令和5年度「地域で活躍する女性のためのセミナー」を開催しました
はじめの一歩 ~できることからはじめよう~
女性の地域活動への「はじめの一歩」を後押しするために、女性が地域で活躍することの大切さや固定観念・先入観に囚われないコミュニケーション等を学ぶ全3回のセミナーを開催しました。
【第2回】「はじめの一歩 ~私はここからはじめました~」
コーディネーター:井上 智美さん(CREER代表、キャリアコンサルタント)
パネリスト:栗山 美子さん(佐賀市兵庫町スポーツ協会 東中野地区会長)
古賀 百葉さん(小城市YouTube番組「おぎツクール」配信メンバー)
富永 寿子さん(一般社団法人スマイルキッズ 鹿島支部代表)
(11月11日 土曜日 アバンセ第3研修室)
第2回のセミナーでは、自治会活動や地域の情報発信、居場所の運営にかかわるなど、すでに地域で活動されている方々をパネリストに迎え、活動をはじめたきっかけや活動の内容、今後の夢や目標などについてお話しいただきました。
まずは、コーディネーターの井上さんから、自身が活動されている地域コミュニティ「CORAL」についてお話しいただきました。
CORALは福岡県男女共同参画センターが開講していた女性のリーダー育成を目的とした「ふくおか女性いきいき塾」の小郡市在住1期生の繋がりから誕生し、塾で学んだことを地域における女性の活躍推進に活かしたいとの想いから、2013年に団体を設立。また、2018年には、福岡県男女共同参画センターの事業「元気塾」でITスキルの習得を目的とした講座を開催し、YouTube「おごおりチャンネル」を立ち上げたとのことでした。現在は、情報交流をする「オンラインまわしよみ新聞」など、オンラインイベントを中心に企画を開催。「1人ではできないと思うことも、チームならできる」との思いから、毎年、新しいことにも挑戦していると話されました。井上さんにとって地域活動は、人生においての社会貢献だと捉えていて、主体的に関わること、自分自身が楽しむことを大切にし、大好きな小郡で仲間と共に成長していきたいと話されました。
以下、パネリストのトークの概要です。
■栗山 美子さん(佐賀市兵庫町スポーツ協会 東中野地区会長)
思いがけず、突然、自治会の役割が回ってきて、スポーツ協会の地区会長をすることになった栗山さん。これまで地域のイベントに参加したことがなく、前任者から引き継いだファイルも資料が少ない中、何をしたらいいのか全くわからなかったとのことで、自治会長や他の地区役員に積極的に教えを乞うようにしたとのこと。そのような経験を通して、自分が知らないことを開示し助けを求めることの大切さを学んだとのことでした。
活動をする上で大切にしていることは、自分の後任になる方が「楽になるように」と常に考えて活動をすること。例えば、イベントの参加・不参加をGoogleフォームで回答できるようにしたり、従来は昼頃に終わる行事でもお弁当を準備していたのを、QUOカードの配布に変えたり。また、活動の記録は文書化し、時系列にファイリングするなど、これまでの慣習的なやり方を見直しているとのことでした。
スポーツ協会の活動を通じて、少子高齢化を実感したそうで、3月末で定年退職するが、その後の時間を自分のためだけに使うのはもったいないので、色々なものに積極的に関わっていきたいと話されました。何事も一人でやるのには限界があり、周りを巻き込んでいく人間力が重要。その不足が自分自身の課題なので、共感できる取組みをしている人に協力したり、ボランティア活動をするなどして人間力を高めていきたいと述べられました。
■古賀 百葉さん(小城市YouTube番組「おぎツクール」配信メンバー)
小城市在住で、西九州大学に在学しながら、地元のYouTube番組「おぎツクール」の配信メンバーとして月2回出演し、小城市の魅力を発信している古賀さん。他にも、高校生の頃から「NPO法人 天山ものづくり塾」の活動に加わりチョークアートの企画などを実施し、そこからいろいろな活動に繋がっていったと話されました。
