら、周りの人に話をして、「とりあえずやってみよう!」と行動に移してきたことが、新たなご縁につながり、現在の活動につながっていること、そのつながりを大事にされていることをお話いただきました。
【参加者の声】*アンケートより(一部抜粋)
- ジェンダーの話は気づきが多くて、もっと聞きたいと思いました。
- ジェンダーについて、考えるきっかけになりました。何事も考え続けること、意見を交わし続けることが大事なのかなと思いました。コーヒー好きという共通の方々と話ができてよかったです。
- 初対面の方と、お話する・意見することがないので、新鮮でよかった。ジェンダーの話も、あらためてよかった。
- "性をめぐる生きづらさは、社会構造の問題"というのが新たな気づきでした。
(参考)令和6年度「女性のためのエンパワーメントセミナー」チラシ (770KB; PDFファイル)