家庭教育支援者リーダー等養成講座第4回報告
令和元年度の家庭教育支援者リーダー等養成講座は「親と子の力を引き出す支援を目指して」と題して、連続8回講座で開催しました。家庭教育支援や子育て支援に関わる活動をされている方を対象に、これからの時代を見据えた支援のあり方について一緒に考えていきました。
講座チラシはコチラをご覧ください(令和元年度家庭教育支援者リーダー等養成講座) (1324KB; PDFファイル)
第4回 多様な支援の取組みに学ぶ
開催日時:11月29日(金)13時30分~16時30分
4回目は12月から始まる現地研修に向けて事前研修を行いました。受入先(3団体)の活動紹介と質疑応答を交えながら、それぞれの活動についての理解を深めていきました。
はじめに講師の相戸先生より「『三者のアプローチの違い』や『それぞれの活動での親と子の力を引き出す支援とは何か』という点を考えながら聞いていきましょう」と話がありました。
講師:相戸晴子さん(宮崎国際大学教育学部児童教育学科教授)
現地研修(1)悩みや問題を抱える少年の「居場所づくり」
松隈智子さん(佐賀県警察本部生活安全部人身安全・少年課課長補佐)
少年サポートセンターは、少年相談、少年サポート、広報啓発をしながら子ども達と出会い「逮捕されないようにする」という、警察の中でも特殊な仕事をしています。居場所づくりは平成16年に少年の立ち直り支援の一環で始まり、平成25年に活動拠点「わだち」を設置しました。少年達の自発的な活動を引き出すことを考えながら継続的な体験活動などを行っています。少年と年齢の近い大学生が子どもとペアで活動しているのが特徴で、地域や各種ボランティアと協働しながら支援活動を推進しています。
現地研修(2)みんなのおうち「ほわ~っと」
川岸順子さん(みんなのおうち「ほわ~っと」運営委員会相談役)写真左
長谷川純恵さん(みんなのおうち「ほわ~っと」運営委員会会長)写真右
平成30年11月に障害をもつ子どもの親達が中心となり、神埼市にあった空き家を「みんなのおうち『ほわ~っと』」と名づけ開所しました。子どものことをわかり合える仲間がいることは、自分自身を支える大きな力になります。いろいろな人が集い、つながり学ぶ場所となり、何かを生み出し自分達の力で仕事を作る場になることを目指しています。火曜から木曜はランチを提供して、他の部屋は洋裁や料理教室等、誰でも利用できる場所です。引きこもりの青年等が歩み始めるきっかけづくりもしていて、実際にその姿を見た時は嬉しく思いました。
現地研修(3)白石町子育て応援サークル「はぐはぐ」
田中知子さん(白石町子育て応援サークル「はぐはぐ」代表)
平成27年に子育て中の主婦5人で、自分達が「あったらいいな」という活動を作ろうとサークルを立ち上げました。拠点は無く、町内の施設や、時にはグループホームを利用して、高齢者から子どもまで町内外問わず誰でも参加できるごちゃまぜの活動をしています。また、活動では支援者という関わりではなく、同じ子育て中の同志としてお母さん達と関わり、育児指南はしないようにしています。年上の子を持つお母さんとの『ななめの関係作り』は、1、2年後の先が見えるという点で大切にしています。
質疑応答、グループワーク
それぞれの発表が終わると会場から質問を受け、登壇者にお答えいただきました。受講者からは「予算やボランティアの確保はどうしていますか?」「活動への家族の理解は?」「居場所や拠点はこれから増やしていく予定ですか?」などの質問があがっていました。また、相戸先生からそれぞれの活動に対する気づきや感想がまとめとして述べられ、受講者は三者のアプローチの違いや特徴についてあらためて振り返りました。
講座の最後は現地研修に訪問するグループに分かれて意見交換を行いました。全体発表では聞けなかった情報などをうかがい、和やかな雰囲気の中、受講者のみなさんは真剣にメモをとりながら現地研修への期待を膨らませていました。
相戸先生から受講者に向けて「今日の事前研修で聞いた内容が、現地研修でもっと深められるはずです。最終回の講座で、ぜひ目で見て感じてきたことを教えてください」とメッセージが送られました。
講座の感想(アンケートより抜粋)
・それぞれの取り組みがよくわかり、自分の今の立場では経験できないことを知ることができました。
・ともに共感し、認め合い、自分の悩みごとや問題を一緒に考え合っていける場づくりや人との関係づくりを目指したいと思いました。
・人と人のつながりを大切にして、広がっていくことが大切だと思いました。
・地域で子育てをすることが大切だと実感しました。