令和2年度 課題解決支援講座(佐賀市)を開催しました
【課題解決支援講座について】
佐賀県立生涯学習センターでは、市町・公民館等との共同企画で、地域課題の解決に向けて取り組む講座を開催しています。《令和元2年度は佐賀市、唐津市、武雄市の3地域と共催》
佐賀市×西川副公民館との共催で
「~西川副を音楽でつなごう~みんなの手づくりコンサート」〔全4回〕を開催しました。
【講座のチラシ】
・~西川副を音楽でつなごう~ みんなの手づくりコンサート(講座チラシ) (587KB; PDFファイル)
・~西川副を音楽でつなごう~ みんなのコンサート(コンサートチラシ) (1033KB; PDFファイル)
講座名 ~西川副を音楽でつなごう~ みんなの手づくりコンサート
【会場】西川副公民館 【対象】西川副町の地域住民、関心のある方
西川副地区では、西川副まちづくり協議会(以下、まち協という)と協働し、地域の祭り「きずな祭」を立ち上げたり、学校と連携して合同防災訓練をしたりと、地域住民の結束力の向上と地域づくりに精力的に取り組まれています。しかし、少子・高齢化が進む中、地域活動の担い手の高齢化や今後の担い手不足が懸念されていました。
そこで、コンサートの主体的な企画運営をとおして、自分たちで出来るまちづくりのカタチについて考え、実行することで、地域の新たな担い手の発掘及び育成のきっかけとなる講座を開催することになりした。また、イベントの実施をとおして公民館の周知を図るとともに、地域の皆さんが音楽と身近に触れ、音楽をきっかけにつながる機会になればと考えました。
その講座の様子をお伝えします。
第1回 コンサートの説明会
【日時】令和2年12月18日(金)19時~21時
第1回は、どんなコンサートにするのか、趣旨を共有しながら考えていきました。まずは講師の多良さんから、佐賀銀行ウェンズデーコンサートや竹をつかったバンブーオーケストラなどの様々な活動紹介をとおして、住民主体のコンサートのあり方や地域づくりについて学んでいきました。その後、公民館職員から、開催に至った経緯や、子ども達に郷土愛を育むきっかけにしたいことなど、このコンサートに込められた想いが語られました。
▲【講師・コーディネーター】 多良 淳二 さん(地域づくりアドバイザー・佐賀銀行文化財団事務局長)
自己紹介
次に、これから一緒にコンサートをつくり上げていく仲間との顔合わせを行いました。名前や演奏する楽器の他に、呼んでほしいニックネームや参加動機、趣味なども紹介し合いました。小学校の読み聞かせのメンバーから立ち上がったママ世代のハンドベルサークルの方や、ギター弾きのキャベツ農家さんなど多様な演奏者が集結し「木魚でリズム取りはバッチリ!だけど今回は運営ボランティアで参加します」と話すお寺の住職さんや、普段から公民館とつながりのあるまち協の方など、心強い運営ボランティアも現れました。
グループワーク ~アイデア出し~
多良さんの「自分たちが楽しみながらも、地域の人を思って何が出来るか考えてみましょう」との呼びかけに、グループに分かれてアイディアを出し合いました。「クイズで当てっこゲームはどうかな」「手づくり楽器を作って、参加者と一緒に合奏すると楽しそう」など、どんどん面白いアイデアが飛び交い、どのグループも熱心に取り組まれていました。グループで出たアイデアを全体で共有し、参加者も一緒に楽しめる演奏や合奏をすることに決まりました。
受講者の感想
- めったに話す機会のない人と話すことが出来ました。
- 子ども達のために、と会場全員で考えたことが良かったです。
- 各個人の思いが言えて、本当に良かったです。
- グループワークが楽しかったです。まちづくりの楽しさの一端が伺えました。
第2回 企画会議
【日時】令和3年1月15日(金)19時~21時
アイスブレイク「イラスト伝言ゲーム」
この日は講座の初めに、公民館職員がアイスブレイクで場を温めました。お題となる文字を絵で伝えていくイラスト伝言ゲームです。グループでリレーする間にだんだんと描かれる絵が変化して…、答え合わせでは全く違うモノとなり、どっと笑い声が沸きました。短い時間で、皆さんの距離がぐっと近くなっていく様子が伺えました。
グループワーク ~具体的な内容決め~
続いて、多良さんの進行の元、前回出されたアイデア案を踏まえ、具体的な内容を考えていきました。この回は、タイトルや演奏順、合奏の曲決めなど話し合うことが多かったのですが、皆さん、それぞれの考えをしっかり述べられ、1つずつ確認しながら決めていきました。公民館職員に進行をバトンタッチしたら、今度は当日運営等の役割決めです。写真のように、役割分担表に自分の名前を書いた付箋を率先して何枚も貼るなど、真剣に今回の事業に取り組んでいる様子が伺えました。
▲グループで話し合い、全体で考えを共有
▲合奏曲は「パプリカ」と「ふるさと」に決定 ▲演奏団体別に曲名や参加型体験を紹介
▲演奏者の希望に合わせて、その場で修正 ▲事前準備や当日の役割決めの様子
した演奏順をスクリーンに表示しながら進行
受講者の感想
- 皆で作り上げていく、一体感が味わえました。
- 楽しい雰囲気の中で出来、全体のやる気で盛り上がりを感じました。
- 1つひとつ皆の意見を聞き、皆で決められて良かったです。
合奏の練習
【日時】令和3年2月6日(土)18時~
合奏練習日。この日は、県内にも新型コロナウイルス感染者が増えたことを受け、練習を行う演奏者だけでなく、運営ボランティアにも出席していただき、コンサートの開催について考えることになりました。その結果、住民の皆さんの安心安全を第一と考え、オンライン配信することに決定。「公民館に来れない人にも自分の時間で何度も見ていただける」と前向きにとらえ、「ネット上に公開されるのは少し恥ずかしいけれど、チャレンジしてみよう」と意見がまとまりました。
方向性が定まると、「収録だから撮り直しができる」「受付や会場設営などの準備も少なくてすむ」と初めてのコンサート、と気を張っていた肩の力がフッと抜け、リラックスした様子の皆さん。講座とはまた違う和やかな雰囲気の中、合奏の生の音色が心地よく会場に響きわたり、癒しのひとときでした。
第3回 コンサートの実施 タイトル「~音楽で西川副をつなごう~みんなのコンサート」
【日時】令和3年2月20日(土)13時30分~15時30分
演奏は、琴、ハンドベル、ギターの3種目です。運営ボランティアの皆さんは率先して役割をこなされ、順調に会を進めることができました。合奏では、演奏と運営ボランティアの拍手が相まって、全体が一体感に包まれ、すてきな時間となりました。
【演奏者】
ハンドベル 琴
ギター 合奏
【運営ボランティア】
受付 マネージャー 司会 ビデオ撮影
写真撮影 演奏者の子ども達も応援 ハンドベル 集合写真
受講者の感想
- 音楽は皆を笑顔にする魔法だと思いました。演奏が出来てすごく楽しかったです!
