令和3年度「男性のための介護支援講座」を開催しました

男おひとりさまのための心が楽になる介護講座

 男性が両親や妻を介護するケースが増えています。悩みや苦しみを一人で抱えることなく、介護とうまく向き合うために、お母さまの介護を経験された、諸橋 泰樹さん(フェリス女学院大学教授)と、中西 美枝子さん(佐賀県在宅生活サポートセンター副所長)のお二人を迎え、講師の介護経験や在宅介護のコツをお話いただきました。

2021年10月30日(土)13時30分~15時40分(アバンセ4階 第2研修室)

第1部「心が楽になる介護の心構え」~男おひとりさまの経験から~

講師写真

講師:諸橋 泰樹さん(フェリス女学院大学教授)


 「両親の離婚後、40年間ともに暮らした母を看取ってから、今年は10年という節目の年です」と、諸橋さんはお話を始められました。お母さまが逝去された日も九州に出張だったとのことで、「今回の九州訪問は、母の教育的配慮かもしれない」と仰っていました。

 元気だったお母さまの食が極端に細くなり、その後ガスの消し忘れや日課となっていた散歩へも出かけなくなられ、入院が必要になるころには、ほとんど寝たきりの状態になられていたそうです。制度の問題から転院を繰り返さざるを得なかったこと、3・11の原発事故により都内の病院から疎開しなければならないかもしれないという恐怖にさいなまれたこと、毎日母の許にいて会話ができたことなど、諸橋さんがお母さまと過ごされた1年間の介護生活の苦しみや歓びをお話しいただきました。

 介護は、一人ひとり状況が異なりますが、ひとり息子が母を介護するというケースをお聞きできる良い機会となりました。


第2部「心が楽になる在宅介護のコツ」

講師写真

講師:中西 美枝子さん(佐賀県在宅生活サポートセンター副所長)


 まずはじめに、中西さんからは、座ってできる腰痛予防体操を教えていただき、参加者全員で体験しました。介護者の悩みの一つに「腰痛」があります。背伸びをしたり、お辞儀をしたりの体操で、みなさん、気持ちよさそうに体操をされていました。

 次に、介護が必要になった主な原因や福祉用具の紹介、介護のコツなどについて、分かりやすくご講義いただきました。環境を整えることで、住み慣れた家で、安心して安全に暮らすことができること、そして、介護が必要な方が福祉用具を活用することで、自分でできることが増えることを学びました。

 また、男性介護者が女性を介護する際の悩みとして、洋服や下着、おむつの選び方などの相談が寄せられるそうです。男性には馴染みのない名称のものや店舗で選びにくいといった状況があるとのことで、中西さんからは、本人が自分で選べるように「通販カタログ」を活用することも方法の一つであるとアドバイスをいただきました。

 

 諸橋さんと中西さんのご講義により、介護を前向きに考える良い機会となりました。

講座の様子講座の様子

参加者アンケートより
  • 諸橋さんの具体的な体験談の話(内容)により、理解が深まった。
  • 介護用品・器具などの使用方法、作業法を学んだ。
  • 理論のみでなく、実親の介護をもとにされた講義でとてもよかった。
  • 本人の意思を尊重したい。
  • 在宅生活サポートセンターを見学して、今後に役立てたい。


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