令和2年度 課題解決支援講座(唐津市)を開催しました

【課題解決支援講座について】

佐賀県立生涯学習センターでは、市町、公民館等との共同企画で、地域課題の解決に向けて取り組む講座を開催しています。《令和2年度は佐賀市、唐津市、武雄市の3地域と共催》


唐津市×大良公民館との共催で

「大良しあわせプロジェクト ~大良 大すき 良かトコロ♪~」を開催しました。

課題解決支援講座


【講座のチラシ】

「大良しあわせプロジェクト ~大良 大すき 良かトコロ♪~」チラシ (832KB; PDFファイル)

講座名 大良しあわせプロジェクト  ~大良 大すき 良かトコロ♪~

大良地域では、高齢化による後継者不足や小学校の統廃合問題などからくる今後の地域活力の低下などへの不安、さらに、世代や家庭環境等による暮らしに対する考え方の違いが感じられ、住民の地域への認識の全体像が見えにくい現状がありました。

そこで、意識調査アンケートや「子ども大良調査員」活動の実施により、地域の実態やニーズを明らかにするとともに、住民目線でこれからの地域の在り方や未来像を考える講座を開催。プロジェクトの最後には、大良の10年後の姿を表す「未来ビジョン」の完成をめざし、それにもとづく次のアクションへのきっかけとなるよう取り組みました。その講座の様子をお伝えします。


第1回 「大良 大すき♪ 今と未来にフィーチャー!」

【日時】令和2年11月25日(水)18時30分~20時

【講師・コーディネーター】上野 景三(アバンセ事業統括)、八島 大三 さん(唐津市職員)

みんなで紡ぐ 大良のしあわせ ~地域の変化を知り、将来像をさぐろう~

第1回は「大良 大すき♪ 今と未来にフィーチャー!」をテーマに、地域の現状や将来像について皆で考える意識を高め、大良のことをざっくばらんに語り合い、世代間で共有する場として開催。会場には、公民館運営審議委員、育友会、子ども放課後サポーター、若者メンバーなど、30代~70代まで約30名の方が集まりました。

今回はプロジェクトキックオフということで、はじめにアバンセ事業統括より、プロジェクト実施のねらいについて説明をしました。

大良しあわせプロジェクト 大良しあわせプロジェクト

ワークショップ ~大良の魅力・課題・未来~

続いて、コーディネーターの八島さんの進行のもと、大良の魅力・課題・未来について意見を出し合うワークショップを行いました。今回は、同年代・所属グループのメンバー編成でチームに分かれて実施。「日ごろ感じていることを率直に、どんどん出してみてください」という八島さんのかけ声もあり、どのチームもお互いの意見やアイデアを出し合い、聞き合い、活発に話し合う様子が見られました。

最後は各チームからの発表を行い、全体で共有。出された意見は共通点も多かったと同時に、魅力なのか課題なのか捉え方が異なるものもあり、参加の皆さんは多様な考え方や見方があることを感じているようでした。

大良しあわせプロジェクト 大良しあわせプロジェクト


大良しあわせプロジェクト 大良しあわせプロジェクト

受講者の感想
  • 大良のことをこんなに考えたことがなかったので、参加してよかった。
  • ただ話を聞くだけでなく、全員が関われたことがよかったと思う。
  • ワークショップで楽しくわいわい話せた。
  • 地域の良いところの再確認ができた。課題も見えてきた。

 かわらばん ~大良しあわせNews~ No.1 (1383KB; PDFファイル)

かわらばん1


第2回 「大良 良かとこ♪ もっと知りたい聞きたい そこんトコロ!」 

【日時】令和2年12月17日(木)18時30分~20時  【コーディネーター】八島 大三 さん(唐津市職員)

トークセッション『大良な人』

第2回はまず、お住まいの地区や年代等がさまざまな3名の大良住民の方に登壇いただき、トークセッションを開催。それぞれの立場で、大良で暮らす中で感じていることや地域への想いを話してもらいました。

「他所から来られた方の意見が聞けてよかった」「大良への想いが伝わってきて、皆さん素晴らしかった」という感想が寄せられ、大良に暮らす人の想いや行動、それらがつながることで地域も続いているということを感じられた時間となりました。

