令和2年度「男性のための介護支援講座」を開催しました

講演会「ケアメンの『困った』を『よかった』に変える方法」

時代の変化、家族の多様化により、男性も家族の介護を担うことが当たり前になってきており、介護を理由に仕事を辞める人は、年間約10万人ともいわれています。

男性の家族介護者への支援を実践されている日本赤十字九州国際看護大学講師の西尾美登里さんをお迎えし、男性が抱えやすい介護の「困りごと」への対処法を知り、「よかった」に変える方法について、お話いただきました。

令和2年12月6日(日)13時30分~15時30分(アバンセ4階 第3研修室)

 

講師写真西尾さんからは、少子高齢化や人口減少に伴う社会構造の変化により、介護制度や要介護認定率、家族介護者についても変化してきており、男性の家族介護者は将来的にも増加することが見込まれ、2016年には在宅の家族介護者のうち男性が約34%(3人に1人)を占めていることを学びました。

介護において女性と男性では困りごとやうまくいかないことが違っていることがあり、男性には介護を恥ずかしいと思ったり、自分を責めたりする人も多く、「男性としての特性」が男性自身を苦しめることもあるそうです。


多くの男性介護者の特徴として、次のことが紹介されました。

 ・育児・家事の経験が少ない

 ・介護を仕事のように目標を立てて完璧にこなそうとする

 ・地域との関わりが少ない(回覧板を回したことない、地域行事に参加したことがない)

 ・弱音を吐けず、困っていることを自分で抱え込んでしまう

 

そんな困りごとや介護のことをなかなか口にできない男性介護者に料理を作りお酒を飲んで本音を語ってもらう場として、企業と連携し「ケアメンズキッチン」をスタート。直接の支援にはつながらないけれども、男性介護者に「参加してよかった」と思ってもらい、「男性が介護すること」を社会に知ってもらうために始めたそうです。

男性が抱える介護問題はさまざまあり、仕事しながらの介護は大変ですが、自分を大切にし、社会とのつながりや支援・介護サービスを保つためにも介護離職はしてはいけないし、施設に預けるという選択は、介護者のせいではなく必要なことです。高齢者同士の介護、若年者の介護も増えてきており、看病や介護疲れが原因で家族を虐待したり、殺めたりする事件も起こることがあるので、そうならないような介護をするためには、「介護はうまくいかないのが当たり前」と捉え直し、介助方法の工夫や改善をしていくこと、地域の相談窓口に相談し、医療や介護サービスを利用すること、家族会に参加するなど地域資源とつながることが大切だということを学びました。 

最後に「今、介護している男性は時代の先駆者です。人に役立ち感謝されるとオキシトシン(愛情ホルモン)が出ます。あなたがいてくれて『よかった』と思う人がいるかもしれません。」とのメッセージをいただきました。

 参加者の感想(一部抜粋)

  • 男性の考え方、特質(恥、自責、社会的認知)が参考となった。
  • 気になっている分野だったので、基本的なことを学べた。
  • 交流会(家族会)等にも参加してみたい。

講座チラシはこちらをご覧ください。 (420KB; PDFファイル)

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