- それぞれに楽しく元気のでる演奏ばかりで、スタッフとしてもすごく楽しく過ごせました。
- 自分達で作り上げたという達成感がありました。
- アットホームな感じで、皆が1つになって運営できたことがよかったです。
第4回 ふりかえり
【日時】令和3年2月26日(金)19時~21時
最後の回は、コンサートを実施した感想や、今後について話し合いました。
コンサートを15分にまとめた動画を見て、その後、一人ひとり感想を述べていきました。
「またコンサートをしたいです。次はたくさんの方に参加してもらい、こういう輪が広がっていくといいなぁと思います」など、皆さん笑顔を浮かべながら、ぞれぞれの思いを語られました。
アイスブレイク「ペーパータワー」
グループワークの前に、アイスブレイクのペーパータワーに挑戦しました。20枚の紙を使用してタワーを作り、その高さをグループで競います。どんな風に紙を折ったら高くて安定したタワーが出来るか、チームワークが必要です。どのグループも真剣に構想を練り、組み立て開始の合図とともに、一気に作り上げていきました。短い時間の中でしたが、大いに盛り上がりを見せました。
グループワーク ~気づきと今後について~
感想や気づきは「良かったこと」と「改善点」に分けて付箋に書き出し整理します。また「今後出来ること・やってみたいこと」については、コンサートとそれ以外に分けて意見を出し合いました。前のめりで語りあう姿に、1回目の頃と比べて心の距離がぐんと近づいている様子が伺えました。初めはひと言しか話せなかった小学生も、緊張せず皆の前ですらすらと発表するようになり、参加者の変化に驚きと嬉しさを実感した回でした。
受講者の感想
- 参加者全員の生の感想を聞けたり、考えを共有したり出来て、すごく充実していました。
- いろんな方々と知り合う場がとても楽しかったです。参加者全員で協力したことが成功につながったと思います。
- この反省会でさらに皆がまとまった感じがありました。
- コンサートだけにとどまらず、他にも企画から参加できるものがあるといいなと思いました。
追加収録(三味線)とオンライン配信
【日時】令和3年3月8日(月)10時~
三味線サークルは、急用でコンサート当日に出演できなくなったため、別日に撮影しました。
ハンドベルとのコラボ演奏もあったので、ハンドベルの方も衣装を合わせて再度出演していただきました。
撮影した動画は編集して、佐賀市の地域コミュニティサイト「つながる西川副」にてオンライン配信しました。
▲三味線(ハンドベルとコラボ演奏) ▲「ソーラン節」の歌いもの
▲オンライン配信(3/18~31の間、「つながる西川副」にて公開)
講座を終えて
講座を終えて、事後研修ではスタッフと講師の多良さんを交えてのふりかえりを行いました。
- 小学生や若い子育て世代から70代の方まで幅広い層の参加があり、とても良かったと思う。
- 終了後の反響も大きく、参加者の次回への意欲を感じることが出来た。
- 公民館職員は顔なじみでも、参加者の方から見ると知らない者同士の集まり。これを機に出会いがあり、交流が出来たことがよかった。
- 西川副地区の方々のいいところ、得意分野、潜在能力などまだまだ知らないこと気づかないことがたくさんあることが分かった。西川副の人、物の魅力をたくさん見つけて、公民館と地区の方と一緒になって盛り上げていきたいと思った。
- 公民館がどのような職務を行っているかを地域住民に周知出来た。
- 課題の把握及び解決につながる方法について、意見を共有しながら企画していくなど、企画の重要性を改めて感じた。
などの意見を交わしました。
佐賀市公民館支援課、西川副公民館、アバンセの3者で企画会議を重ね、講師の多良さんからもアドバイスをいただきながら、紆余曲折の末、実施出来ました。まちづくり協議会の子ども・子育て部会、安心・安全部会にもこの事業に賛同いただき、協力いただいたことに、心より感謝申し上げます。
これからも、西川副公民館を拠点に、地域の皆さんの交流や新たな連携が広がっていくことを期待しています。
講座の様子(パネル展示)
課題解決支援講座(西川副公民館)講座の様子 (3879KB; PDFファイル)