令和5年度 男女共同参画フォーラムを開催しました

佐賀県立男女共同参画センター主催で、「男女共同参画フォーラム」を開催しました。

当初、アバンセ ホールで開催予定でしたが、申込受付開始から間もなくして定員を超えるお申込みをいただいたため、できるだけ多くの方にご参加いただけるよう、会場を小城市生涯学習センター「ドゥイング三日月」多目的ホールに変更して開催しました。 

  • 日時:令和6225()1400分16時00分
  • 会場:小城市生涯学習センター「ドゥイング三日月」多目的ホール
  • テーマ:「ちょうどいい」自分の居場所の見つけ方
  • 主催:佐賀県立男女共同参画センター
  • 協力:佐賀市 小城市

 【講演】 「『ちょうどいい』自分の居場所の見つけ方」

講師:ジェーン・スーさん(コラムニスト・ラジオパーソナリティ)

20240225男女共同参画フォーラム講師写真01

講演の一部をご紹介します。

 ー「ちょうどいい居場所」とは ー 

「居場所」とは、心を休めたり、活躍したりできる環境、そこにいてもいいと感じられる、役に立っていると感じられる場所で、快適だと感じられる場所です。快適と感じられるためには、安全・安心・受容の3つがそろっていて、性別や障害のあるなしに関わらず、さまざまな属性の人が、安全・安心で、誰かの幸せを奪ったり、誰かを傷つけたりしないで物事が進められることが重要だとお話していただきました。そして、「『自分がここにいてもいい』と思える場所」=「ちょうどいい居場所」を感じられるためには、ありのままの自分を認める「自己受容」が、はじめの一歩だと教えていただきました。

 

「自己受容」に欠かせないのは、社会と自分の変化に気付くことが重要であること、例えば、ジェーン・スーさんが20歳の時に思い描いていた未来で「普通」とされていたことが、現実は違っていたとしても、それは不幸なことではなく、とても「私らしい」ことだということを紹介していただきました。なぜなら、いつの間にか「普通」とされていたことが変化し、時代に合わせて、自分自身の認識や生き方をアップデートすることが必要になってきたからとのことでした。

 

ー「らしさ」について考えるー

「女らしさ」「男らしさ」といわれる背景には、性別と役割が一体化した社会システムがあり、そのシステムに合わないことと、「私らしさ」は無関係であることもお話いただきました。そもそも、性別は、男女のみで分けられるものではなく、身体的性(からだの性)、性自認(こころの性)、性表現(ふるまう性)、性的指向(性的に惹かれる性)など複数の視点が必要であることも教えていただきました。中でも女性やマイノリティーに多いと言われる「インポスター症候群(詐欺師症候群)」は、「たまたま運がよかったから」「周りの協力があったから」と自分の能力を認められない症状であることから、そうならないために、誰かが決めた「普通」と自分の「普通」が同じでないと認識することが大切とのことでした。

 

ー「ちょうどいい居場所」を見つけるためにできることー

「ちょうどいい居場所」を見つけるためには、「○○するべき」から自由になること。「NOと言える練習」から始める。そのためには、「今の自分を客観的に見つめなおし、自分を受け入れること」、「自分自身のアップデートを怠らないこと」、「自分の幸せを他人に決めさせないこと」、「他人の快適を奪わないこと」や、「社会を整えて、性別と役割が一体化していないかを意識していくこと」、「自信の定義を変えていくこと」が大切とのまとめの言葉をいただき、講演を終了しました。

 

【質疑応答】

進行:田口香津子(佐賀県立男女共同参画センター館長)

20240225男女共同参画フォーラム質疑応答

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事前に参加者の皆さんから寄せられた、ジェーン・スーさんへの質問やメッセージを交えながら、「ちょうどいい自分の居場所」について考えました。

 

ジェーン・スーさんには、「ジェンダー」や「働き方・職場でのジェンダー」、「パートナーや家族との関係」などについて、講演でのお話を振り返りながら、お話いただきました。会場はライブ会場さながらに時々笑い声が上がりながらも、終始、参加者のジェーン・スーさんの言葉を聞き逃さないという、にぎやかさと静けさが入り混じった雰囲気に包まれました。

 

質問に答えていただく中で仰っていたのは、「自分自身を見つめ直し、自分で一つずつ解決していってください」という言葉でした。「他人に決断を委ねず、自分自身で決めることが大切」ということを、重ねて教えていただきました。

  

【参加者の声】(一部抜粋)

  • インポスター症候群、まさに陥ってると思いました。ちょうどいい自分の居場所を見つける練習していきます。
  • あっという間の2時間でした。1人1人が自分の力を信じてエンパワメントする!!という力強いメッセージをありがとうございました。
  • 講師の選択が良いと思いました。佐賀では男女参画がまだあまり進んでいないように感じます。この内容は男性も聞きやすいので、男性にも聞いて欲しいと思いました。
  • 居場所や自分らしさに悩んでいたのでとても心に響きました。アップデートしながら、これが私なんだと自己受容して、自分らしく歩みます。
  • 66歳の男、今日の学習を実践に移したいと思います。「まだまだ、私も伸びしろがあります。」と宣言しておきます。

(参考)令和5年度男女共同参画フォーラムチラシ(再募集) (345KB; PDFファイル)

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