令和2年度 地域女性リーダー養成セミナーを開催しました

「ワタシサイズの一歩~つながる∞つなぐ~」

 佐賀県立男女共同参画センターでは、『地域や社会で何かをしたい、何かを始めたい』など、想いをもつ女性を対象に、地域女性リーダー養成セミナーを開催しています。

 今年度は「ワタシサイズの一歩~つながる∞つなぐ~」をテーマに、3回の連続講座を開催しました。

第1回 11月7日 "つぶやき”ワークショップ ~私を振り返りワタシと出会う~

 講師:髙﨑 恵さん(オフィスピュア 男女共同参画政策アドバイザー/ワークショップデザイナー)

(11月7日 土曜日 13時30分~16時30分 アバンセ第2研修室)


 第1回のテーマは『つぶやきワークショップ』。まずは、私たちが暮らしの中で感じているモヤモヤを、男女共同参画の視点で振り返り、出てきた『つぶやき』を紙に書いていくことから始めます。この『書くこと(ジャーナリング)』はとても大切な作業で、自分の心の中を整理する上でとても有効なのだそうです。

 次はグループワーク。それぞれが書いた『つぶやき』をみんなで共有します。つぶやいた方に、その想いを語ってもらい、その想いを聞いてどう思ったかをグループのみんなで話し合いました。

 この『話し合い』をする時、『私はこう考えているけど、あなたはどうですか』というような私を主語とした『Iメッセージ』で話すことが大切で、違いを重ねて新たな価値を作り出す『対話』、これからのリーダーは対話する組織づくりを目指すことが必要だと話されました。


 最後は『つぶやき朗読発表会』。グループの中で出てきた『つぶやき』の中から特に気になったものなどを紹介するなど、皆さん素晴らしい発表でした。わたしたち個人が抱えている『つぶやき』は社会全体の問題であり、それを発信していくことが社会を変えていく一歩につながることを学びました。

   

 髙﨑さんは、「私たちは、家庭や地域、職場などで『こうあるべき』という押し付けの中で暮らしていますが、性別に関わりなく一人ひとりの個性と能力を発揮できる社会を目指すことが男女共同参画社会づくりです。その気づきの種は、みなさんのそれぞれの場所にたくさんあると思うので、その種からどんなふうに花を開かせていくかを、これからの学びの中で考えていってほしいと思います。『出会いを力に学びを行動に』がこの講座の趣旨だと思うので、いろんなことを話し合い、違いを重ね新たな価値を生み出してほしいと思います。」とメッセージを送られました。

第2回 人がつながる場のデザイン ~リーダーシップに必要なコミュニケーション~

 講師:岸 智子さん(福岡女子大学女性学び直しプログラムコーディネーター/ワークショップデザイナー)

(11月28日 土曜日 13時30分~16時30分 アバンセ第2研修室)


 第2回と第3回の講師は、岸智子さんです。まず、これから始めるワークショップ型の学びについて次のようにお話がありました。

「3大特徴は参加・体験・相互作用。参加者が自ら、参加、体験し、グループの相互作用の中で、何かを学びあったり創り出したりする双方向的な学びと創造のスタイルのことです。今日のゴールは、『自分と共に学ぶ仲間のことを知り、自分とは違う視点や価値観に気づき、受け止める』こと。他者との対話を通じて、自分とは異なる考えや価値観に気づくことが大切で、そのために相互作用を活かしていきましょう。」

 前回の講座でもキーワードとなっていた『対話』について、相互の『視座』や『ズレ』に気づき、相手の意見をいったん受け入れるのが特徴で、今日はこの『対話』を楽しんでほしいとおっしゃいました。


 前半は、『お互いを知る』というテーマのもと、二人一組で自己紹介を行いました。ワークシートに自己紹介で話したいことのキーワードのみを記入し、相手は気になるキーワードについて2分間質問します。ポイントは、『自分が話したいことを話すのではなく、相手が知りたいことを話す』こと。そもそも自己紹介とは、肩書や所属を説明しがちですが、『自己紹介2.0(横石崇著)』という書籍の中で、『自己紹介は、未来を紹介するもの』だと書かれているそうです。自分が何をしたくて、何ができるか、つまり未来を紹介すること。そのためには自分の好きなことやわくわくすることを見つけて大事にしていくことが大切だということでした。

   