コロナ禍にちょうど大学生になる時で不安を感じていて、同じ状況に置かれている子どもたちはもっと不安かもしれないと思い、子どもたちに少しでも喜んでもらえるようにとの思いから、地元の小学校の新一年生の教室にチョークアートを描く活動をしたそうです。
イベントなどをやりたい時に、具体的にどのように進めたらいいのかわからないこともあったが、NPOのメンバーに教えてもらい、協力を得ながら実現してきたとのことでした。
活動する上で大切にしていることとして、「自分がやりたいことを上手く説明できるようにする」「相手の話をきちんと聞く」「相手の意見を否定しない」「感謝を伝える」の4つを挙げられました。
現在、大学では福祉について勉強しているので、今後は学んだ知識を活かして、障がいを持つ子どもたちや高齢者など、様々な人々が参加できるようなイベントを企画し開催したいと話されました。
■富永 寿子さん(一般社団法人スマイルキッズ 鹿島支部代表)
富永さん自身がひとり親の当事者で、子育てをしている時に当事者同士で集まったり話をしたりする場がなく、「助けて!」とか「こういう時どうしてる?」が言えなかった経験から、ひとり親の方が集える居場所を作りたいと思ったことが活動のきっかけだと話されました。
スマイルキッズ鹿島支部の主な活動は、居場所の運営やアウトリーチ型宅食事業など。また、宅食の登録世帯の方を対象にLINEでの相談対応も行っているとのことでした。
居場所の運営について、多くの方に来てもらいたい気持ちはあるが、人数だけが増えればいいわけでもなく、来られた方が安心して居ることができる場づくりの難しさを感じていると話されました。
活動する上で心掛けていることとして、「相手が何に困り感を感じて、何を望んでいるのかを考えながら相手に寄り添う」「こちらの押し付けではなく、相手の意見や考え方を尊重する」「いろいろな選択肢を提示はしても決めるのは本人」の3つを挙げられました。
今後の目標について、子どもも大人も話したい時に話し、会いたい時に気軽に寄ることができるスマイルキッズ専用の居場所や、DVなどで緊急支援・避難が必要な方が一時的に生活できるシェルターのような場所を開設したいと話されました。
パネリストのトークの後は交流会を行いました。パネリストが参加者のグループを順に周り、いろいろな話をしながら、パネリストに質問したいことを直接聞いたりするなど、終始リラックスした雰囲気の中、どのグループも盛り上がっている様子でした。
~これから「はじめの一歩」を踏み出す参加者の皆さんへのメッセージ~
(栗山さん)今、日本全体が他人に対して厳しく、冷たい社会になっていく中で、「自分以外の誰かのために役に立ちたい」「自分も何かやってみたい」と思い、このセミナーに参加されたことはとても素晴らしいことだと思います。自らの思いを周囲の人に積極的に話し、協力者を増やして、やりたいことを形にしていかれたらと思います。
(古賀さん)自分ができることを見つける。動いてみる。やりたいと思ったことを誰かに話してみる。そんな小さな一歩からでもいいと思います。何事もやってみないと始まらない。何かが始まり、自分の人生が動いていくと思います。
(富永さん)いろいろな準備も必要ですが、考え過ぎても動けなくなってしまう。「えい!やー!!」と勢いで動いてしまうのも一つの手かと思います。また、やりたいことがあったら、いろいろな人にそのことを話すこと。いろいろな人と繋がることは、とても大事だと思います。
【参加者の声】アンケートより(一部抜粋)
- 声を出す、思い(想い)を伝えるって本当に大切。これからももっと声を出していきたいと思いました。
- 3人のパネリストの方の話が聞けてとても参考になりました。
- 貴重なお話しを聞くことができたこと、直接質問をする機会がもてたことで、たくさんの思い(想い)を知ることができました。ありがとうございました。
- 毎回参加する度に勇気をいただいています。地域で、家庭で、自分の可能性を広げられたらと思っています。