令和5年度「地域で活躍する女性のためのセミナー」を開催しました

はじめの一歩 ~できることからはじめよう~

 女性の地域活動への「はじめの一歩」を後押しするために、女性が地域で活躍することの大切さや固定観念・先入観に囚われないコミュニケーション等を学ぶ全3回のセミナーを開催しました。


【第3回】「自分も相手も大切にするコミュニケーション」

 講師:井上 智美さん(CREER代表、キャリアコンサルタント)

(11月25日 土曜日 アバンセ第3研修室)

 地域とかかわり、何かを始めるときには、仲間や周りの方々と様々な場面で必要となるコミュニケーション。第3回では、そのコミュニケーションの場面において、言葉や行動の選択に影響を与えている自分でも気づかない「アンコンシャス・バイアス」(無意識の偏見)について理解し、自分も相手も大切にするコミュニケーションスキルについて学びました。

 

第3回講師 はじめに「○○といえば?」のテーマによる気づきのワークを体験しました。例えば、「消防士」「看護師」「モデル」「社長」と聞いたときに、どのようなイメージを持つのか。「消防士は筋肉質で運動神経がよさそうな男性」「看護師は白衣を着た優しそうな女性」など、その職業に自分が持っているイメージが脳裏に瞬時に浮かぶ脳の認知機能が、アンコンシャス・バイアスを生み出しているとのことでした。

 私たちは特定の職業や役割を持った人に対して、ある一定のイメージを持っていて、それ自体が悪いわけではないが、固定的な見方になると相手が不快感や違和感を覚えることがあるため、自分がどのように物事を見ているのか、アンテナを立てることが必要だと話されました。

 

■アンコンシャス・バイアス、何が問題?

 アンコンシャス・バイアスがあると、その無意識の関連付けが、相手や周囲にネガティブな影響を起こすことが問題だと言われているそうです。個人への影響として、日常の些細な言動や行動となって表れ、相手の意識に作用することで、組織の人間関係やパフォーマンスを悪化させます。また、組織への影響として、採用、評価、昇進、育成などのタレントマネジメントや、リーダーの意思決定、行動選択に影響を与え、様々な問題を引き起こす恐れがあり、これらは地域においても同じことが言えるとのことでした。

 例えば、PTA会長は男性で、女性は副会長とか、自治会長は男性が望ましいなど。「これらは本当にそうなのか」「自分の経験や属性などの思い込みで判断していないか」「先入観や固定観念にとらわれていないか」など、客観的に見つめることを日頃から意識しておくことが大切だと話されました。

 

■マイクロメッセージに敏感になろう

 マイクロメッセージとは、ちょっとした態度やしぐさ、表情や言葉の中に潜むもののことで、そのちょっとしたことが当事者や組織に悪影響を及ぼしかねない。例えば、地域での話し合いの時に、若い人や女性の意見を途中で遮ったり、聞かなかったり。また、話を聞きながら腕組みをしたり、首を傾げたりすると威圧感を感じて安心して話せなかったりするなど。他にも口癖で「普通はこうだよね」「それって常識だよね」「それは前例がない」など、無意識に発した言葉に相手がどう思うかということを意識することが必要だと述べられました。

 

■アンコンシャス・バイアスをコントロールする

 アンコンシャス・バイアスへの対応として、「自分のモノの見方、考え方、価値観に気づく」「固定概念や先入観にとらわれていないか客観的に考える」など、5段階の柔軟な思考スタイルについて説明されました。

 また、アンコンシャス・バイアスに対応するための重要なスキルとして、「聴く力」「肯定する力」「質問する力」をはじめとした8つのスキルを挙げられました。

 さらに、アンコンシャス・バイアスをコントロールするためのヒントについても、自己理解を深めることや意図的に好意的行動をとることなどを伝えられました。

 

 最後に、アンコンシャス・バイアスをコントロールするために、個人として、また、地域など組織としてどのように実践していきたいか、参加者各自で考えてみました。

 個人として実践していきたいこととして、「人の話に興味を持ち、否定から入るのではなく、まずは肯定から入るように心がけたい」「自分の思い込んだ価値観で判断しないようにする」などの意見が出されました。

 また、組織として実践していきたいことでは、「人と話す時間を設けてコミュケーションをとるようにして自分が住んでいる地域を大好きになりたい」「地域の活動に参加してみる」などの意見が出されました。

 

 最後に、井上さんから「今回のセミナーを通して、一人ひとりが気づき学んだことを、今後、地域活動など様々な場面でつなげていただきたい」とメッセージを送られました。

 

【参加者の声】アンケートより(一部抜粋)

  • 今回参加してみて、まず息子のスポ少(スポーツ少年団)の役員を引き受けました。積極的に関わりを持って取り組みます。
  • 3回続けて参加することができて良かったです。また、このような機会がありましたら、参加させていただきたいです。
  • グループで楽しく話せて楽しかったです。

 第3回会場の様子③ 第3回会場の様子② 第3回会場の様子①

 

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