平成29年度 生涯学習関係職員実践講座(基礎編②) 報告

佐賀県立生涯学習センターでは、生涯学習・社会教育関係職員に必要な知識や実践力を身につける
「生涯学習関係職員実践講座」(基礎編・実践編・課題編)を行っています。
7月14日(金)に、基礎編②講座をアバンセにて開催しました。

地域をつくる学びと教育 -少子高齢・過疎化社会を生きる-

講師少子高齢化や人口減少が進む中で、地域の担い手である住民の学びが地域づくりの実践につながり、暮らしの基盤を支えることが期待されています。今回、社会教育と地域づくりの研究、実践に取り組まれている高知大学の内田先生をお招きして、住民の学びをいかに地域の未来につないでいくのかを考えていきました。

【講 師】内田 純一 さん(高知大学 地域協働学部 教授)


講座の前半は、参加者同士で意見を出し合うグループワークを中心に進みました。

「今の気持ちを率直に言うと?」

「どのような仕事をしているか?」

「なぜ、その仕事をしているのか?その『なぜ』の根拠は?」

という問いが出され、普段は意識して語ることの少ないことにじっくり向き合って考えました。

社会教育史の研究から、「日本の社会教育は『なぜ?』という問いを発する市民教養学習を重視してきた」という特質を紹介されました。それは、「社会教育は人々が『なぜ』という問いを持つためにある、『なぜ』ということを考え続けるような市民を育てることを重視するもの」とも言えます。仕事に取り組む際も、「何を」するかということより、「なぜ」それをするのかをまずは考えることが大事であるとお話しいただきました。

続いて、「生涯学習・社会教育職員に求められるものは何か?」について、これまでのワークで考えたことも踏まえながら意見交換をしました。メンバーを入れ替えて話し合い、様々な考えを共有することで、職員としてのあり様について考えを深めることができました。
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後半は、「健康学習を計画しよう」をテーマに、肥満予防教室の企画を考えるグループワークを行い、どんな講義や実習を盛り込むのか、アイデアを出し合いながら考えました。2グループからの企画発表後、講師から学習プログラムを考える際の留意点を教えていただきました。

大事なポイントとして、「学習は今の実態からスタートする」「学習者自らが課題に気づき、この場にいる意味、学習する意味を自覚する」「お互いの状況に共感することで一緒に学ぶ意識や実践への意欲・機運を高める(はじめに関係づくりを行う)」を挙げられました。

そして、「講座から出た外の世界(日常生活の中)で実際に取り組むかどうか、相手の内面の変化に働きかける関わりが職員には求められる」とお話しいただきました。

続いて、高知県の事例として「集落活動センター」と「NPO法人ぷらうらんどKominkan」について紹介がありました。高知県は全国で2番目に高齢化が進み、公立公民館設置率が7割未満、地域の中で公民館が身近に少ない状況と言われています。2つの事例は、高齢化や過疎、貧困や格差の問題が広がる中で、地域の内側(住民)からの求めに応じていく活動であり、そこには地域の課題解決や個人の気づきを促し、学びを援助するプロセスがありました。

講義では「学習とは」「教育とは」という論点を分かりやすくお話しいただき、社会教育は「社会をつくる」ことであり、公民館の役割は、学習を通して社会の再構成を担うこと(まさに地域づくり)であると述べられました。

最後に、「今を生きる人たちが自分たちの地域のあり様を見出しながら、より良い暮らしを考えて向き合うこと。そこに社会教育の手法があることで、学びが地域づくりにつながり、未来に光が見えてくる」と、人々と地域の変容に働きかける社会教育の職員にあたたかいエールをいただきました。

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参加者の声 (講座アンケートより抜粋)

・「生涯学習」というものについて、講師の自論も交えつつの話を聞いて理解を深めることができてよかった。
・深い学びがあった。理論をかみくだいて説明されて、具体的な事例を交えて分かりやすい内容だった。
・常に、『なぜ』その仕事をするのか、自分に問いながら仕事をしていこうと思う。
・公民館の仕事をなぜしているのかを考える機会となった。講座企画の話し合いのワークでは他の参加者の意見が大変参考になり、今後に活かしたいと思った。
・高知県の現状や実践事例の話もとても興味深く聞くことができてよかった。

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