令和3年度 男女共同参画フォーラム

佐賀県立男女共同参画センターと佐賀市の共催で、「男女共同参画フォーラム」を開催しました。


日時:令和3年9月23日(木・祝)14:00~16:00 / 会場:アバンセホール 

開催方法:会場、録画配信(令和3年10/5~10/19配信)

第1部 対談
「りゅうちぇる&ヨッシー先生と学ぶ!
 自分らしく生きよう! ~ジェンダー平等が大事なワケ~」

トークゲスト:りゅうちぇるさん(タレント)

インタビュアー:吉岡 剛彦さん(ヨッシー先生/佐賀大学教育学部教授)

フォーラム対談写真1 フォーラム対談写真2


1部は、りゅうちぇるさんとヨッシー先生(佐賀大学教授 吉岡剛彦さん)の対談です。

今回は、事前に参加者の皆さんから寄せられた、りゅうちぇるさんへの質問を織り交ぜてお話いただきました。

りゅうちぇるさんは、当初会場にお越しいただく予定でしたが、新型コロナウイルスの影響でオンラインによりご登壇いただきました。対談の一部をご紹介します。


ー自分で自分の肩書を作ること

生きていると、男だから女だからとか、いろんなことで自分の可能性を狭めている瞬間がある。それはものすごくもったいないこと。僕は、いろんな事を言われても、続けたらいつか文化になると思ってやってきた。続ければ相手に理解してもらえる時がくる。もし、本当の自分をこの人には出せないと思うのであれば、出す必要はない。でも、自分の居心地のいい場所で、なりたい自分を出すのはステキなこと。


ー「父親だったら、○○であるべき」について

「パパになるんだったら、金髪やめなきゃね」とか言われたけど、こんないろんな意見をもった人の中で、息子は生きていくのだなと思った。自分と反対意見の人がいても、そういう意見もあるのだなと受け止めるようにしている。一つの意見を真正面からみつめるとイライラするけど、言葉をいろんな角度からみてみると、いろんな人がいるのだと勉強になった。


ー自分らしく生きるために大切なこと

意外なことをいうかもしれないけど・・・そもそも、自分らしく生きる必要ある?

よく、どうやったらりゅうちぇるみたいに、個性的に生きられるの?と言われるけど、自分では個性的だと思ったことがない。何をもって個性的だと判断しているの?と思う。自分らしくいる、何か人と違うことをするって勇気がいること。自分らしく生きるのは、心が強い人しかできないと思う。だったら「自分を出す場所を見極める」ことが大事。好きな自分を誰にもみせなくてもいい。好きな自分になるというより、楽な自分を選んでいい。



りゅうちぇるさんは、自分の経験されたことを含めて、一つ一つ丁寧にお話いただき、会場が、とてもあたたかい雰囲気に包まれました。会場のみなさんからも、りゅうちぇるさんの言葉に「心が軽く柔らかくなった」、「りゅうちぇるさんのひと言ひと言が心に響きました」との声がありました。


第2部 パネルトーク
「社会を変えるのは私たち! 私がつくる 私の未来」

パネリスト

・宮島 好咲さん、牟田 麗水さん(牛津高等学校家庭クラブ)

・牟田 純菜さん(学生団体「Share」)

・茜さん(佐賀LGBTs支援団体 SOiGIEs(そいぎーず) 共同代表) 

助言

・りゅうちぇるさん(タレント)

・吉岡 剛彦さん(佐賀大学教育学部教授)

コーディネーター

・上野 景三(アバンセ事業統括)

パネルトーク1 パネルトーク2

第2部のパネルトークでは、自分らしく、自分がやりたいことを形にして、学校や地域などで活動されている方にご登壇いただき、みんなで築いていく、男女共同参画社会を考えました。


「私たちにできることから、やってみよう」 宮島 好咲さん、牟田 麗水さん(牛津高等学校家庭クラブ)

