令和2年度生涯学習関係職員実践講座(基礎編2)報告

佐賀県立生涯学習センターでは、生涯学習・社会教育関係職員に必要な知識や実践力を身につける
「生涯学習関係職員実践講座」(基礎編・実践編・課題編)を行っています。

基礎編2は、「基礎から学ぶ企画の立て方」をテーマに開催しました。

基礎から学ぶ 企画の立て方

令和2年10月23日(金)13:30~16:30

1 学習プログラム立案の、ココが要点!


 講師

【講師】 鴻上 哲也さん(伊万里市民図書館館長・元県社会教育主事)


社会教育関係職員にとって企画や運営は重要な仕事であり、醍醐味でもあります。ですが、いざ講座を企画しようとしてもよく分からず、前年踏襲になったり、企画しても思い通りの結果にならなかったりと、頭を悩ませている職員も多いのではないでしょうか。そこで今回は、学習プログラムを通して、社会教育の視点を捉えた企画づくりを学んでいきました。

 

はじめに、鴻上さんは「学習は何のためにするのか」について語られました。「人は、自分がこうなりたいという理想像と、まだそこに至っていない現実の間にあるずれを埋めるために学習を行うのです。そして、その学習は個人のキャリアアップと、人に感謝されたり評価されるなどの社会活動との相乗効果で高められていきます。社会教育関係職員は、個人の理想への要求や求めるレベルが今どの段階かを把握したうえで、地域参加へとつながる学習プログラムを作ることが大事なのです」と説かれました。


「地域は人口や観光客が増えるなど目に見える現象だけではなく、そこに住む住民が幸せに暮らすことで活性化されていきます。地域住民が地域を愛し、地域を知って、解決のために学習と社会参画活動に取り組みながら自尊感情を育むことが大切です」と述べられ、学びで地域を変えるための3つのポイントを挙げられました。

1 意識の変容  

意識を変えるには、学習の前後でどれだけ自分が変化したか、できるだけ客観的に見つめる「ふりかえり」を機会を持つこと。 

 

2 行動変化  

意識が変わっても一挙に行動には移らない。質の高い学習プログラムを何回も繰り返し行うこと。


3 ゆるやかなネットワーク 

必要な時に、必要な人と人とをつなげるには、企画段階から同じ目的を持った知り合いを増やし、関わりを持たせること。


  


2 プログラムを作るコツ

  • ダイヤモンドランキング

 

公民館等で活動を行う際に大切な9つの事柄について順位をつける、ダイヤモンドランキングという取り組みを行いしました。「施設の設備を充実させる」や「講座やイベントを開催する」などの項目があり、それらを重要性・緊急性が高いと思う順に個人で考えた後、グループで意見をまとめ順位を決めていきます。グループ内で共通理解を図り、1つの意見に集約するには、誰かが意見をまとめたり、理由を明確に述べたり、皆の意見を引き出したりする作業が必要です。このワークは、学習プログラムを作成するグループワークに向けたコンセンサスをとる準備運動、また意識の変容を確認するふりかえりの実践をする機会となりました。

 

  • 学習プログラムづくり

 

企画や運営の留意点、参加型学習の様々な手法等を学んだ後、学習プログラムづくりに取り掛かりました。全体のイメージを描くことや、起承転結を考えるなど、参加者の意識を高め内容を深めるコツを押さえながら、各グループそれぞれのテーマで企画を考えていきました。ワークの役割分担には記録や進行のほかに他のグループの進捗やアイデアを偵察する「スパイ」という役があり、他所から情報を仕入れては盛り上がりを見せていました。最後に、ポスターセッション風に、模造紙にまとめた学習プログラム内容を見せながらの発表と、質疑応答を行いました。会場からは「色々なアイデアを聞くことが出来た」「自分もまだまだ出来ることがあると気付いた」などの声があがっていました。



参加者の声(講座アンケートより抜粋

  • 具体的に実践があり、また講師の先生の話がとても良かった。
  • 皆で議論しながら企画を進めれば、良い物が出来るとよく分かった。
  • 年間で定番の仕事をこなすだけでなく、中身をしっかり考え直すべきと気づきました。
  • スタッフ、地域の方と話し合って、もっと地域のために考えたいと思いました。


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