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ワークショップ ~課題と未来に向けた解決策~

今回は、年代や所属が異なるごちゃまぜメンバーで大良の課題を深ぼるワークに取り組み、チームの中で「特に気になる課題」を出し、その解決策のアイデアを考えました。

こんな取組みをしたらどうだろうというアイデアを、時間(今~未来)と主体(個人~地域~市)の2つの軸で話し合いました。何ができるか、いざ考えると難しいと苦戦するチームもありましたが、みんなで知恵を出し合い、最後は各チームの「イチオシアイデア」を発表してもらいました。

大良しあわせプロジェクト 大良しあわせプロジェクト


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参加者の声
  • 「魅力と課題は紙一重」という考え方に感心した。何事も捉え方次第だと気づかされた。
  • 難しい話になったが、前回とは違うメンバーでの話し合いができて新鮮だった。
  • 自分だけでは思いつかない課題や解決策のアイデアが出てきて、有意義な話し合いだった。
  • 若い世代の人の前向きな考えがいいなぁと嬉しく感じた。元気そうで頼もしく思う。

からわばん ~大良しあわせNews~ No.2 (1193KB; PDFファイル)

かわらばん2


小学生による「子ども大良調査員」活動

このプロジェクトでは、子どもたちにも地域での暮らしや大良の未来への関心を高めてもらいたいというねらいから、大良小学校の協力のもと、「子ども大良調査員」活動を実施しました。

小学校での講座開催  1月14日 (木)

まず、子どもたち目線で大良の魅力・課題・未来を考える講座を開催。講師の青木一記さん(元小学校校長)から「まわりを幸せにすることで、自分も幸せになれます。大良の人がもっと住みやすい、幸せに暮らせる大良とはどんな姿なのか、考えてみましょう」と呼びかけられ、大良の魅力や課題をふまえながら、自分の思い描く未来の大良について言葉にしていきました。

子どもたちからはたくさんの意見が出され「ゴミを拾ってきれいな環境にする」「ポスターを作って呼びかける」「大良にしかないものを作る」など、より良い大良にするための具体的な提案もありました。

「未来のために君たちにできることはたくさんあります。今、大人たちも何ができるか考えているところなので、一緒に協力しながら、君たちが幸せになれるような大良にしてほしいです」との青木さんからのエールに、子どもたちの「大良を良くしたい」という気持ちもさらに大きくなったようでした。

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地域でのインタビュー活動

その後、子どもたちは地域に出かけて大人へのインタビュー活動を実施。”大良の魅力と課題” ”未来に残したい大良のもの” ”未来の大良はどんな地域であったらいいと思うか” について質問しました。30代~80代まで幅広い世代の意見を聞いたことで、自分たちと大人たちの考えとの共通点や違いを感じられたようでした。

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第3回 「大良のしあわせ 大発見♪ 未来へ ギアチェンジ!」

【日時】令和3年2月20日(土)13時~15時  【コーディネーター】八島 大三 さん(唐津市職員)

大良意識調査アンケート 結果報告

はじめに、1月に実施した住民アンケートの結果報告を行いました。大良地域に住む中学生以上にアンケート用紙を配布し、対象者の約8割の方から回答がありました。その全体の回答結果と年代別の結果を比較しながら、住民の方の意識の傾向や特徴について、八島さんに分析してもらいました。

アンケート結果より、大良の「魅力」「課題」については世代間で大きな認識の違いはないこと、課題解決へのアイデアについて、全体的に関心が多い共通項は「人が集まる」取組みであること…などが明らかとなり、参加の皆さんも興味津々で報告に聞き入る様子が見られました。

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大良小学校児童による 地域インタビュー活動発表

続いて、「子ども大良調査員」として活動した子どもたちが登場。インタビュー活動の内容について、写真や動画を使いながら、大きな声で分かりやすく発表してくれました。

今回の発表の場に立てなかった子どもたちからの感想や気づきのメッセージビデオもあり、一生懸命に取り組んだ様子が伝わる発表に大人の皆さんも惹き込まれ、真剣に耳を傾けていました。

