令和4年度「市町男女共同参画担当職員基礎研修」を実施しました

 県内の市役所や町役場で男女共同参画行政を担当する職員を対象に、男女共同参画行政に関する基礎的知識を学ぶ研修を実施しました。 


講義写真1


 講師には、独立行政法人国立女性教育会館 事業課客員研究員 中野 洋恵さんをお迎えし、「SDGs視点で求められる男女共同参画の基礎知識」と題してお話いただきました。SDGsにおけるジェンダー平等の位置づけについて学び、SDGsを通してあらゆる分野で男女共同参画を横断的に取り組むためのヒントを得るとともに、さらなる男女共同参画推進の取り組みの可能性について考えました。

 

まずは、SDGsとジェンダー平等についてご講義いただきました。その中で、中野さんは「SDGsの17の目標はすべてつながっている」ということを忘れないでほしいとおっしゃいました。

SDGs前文には、「すべての人々の人権を実現し、ジェンダー平等とすべての女性と女児の能力強化を達成することを目指す。」とあります。

SDGsの目標はすべてつながっていて、その中には、ジェンダー平等、女性のエンパワーメント、人権を大事にするということが根底にあるということが書かれてあり、いろんな分野において、ジェンダーの問題は大きく関わっているということでした。例えば、ジェンダー平等の実現は、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」だけの問題ではなく、目標13「気候変動に具体的な対策を」ともつながっていて、実際に気候変動による災害は女性と少女により悪影響を及ぼすという研究結果がでているそうです。それにも関わらず国際的にも気候変動問題に関する意思決定の場に女性が少ないことが現状であり、それを変えていくことが、SDGsを達成するために必要なことであるとお話しされました。

 

次にジェンダー・ギャップ指数や統計についてご講義いただきました。世界経済フォーラムは、各国における男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数を毎年発表しています。最新版の「ジェンダー・ギャップ指数2022」は、この研修の2日前に発表がありました。世界経済フォーラムはグローバルかつ地域的な経済問題に取り組む団体ですが、ジェンダー・ギャップの解消に向けた取り組みを推進しています。そのために世界各国の男女平等の度合いを数値化した「ジェンダー・ギャップ指数」を毎年発表するようになったそうです。2022年の日本の順位は、146か国中、116位。特に政治分野、経済分野で著しく低位であることが問題としてありました。そして、様々な統計データをみながら、日本の状況を確認していきました。

 

研修の中で、中野さんは参加者一人一人にマイクを向けられ、考えを聞かれました。

「どうして、日本の政治家には女性が少ないと思いますか?」「それを増やすにはどうしたらいいでしょうか?」難しい質問です。でも、みなさんからは、いろいろなアイデアがでてきました。中野さんからは、「正解があるわけではありません。いろいろな人が、みんなでどうしたらいいかを考えるような場を作ることが大切」とお話されました。そして、「世界の動きは多様で、意思決定する人が同じ人ばかりだと、変化する社会に求められている創造的な視点は生まれません。」と説かれ、多様性の大切さを学びました。

 

最後に、男女共同参画は、横断的な視点を持って取り組むことが大事と強調されました。例えば、災害に関することは、男女共同参画部署も一緒になってやってほしい。なぜなら、災害があった時の影響が、男性と女性とでは違うから。男女共同参画部署だけでやるのではなく、庁内を巻き込んで男女共同参画の推進に取り組んでいただきたいとまとめられました。

講座写真1 講座写真2


*令和4年7月15日(金)実施

チラシ(令和4年度市町男女共同参画担当職員基礎研修) (625KB; PDFファイル) 

【参加者の声】(一部抜粋)

  • SDGsの目標の1つにジェンダー平等が入っていると思っていたが、ジェンダー平等は全ての目標の根底にある指針なのだということを知ることができた。

  • 課題の認識だけでなく、どうすれば解決するか知恵を出し合うことの大切さに気づきました。

  • SDGsの内容、ジェンダー・ギャップのしくみなど、大変わかりやすく整理できた。

  • 業務をする上で、横断的な視点を持てていなかったことに気付きました。

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