牛津高等学校家庭クラブは、家庭科の授業で得た知識や技術を活かして商品開発を行い、地域と連携し、イベントの企画運営や小城市牛尾山の環境保全活動を行う等、地域活性化に取り組まれています。活動を通して得られた地域の方との交流や、コロナ禍で思うように活動ができなくなっても、「私たちに、できることからやってみよう!」を合言葉に、高校生の目線で、日常への気づきを大切に、地域の課題改善のためにチャレンジしていることなどをお話いただきました。


「学校や学年の隔てなく、様々な新しい考え方を共有したい」 牟田 純菜さん(学生団体「Share」)

「もっと唐津のよいところをみんなに知らせたい!」そんな思いで、唐津東高校生3人で学生団体「Share」を設立。今では、男女問わず、いろんな学校の生徒が参加して活動中。学校が違えば考え方も違い、とても新鮮で新しい発見があったそうです。また、高校生カフェ「Chill Time」の運営では、違った活動をしている高校生や大人との出会いがあり、沢山の考えや知識、経験を得ることができたそうです。そして、牟田さんも活動することで、積極的になりコミュニケーション力が高くなったと自身の変化もお話いただきました。


「生きやすい社会を作りたい」 茜さん(佐賀LGBTs支援団体 SOiGIEs(そいぎーず) 共同代表)

佐賀県でLGBTs成人式、レインボーパレードや、LGBTに関する研修・講演の講師として活動されている茜さん。自身のカミングアウトをきっかけに、意外と周りの人たちは理解してくれていると気づいたこと。そして、それをきっかけに、LGBTに関心を持ってくれる人が多く、そんな人達に出会えたことが嬉しかったと述べられました。みんなが、今よりも少しでも生きやすい社会を作りたいという気持ちと、茜さんの話を聴いて、共感してくれる人の存在が今の活動の原動力になっているとお話されました。



そして、最後に登壇者のみなさんより、参加者のみなさんへ向けてメッセージをいただきました。


人と人のつながり大切に 宮島さん

最近は、インターネットが普及して、SNS等でコミュニケーションをとる機会が増えた。それでも、直接、人と人が触れ合うことで心の温かさを学ぶことがあったので、忘れてはいけないことだと思う。


”楽しそう”  ”面白そう”を大切に 牟田さん

自分の知らない世界は怖くて一歩踏み出せないことがある。でも、その世界を遠ざけず、楽しそう、面白そうと感じる自分の気持ちに正直に、まずは、いろんな世界に触れてみることを大切にしたいと思う。


虹色いっぱいの佐賀県にする 茜さん

私の目標は、令和の時代に、私がやっているLGBTの研修や講演をしなくてよくなること。「そんなの当たり前だよ」となったらいい。佐賀が虹色になったら、九州が、日本が、世界が虹色になっていくと思うので、まずは佐賀を虹色にしていきたい。


仲間を見つける 仲間は見つかる 吉岡さん

同じ目標に向かって協力していく同士が集まり合うことで、大きな力や広がりが生まれる。

自分の好きなことに共感し、認めてくれる仲間は、必ずみつかると私は信じたい。


居場所はやってこない!作るもの! りゅうちぇるさん

生きていると何で自分だけ辛いんだろうと思ってしまうことがある。そんなときは、人に期待せず、まずは、自分がやりたいことを、ひたすら突き進んでやってみる。自分から居場所を作ってみることは大事で、後から必ず結果はついてくる。


【参加者の声】(一部抜粋)

●ジェンダーのこともそうだし、さまざまな面で「自分らしさ」に悩んでいる人、社会を変えたい人がいると思う。私もそうです。今回のフォーラムは、そんな全ての人が自分を認め、一歩踏み出す勇気を持てる、いい機会になったと感じました。

●りゅうちぇるさんの、きれいごととせず、飾らない、素直なお話はとても素晴らしいなあと思った。

●今まで男女共同参画社会という言葉は社会の授業でしか習わなかったので、あまり内容は知らず、どういったものなのか分からないままだったけど、今日の話を聞いて今の日本の状況を知り、おかしいなと感じました。

●男だから女だからという考えをやめて行動する。

●改めて男女共同参画社会の実現に向けて、自分のやることがあるか考えさせられました。まずは身近な家庭や職場からやれればよいです。

 

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