 後半は、『多様な考えに触れる』をテーマに『ブレーンストーミング』と『スリーテン』という2つのワークをグループで行いました。『スリーテン』とは地球滅亡の危機に、様々な職業や学生10名のうち7人しかシェルターに入れない中、誰を選ぶかというもの。10人については、有名な小説家、プロサッカー選手など年齢や性別等情報が明らかに不足している中、グループのメンバーが持つ様々な価値観で想像し、決めなくてはなりません。まさに、違いを楽しむ、受け止めることを体感したワークでした。模範解答はなく、メンバーやその時の状況で答えが変わってくるそうで、とても盛り上がりました。

 最後は、受講者みんなで今日の学びの感想を共有して終了しました。

第3回 12月5日 土曜日

 第1部 想いを伝える~それゆけワタシ~

 講師:岸 智子さん(福岡女子大学女性学び直しプログラムコーディネーター/ワークショップデザイナー)

(12時30分~14時30分 アバンセ第2研修室)

 

 今回は、『課題解決のプロセスを感じる』ということで、自分の問題意識を見つけ、やりたいことを発見し、それをどう解決していくのか、というプロセスを体験していきます。その時に大事なのが、『自分のこだわりや思い』で、それを見つけ見つめる時間にしていきましょうと話され、講座がスタートしました。


 私たちをとりまく環境には、正解のない問題や課題がたくさんあります。課題解決にチャレンジするときに拠り所となるのは、自分自身の価値観や大事にしていること。そのためには、自分自身の問題意識を育むことが大事です。

 まずは、自分の好きなモノ・コト、こだわりを知るために『偏愛マップ』を作成しました。好きなことや、こだわりをたくさん書き出していきます。そして、改めて自分の好きなことを書き出して、出てきた発見や気づきを組み合わせて『私は○○したい。なぜなら○○だから。でも○○。』というように着眼点としてまとめ、文字に起こして詳細化していきました。そして、二人一組でそれを解決していくためのアイデア出しをブレーンストーミングで行いました。


 次に、頭の中を図解化して文字に書き起こし、自分がやりたいことを人に説明できるように『ワタシの課題解決ストーリー』を作成しました。こうなったらいいなと思うゴールを描き、そのために何から始めるのか?その次は?などワークシートを埋めてストーリーをまとめていきました。

 最後は、これから踏み出す『ワタシサイズの最初の一歩』をみんなで宣言し、終了しました。

 第2部 つながる∞つなぐ交流会

 特別ゲスト:内川 実佐子さん(NPO法人佐賀県CSO推進機構 理事)

 コーディネーター:岸 智子さん(福岡女子大学女性学び直しプログラムコーディネーター)

(14時45分~16時00分 アバンセ第2研修室)

 第2部の交流会では、様々な地域活動のリーダーとして活躍されている内川実佐子さんをお迎えし、現在取り組まれている活動や、これまでのライフストーリー、地域活動を始めたきっかけなどを中心にお話をお伺いしました。

 育児や介護をしながら、色々なお仕事や地域活動に携わり、辛いことも明るくポジティブに考え、行動されるパワーの原動力は何かと伺ったところ、「人が好きで、人のために何かやりたいから」と話されました。また、どんなことを持ち掛けられても断らず、受け入れているそうです。それは、内川さんが出会った人みんなを好きになるからだと笑顔で話されました。(聞き手:岸 智子さん)

↓後日、内川さんのお話をコーディネーターの岸さんがグラフィックレコーディングで描いてくださいました。

 お話を伺った後は、『内川さんと自分の共通点』をリンゴの形の付箋に書き出し、リンゴの木が書かれた紙に貼っていきました。その後は3~4人で内川さんのお話の感想を共有し、質疑応答を行いました。最後に内川さんから「勇気をもって、どんなことにでもチャレンジし続けることを忘れずに、自分サイズの一歩を踏み出してください」とエールをいただきました。

     


参加者からの感想(抜粋)

  • 地域との交流にもっと目を向けようと思いました。
  • たくさんの出会い、再会できて楽しかった。いろんなことがヒントになって、これからのイベントやマルシェ、やりたいことにつながっていきそうです。
  • 私の一歩はとても小さいのですが、皆さんの意見を取り入れて進んでいきたいと思います。
  • 今まで受けた中で一番楽しかった。工夫されたワークシートで取り組みやすかった。発表は苦手だったが、ちゃんとできた自分も褒めたい。
  • 参加させていただき、話を最後まで聞いてくれてありがとうございました。帰って、区長のおじさま方に楽しいネタとして伝えます。

チラシ (1577KB; PDFファイル)(令和2年度地域女性リーダー養成セミナー)

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