令和3年度「政治参画セミナー」を開催しました

「わたしたちの声を届けるために」

 日常の暮らしの中で気づき、感じている様々な「課題」の解決方法の一つとして「政治参画」があること、「政治参画」をより身近なものと感じてもらい、政策・方針決定への女性の参画を促すきっかけとすることを目的に、まちづくりや政策・方針決定の場に女性が参画する時に必要な考え方や伝え方をブラッシュアップするセミナーを開催しました。


(1)「わたしたちの声を届け、思いを実現するために」

講師:三原ゆかりさん
(特定非営利活動法人みんなの社会応援団 理事長、元直方市副市長)

(1月8日(土)13時30分~16時30分 アバンセ4階 第3研修室)

 

行政とNPOの経験が豊富な三原さんから、暮らしの中での女性の政治参画という視点から、普段の生活で感じている自分の思いを、暮らしや社会を変えるアクション(行動)につなげる方法を学びました。


講師写真三原さんからは、主に市役所職員や副市長としての行政の経験と、現在活動されているNPO活動のご経験から、日々の暮らしと政治とのつながりや女性が意思決定の場へ参画することの重要性をお話いただき、参加者同士グループワークでの話し合いを交え理解を深めていきました。


市役所職員として、市民団体と対話をしながら仕事をする経験が多かったことから、「当事者の声を聞くこと」や「対話」を重ねていく大切さに気づき、そこには男女共同参画の問題や生きづらさの問題があり、その原因が政治にあると感じていらっしゃったそうです。

 

★副市長の経験から★

政治といっても範囲が広いが、大きな仕組みを作る機関である国や県、自治体など力を持っているところに生活者の視点、当事者の声や意見が入らないと何も変わらない。私たち市民が議員を選ぶのだから、「政治が悪い」と言うばかりでなく、投票に行くとか傍聴に行くなど議会に興味を持つよう一歩踏み出すことが必要です。

また、「思いを伝えること」は、大切なスキルであり、そのための訓練や準備が必要で、自分が何を訴えたいのか、どのように考えているかを見極めて伝えることは、どんな立場であっても大切だということです。

 

★私たちにできること★

  1. 発言できる機会があれば、機会を逃さない。議員でなくても、小さな場でもいいので、普段思っていること、自分が思っていること、生きづらいと思っていること、おかしいと思っていることを発言できる機会があれば、自分の言葉で発言していくことが大切。
  2. 子どもたちへ固定観念のない環境を整えたい。自分の周りに自分の意思をはっきり伝える大人(女性)がいなければ、子どもたちはお手本とする人がいないため、リーダーという位置につくことが難しいと考えながら育つかもしれない。「男の子だから」「女の子だから」という固定観念がある場合もある。未来の子ども達がのびのびと自分の意志で育っていく環境を整えることが大切。

最後に、いろんな思いを持った女性が地域には点のようにいらっしゃって、点を面に変えるように、女性は一緒に活動すると何倍にも大きな力にすることができる。一緒に活動するといろんな問題も起こるが、それをカバーしながら活動を継続していくことが大切との励ましの言葉をいただきました。

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(2)「わたしの思いを形にするアクションを考える」

講師:加留部貴行さん
(九州大学大学院 統合新領域学府 客員准教授、 特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会 フェロー)

(1月15日(土)13時30分~16時30分 アバンセ4階 第3研修室)

 

まちづくりのプロとして、行政の審議会等にも多数携わり、企業、大学、行政、NPOの4つのセクターでのご経験が豊富な加留部さんから、わたしたちが日頃抱いている思いを深め、形にするアクションについて、ワークショップを通じて学びました。

 

講師写真加留部さんからは、社会の課題解決のためには、「わたし」のつぶやきや困りごとを「わたしたち」の願いや困りごとにしていくこと、他の人と「対話」を重ね、解決策を考えていくことの大切さを学びました。

そして、グループワークやペアワークを通して、参加者同士で意見交換しながら、相手の話を聴きつつ自分の考えを伝えるための「対話」を重ねるトレーニングを体験し、自分の思いを深め、具体化し、アクションへの糸口を見つけることに挑戦しました。

 

 

(3)「わたしの思いを伝える」

講師:加留部貴行さん
(九州大学大学院 統合新領域学府 客員准教授、 特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会 フェロー)

(1月22日(土)13時30分~16時30分 アバンセ4階 第3研修室)

 

第2回に引き続き、加留部さんを講師に迎え、自分の思いに対し共感を呼び、分かりやすく伝える方法を学び、伝達力のブラッシュアップをめざし、学びを深めました。

 

まず、「伝える」と「伝わる」の違いや、「伝える」ための方法について学びました。時間の制約がある中で、聴く側を意識して、情報の正確性と自分の思いをバランスよく、相手に効果的に伝えるコツを、ワークを通じて実践しました。

ワークの後は、いよいよ1人5分程度のスピーチの時間です。参加者全員が他の人に伝えたいこと、自身が一歩踏み出したいことなどについて、第2回と第3回を通じて学んだことを活かし、5分間スピーチを実践しました。スピーチを終えた参加者の皆さんは、笑顔が見られ、達成感を感じられたようでした。

参加者同士や講師からのフィードバックを共有し、今後の伝達力のブラッシュアップにつながる時間となりました。

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【参加者の声】

  • 思いを自分の言葉にして人に伝える必要性を感じた。まずは、当事者の声を聞くこと(対話)から始まると思いました。グループワークもすごく楽しかったです。
  • 「ひらく」×「つながる」という観点での教えがすごく自分の中に納得ができた。皆さんとそれぞれ考えることが出来て勉強になりました。
  • 考えるきっかけや課題が明確で取り組みやすかったです。3回も?!と正直はじめは思いましたが、連続する中で顔見知りも増えて楽しかったです。
  • やはり、女性が政治分野に参画するための学びを続けることが大事かと思うし、その場があれば、力強いと思います。

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令和3年度政治参画セミナー「わたしたちの声を届けるために」チラシ (666KB; PDFファイル)


*本セミナーは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、常時換気をし、講師・参加者・スタッフは全員マスク着用の上、適宜、手指消毒を実施し、開催しました。

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