令和5年度 男性のための介護支援講座

 男性が両親や妻を介護するケースが増えています。悩みや苦しみを一人で抱えることなく、介護とうまく向き合うために、座学と実習を通して、男性が介護することについて一緒に考えました。 

宮城県石巻市から「男の介護教室」がやってくる「楽しく学ぼう “男の介護”」

講師写真講義写真

講師:河瀬 聡一朗さん(男の介護教室代表・宮城県石巻市雄勝歯科診療所所長)

 

 講師は、宮城県で男性介護者を地域から孤立させないために取り組まれている、「男の介護教室」代表の河瀬聡一朗さん(宮城県石巻市雄勝歯科診療所所長)をお迎えしました。

 河瀬さんは、東日本大震災後、宮城県に移り住み、石巻市雄勝歯科診療所所長として地域での診療の過程で、男性介護者が抱える課題に直面されたそうです。家事・介護の知識やスキルがなく、途方に暮れている男性介護者と接し、「食に関わる歯科医師として何とかしたい」、「世の中にはストレスを感じながら、介護をしている男性がもっとたくさんいるのでは・・・」、「同じ境遇にある男性同士が集まる機会を作りたい」そう思い、医師やケアマネージャーと連携し「男の介護教室」を立ち上げたそうです。この日も、男の介護教室の”男技エプロン”を着用してご指導いただきました。


 まず河瀬さんからは、男性介護者の現状についてのお話がありました。女性に比べ家事、育児の経験が少ない男性は介護に不慣れなことが多いうえ、他人に相談することを控え、ストレスを自身で抱え込んでしまう傾向があることなどを、データや実例などを交えて教えていただきました。


 次に、パッククッキングを体験しました。パッククッキングとは、家庭版真空調理のことで、ポリ袋に食材を入れて湯せんで火を通す料理法です。今回は、冷凍野菜を使って「鶏肉と根菜野菜の煮物」を作りました。1人分の煮物が簡単にできました。「おいしかったので、家でも作ってみる」という方もいらっしゃいました。

実習写真1実習2講義写真 


 そして、誤嚥性肺炎の予防につながる口腔ケアの方法や、食事の際の適切な姿勢や、食事の形態、食事の介助方法について、相互実習を交えながら教えていただきました。介護する人、介護される人を体験したことで、それぞれの気持ちがわかりました。河瀬さんからは、「『食べる』ということは、体を元気にするだけでなく、人生を幸せにすることにつながります。『食べる』ということを意識して、今日学んだことを介護する時に思い出してください。」とメッセージを送られました。

 河瀬さんの講義により、介護を前向きに考える良い機会となりました。


(12月23日 土曜日 13時30分~16時00分 アバンセ調理実習室)


参加者からの感想(抜粋)

  • 介護者の立場が深まった。

  • 実践に役立つ内容でよかった。簡単にできる料理を教えてもらって、今後に生かせそう。

  • 高齢者、認知症に関する話が聞けてよかった。

  • 相手によりそった姿勢が大切ということが分った。

  • 説得力があり非常に勉強になりました。

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