令和2年度生涯学習関係職員実践講座(基礎編1)報告

佐賀県立生涯学習センターでは、生涯学習・社会教育関係職員に必要な知識や実践力を身につける
「生涯学習関係職員実践講座」(基礎編・実践編・課題編)を行っています。

基礎編1は、社会教育の基礎知識や、職員に求められる役割や意義について学びました。

今回、定員を超える65名の申し込みがあり、コロナ感染予防として密を避けるため、会場を研修室からアバンセホールに変更して開催しました。



これからの生涯学習・社会教育  ~なるほど!事業とは、公民館とは~

 令和2年6月30日(火)10:00~12:30

1 社会教育関係職員として押さえておきたいポイント


 【講師】上野景三  (佐賀県立生涯学習センター事業統括) 


「そもそも生涯学習・社会教育とは」「公民館は何をしたらいいのか」について、一般的、歴史的、法制度的、比較的、実践的の5つの側面から理解を深めていきました。

 

その中で講師は、経験や勘だけに頼らずデータ収集や住民の声から情報を集約し、地域社会を知る大事さや、公民館を拠点に地域住民をつなげ、多職種・多機関連携を図ることの必要性を伝えました。また、「公民館に来る人だけの幸せだけではなく、そこに住んでいるみなさんの幸せ、健康を考えながら仕事をしていくことが何より大切です」と公民館職員としての心掛けを説きました。


アイスブレイク

  

コロナ禍でも参加者同士が交流できないかと模索した結果、会話をせず絵でお題を伝える「イラスト伝言ゲーム」を行いました。横一列に並んだ7~8人が1チームとなり、お題のイラスト描きに挑戦しました。答え合わせの時は、ワッと場が盛り上がり、広いホールで離れて座った寂しい雰囲気の会場が、いい感じに温まりました。



2 公民館の現場から見えてくるもの

 

立場や地域性の異なるお二人の公民館職員から、公民館での取り組みや職員としてのあり方などをお話いただき、公民館の運営や地域づくりの実践について考えていきました。


 

今村 英子さん(鹿島市能古見公民館主任主事) 

鹿島市の公民館は平成20年度から各地区の振興会が指定管理者となり運営しています。公民館が地区の外郭団体の事務局を担っているので地区団体と絡めた行事が多数あり、地域とのつながりが強いのが鹿島市の公民館の特徴です。能古見公民館には宿泊施設が併設されており、それらを含めた管理運営を職員2名で行っています。多忙な日々を送る中、いかに公民館の独自事業を実施していくか、求められるものはどのようなものかを2人で模索しながら行ってきました。昨年度、アバンセと共催した課題解決支援講座では住民と一丸となり実施できたことにやりがいを感じ、住民や地域団体との信頼関係を築く大切さを改めて実感しました。



池田 恵太さん(佐賀市立諸富町公民館主事)

佐賀市は小学校校区に1つの公民館があり、館長と主事2名の体制が基本となっています。特徴的な事業として、住民と協働で取り組んでいる子どもの見守り居場所「子ども寺小屋」は、当初から「何のためにするのか」「本当にこの事業が必要なのか」について住民や地域のボランティア協議会と何度も話し合いながら取り組んでいます。主催事業「いきいき大学」(年8回)では、講座後に茶話会を行い、感想や次年度の講座内容等について語り合う場を設けています。始めは乗り気ではなかった住民が次年度の事業を楽しみにするようになるなど、住民の意識の変化を感じるようになったとき、やりがいを感じました。


質問タイム

会場からは「学校との連携や役割のしかた」や「意見の収集がつかないときの対応」などの質問があがり、「学校との連携ではお互いに弱い部分をカバーしあえるwinwinの関係性を考えました」「意見を板書して、何を話しても否定されない雰囲気づくりを心掛けました」と、お二人から経験談を交え答えていただきました。

 


これからの指針

最後は、本日の講義や事例紹介からの学びや気づきをもとに、自分自身がこれから「公民館職員として大切にしたいこと」について書き出し、見せあいました。「住民の声を聞き、思いをカタチにする」「住民との信頼関係を築く」「とことん対話する」などの言葉に、今後に向けた思いが込められていました。


参加者の声(講座アンケートより抜粋)

  • 社会教育とは、何だろうかということがよく分かりました。公民館職員として必要なことを再確認できました。
  • 生涯学習の講座に初めて参加したのですが、初めて取り組む仕事も多い中、生涯学習等の基礎を学習できて本当によかったです。
  • 目的を同じとする他市町のみなさんのお話を聞けて、自分自身の主事としての方向性が見えた気がしました。
  • 今後の住民との関わりが楽しみになり、自分自身のスキルアップや、仕事の取り組みに前向きな気持ちになりました。
  • 自分の考えや方針の確認ができ、初心にもどって、やる気がでました。

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