大良しあわせプロジェクト 大良しあわせプロジェクト 大良しあわせプロジェクト

ワークショップ ~「大良2030ビジョン」を考えよう~

後半は「大良の10年後のありたい姿」を未来ビジョンとして考えるワークを実施。住民アンケートや子どもたちの地域インタビュー、これまでのワークショップの中で明らかになったことをふまえ、具体的なビジョン案を話し合い、言語化しました。保護者世代の参加も多く、多様な視点からの意見が活発に交わされていました。

大良しあわせプロジェクト 大良しあわせプロジェクト 大良しあわせプロジェクト 

参加者の声
  • アンケート結果を見て、いろいろな世代の考え方を知ることができた。
  • 子どもたちの素直な意見が聞けてよかった。素晴らしい発表だった。
  • 幅広い世代での意見交換ができた。前向きな意見がたくさん出て、10年後の未来が少し見えた。
  • 難しい課題もあるが、10年後のビジョンを皆で考えることができたのは、今後につながる。

かわらばん ~大良しあわせNews~ No.3 (1140KB; PDFファイル)

かわらばん3


第4回 「大良の未来への第一歩! 大良2030ビジョン」

【日時】令和3年2月26日(金)18時30分~20時  【コーディネーター】八島 大三 さん(唐津市職員)

ワークショップ ~「大良しあわせビジョン2030」をブラッシュアップ!~

いよいよ迎えた最終回は「大良しあわせビジョン2030」の完成をめざしてラストスパート!

前回出されたビジョン案から4つのまちの姿を柱として立て、その実現に向けた「未来プラン」を考えるワークを行いました。めざす未来への第一歩となるアクションについて「誰が」「いつ」「どうやって」動くのかを具体的に考える中で、地域の現状と自分たちができることに向き合い、皆さんの希望や夢もつめ込まれたプランが生み出されました。

大良しあわせプロジェクト 大良しあわせプロジェクト


大良しあわせプロジェクト 大良しあわせプロジェクト

各チームより4つの未来プランが発表され、「大良しあわせビジョン2030」の全体像がついに完成!

最後に、八島さんより「今回のプロジェクト全体を通して、皆さんが平等に意見を出し合いながら、この未来ビジョンを作り上げることができました。考えられたプランにチャレンジしてみて、いろいろ試しながら、次のステップにつなげていくことが大事ではないでしょうか。住民の皆さんが集まって、同じ方向に向かって時間を共有すること自体、とても価値があると思います。これからの取組みを楽しみにしています!」と激励のエールがおくられました。

参加者の声
  • 今回参加していろいろな発見があった。真面目に考えることができた。
  • 老若男女みんなで考えることができたことが一番よかったと思う。
  • 大良の未来を考えると、自分から動かないといけないと思った。
  • 参加するうちに何かしたいと思うようになった。これから協力したい。

かわらばん ~大良しあわせNews~ No.4 (1478KB; PDFファイル)

かわらばん4


講座を終えて

講座を終えて、スタッフと八島さんを交えてのふり返りを行いました。

  • ワークショップを積み重ねる中で、ゆるやかな合意形成ができた。きっかけや「場」があれば、協力して共に動く人が多くいることが分かった。
  • 今回作り上げた「未来ビジョン」は、これから活動していく住民にとっての羅針盤になる。取組みプランの中で、小さなことでも、できることからすぐにチャレンジした方がいい。
  • 住民アンケートで広く意見を聞くことができて良かった。今後も3年スパンくらいで実施していけると理想的で、その経過の中で地域の現状や課題を捉えていくことが大事。
  • 大良の良さや今ある資源を活用してできることはたくさんある。他所の地域の事例にも学びながら「大良モデル」の取組みが生まれたら、地域の活気にもつながるはず。
  • 公民館活動(講座)と地域づくりはリンクしていて、住民が地域を営んでいく環境を守ることは、公民館の役割だと思う。地域にとって必要とされる公民館であり続けたい。

などの意見を交わしました。


ふり返り

8月から、唐津市教育委員会、大良公民館、アバンセの3者で企画会議を重ね、八島さんからのアドバイスも受けながら、みんなで試行錯誤の末、講座を実施できました。また、住民の方々と大良小学校の多大なる協力のおかげで『大良しあわせプロジェクト』の内容がより充実したものとなりました。

大良の未来がより明るく、しあわせなものとなるよう「大良しあわせビジョン2030」の実現に向けて、息長く、地域での活動が続いていくことを期待しています。


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