令和5年度男女共同参画の視点を取り入れた防災リーダー養成講座
「NOひとりぼっち!防災まちづくり ~私たちができること~」
佐賀県立男女共同参画センターでは、地域で防災活動をされている方や防災に関心のある方を対象に、「NOひとりぼっち!防災まちづくり~私たちができること~」をテーマとして学ぶ、3回連続の「男女共同参画の視点を取り入れた防災リーダー養成講座」を開催しました。
本講座は、過去に発生した災害の実態や男女共同参画の視点を取り入れた防災の先進事例から学び、誰ひとり取り残さない安全・安心な災害に強いまちをつくるために、私たち一人ひとりができることを考えるための講座です。
また、これまで連続講座に参加された方を対象に、「NOぼっち交流会」を開催しています。
今年度は、「鹿島・太良広域連携SDGs推進協議会」と共催で、鹿島市で開催しました。
第1回 「地域づくり×防災」 ~互近助づくりは笑顔と交流から~
講師:柳原 志保さん(歌う防災士 しほママ)
(令和6年1月14日 日曜日 10時00分~12時00分 鹿島市民交流プラザ「かたらい」3階大会議室)
第1回は、東日本大震災、熊本地震、令和2年の7月豪雨を経験され、地域の自主防災組織の役員として活動されている柳原志保さんに「地域づくり×防災~互近助づくりは笑顔と交流から~」と題してご講義いただきました。柳原さんの教訓と防災の知恵を元につくられたクイズや体操、「クロスロード(防災シミュレーションゲーム)」の体験などから、多様な立場の住民が参画し、互いに近くで助け合うことができる地域防災の進め方を学びました。「クロスロード(防災シミュレーションゲーム)」の体験では、「立場によって答えが変わる」という気づきを得ることができました。過去の災害で経験した性別や立場による困難を生み出さないためにも、多数派に流されがちな物事を決める場面で、少数派の意見も大切にすること、その答えの背景や事情を想像すること、そして、自分の想いを伝えることの大切さを学ぶことができました。
第2回 「男女共同参画×防災」 ~その時、被災地で何が起きたのか~
講師:小山内 世喜子さん(一般社団法人男女共同参画地域みらいねっと代表理事)
(令和6年1月27日 土曜日 10時00分~12時00分 鹿島市民交流プラザ「かたらい」3階大会議室)
第2回は、「男女共同参画×防災~その時、被災地で何が起きたのか~」と題して、「防災と男女共同参画」をテーマに、防災人材育成研修やジェンダー視点を取り入れた防災教育、避難所運営訓練を実施されている、小山内世喜子さんにご講義いただきました。
小山内さんは、令和6年1月に発生した能登半島地震の被災地である石川県内の避難所へ、発災直後から内閣府「避難所運営OJT」等として支援をされていることもあり、能登半島地震の現状もお話いただきました。そして、これまでの大規模災害を通して、男性と女性で異なる災害の影響と困難さから、防災における男女共同参画の視点や女性を含む多様な人たちの地域防災への参画の必要性を学び、地域住民でできる防災の取組について考えました。
第3回 「学び」を「かたち」に ~防災・減災プログラムづくり~」
講師:小山内 世喜子さん(一般社団法人男女共同参画地域みらいねっと代表理事)
(令和6年1月27日 土曜日 13時00分~16時00分 鹿島市民交流プラザ「かたらい」3階大会議室)
第3回は、「学び」を「かたち」に ~防災・減災プログラムづくり~」と題して、これまで学んだことを活かして、地域の実情やニーズに合った取り組みを考えていきました。
プログラムを作る前に、「男女共同参画の視点を取り入れた防災・減災の基本理念」を確認しました。そして、地域の課題等を踏まえながら、「目的」「いつ」「どこで」「誰と」「予算」など具体的にプログラムを考えていきました。最後に、企画したプログラムを発表し企画を共有しました。小山内さんからアドバイスをいただき「防災リーダー研修」、「防災カフェ」、「避難訓練」など取り組みたいことがプログラムの形になりました。これから地域等で、みなさんのプログラムが実現するのが楽しみです。
修了証交付
「男女共同参画の視点を取り入れた防災リーダー養成講座」は、参加者のみなさんに、男女共同参画の視点を取り入れた防災を、地域で核となって進めていただくためと、防災リーダー同士の横のつながりをつくるために開催しています。3回の講座すべてを受講された15名に、「修了証」を交付しました。
また、地域の避難所の運営に男女共同参画の視点を取り入れていただくために、参加者全員に「男女共同参画の視点を取り入れた避難所運営の手引き(佐賀県立男女共同参画センター制作)」をお贈りしました。
参加者からの感想(抜粋)
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防災の町づくりは、仲間づくりと思いました。意識を高めて、災害に強い町になれたらいいと思います。
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防災の観点だけでなく、日々の暮らしで気をつける大切さに気づいた。
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平時からのつながりネットワークが重要、声を上げる事(女性は特に)。
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避難所での問題を、日頃から考えることは大切なことだと思いました。
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防災訓練での炊き出しを男性にも経験していただきたい。そのことが自分自身を守ることにも繋がるという意識を持ってもらうことが重要だと思いました。
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地域の防災リーダーの研修を行い、地域全員が防災に関心を持つようにしたい。
- 誰一人取り残さないという事を肝に銘じ、次世代を担う子ども達とも頑張る事ができればと思いました。
- 女性リーダーの必要性を伝えたい。
NOぼっち交流会
男女共同参画の視点による避難所運営訓練 「みんなでつくろう!安全・安心な避難所」
講師:岩本ヤヨエさん(一般社団法人男女共同参画地域みらいねっと理事)
田中 茂子さん(一般社団法人男女共同参画地域みらいねっと理事)
(令和6年1月28日 日曜日 13時00分~16時00分 のごみふれあい楽習館 体育館)
「NOぼっち交流会」では、「防災と男女共同参画」をテーマに防災人材育成研修やジェンダー視点を取り入れた防災教育、避難所運営訓練を実施されている、一般社団法人男女共同参画地域みらいねっとの、岩本ヤヨエさんと田中茂子さんを講師にお迎えして、「男女共同参画の視点による避難所運営訓練」を行いました。
はじめに、男女共同参画の視点からの防災について講話があり、その後、地域の多様な人たちを想定した避難者受入訓練を行いました。そして、班別の避難所づくりでは、総務・情報班、施設管理班、救護班、乳幼児世帯班の4つのグループに分かれ、実際に、段ボールベッドやパーテーション等の防災資機材や、体育館にあるものを使って各班で知恵を出し合いながら、何もなかった体育館に避難所空間を作りました。最後に、グループごとに振り返りを行い、全体で共有しました。日頃からの訓練の大切さを実感しました。
参加者からの感想
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座学も、もちろん大事ですが、実際動いて体験できた事がとても良かった。地元でも、多くの人たちに伝えて、地元の皆さんと、勉強会、体験会をやれる様にしたいと思っています。
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避難所を実際つくったこと、はじめて会った人と知恵を出しあい、マニュアルのない状態で行動できたことがよかった。
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避難者でルールを決めて配置などできよく、大変勉強になりました。
- 避難所設営のイメージが理解できてとてもよかった。