令和元年度「男性のための介護支援講座」を開催しました
講演会「もし明日、親が倒れても仕事を辞めずにすむ方法」
大介護時代。年間約10万人が介護離職をし、2025年以降には団塊ジュニアの
介護離職が急激に増えるといわれています。
講師に「もし明日、親が倒れても仕事を辞めずにすむ方法」(ポプラ社)の
著者で「NPO法人となりのかいご」代表理事の川内潤さんを迎え、
介護離職してはいけない理由や、新しい時代の介護のあり方について、お話しいただきました。
令和元年12月7日(土) 13時30分~15時30分(アバンセ第2研修室)
川内さんは、冒頭、自身が代表を務める「となりのかいご」を立ち上げたきっかけについて話されました。
訪問入浴サービスなどで、大事な家族に、泣きながら手を上げている場面に何度か遭遇し、家族介護の難しさを目の当たりにし、介護サービス以外の別のサポートが必要ではないかと考え「となりのかいご」を立ち上げたそうです。
また、あるとき一般企業で社員さん向けに介護についてお話をする機会があり、明日にでも仕事を辞めて親元に帰ろうとしている方たちと出会い、ここで介護との向き合い方などを伝えることが、虐待を防ぐことにつながるのではないかと考え、仕事と介護の両立支援を行なうことで、高齢者虐待問題に取り組んでいるということでした。
講座でお話いただいた内容を、一部ご紹介します。
介護の予兆をどう察知するか?
厚生労働省の「基本チェックリスト」を参考に、川内さんが作成されたチェックリストを紹介。3つ以上該当する方は、早めに「地域包括支援センター」に相談することが大切。
家族だけで介護をするとうまくいかない理由
家族だけで介護を担うと、家族であるが故に“やりすぎ介護”になりやすく介護を人に頼みにくくなり、社会との接点が無くなってしまいがち。その結果、介護ストレスが蓄積しやすくなり、最悪の場合、虐待などにつながってしまう。客観的で冷静に判断してくれるプロが必要。
仕事と介護の両立のコツ
100人いれば100通りの介護の形がある。自身と親の人生は別物であることを理解し、介護の中でどのような選択をしても後悔が残ることを知り、後悔を少なくするには話せる仲間をつくり、一人で決めない。
介護の作業はプロにお願いし、家族は愛情表現できる余裕を持つ。家族で役割を決め、介護体制を作ることが大切。とにかく、早い段階で「家族」「地域包括支援センター」「勤務先」などへ相談することが大事。
良いケアマネジャーに出会う
地域包括支援センターに状況を伝え、「自分達の状況に合った」ケアマネジャー選びのアドバイスをもらう。
ケアマネジャーには、しっかり要望を伝え信頼関係を築くことが大事。
(要望を全部聞いてくれる方が良いとは限らない。プロ目線で見た意見やアイデアは大切。)
最後に川内さんは「皆さん自身が気持ちに余裕を持って、今までの親子関係を大事に愛情深く、家族に関わっていってほしいと思います。」と締めくくられました。
参加者の感想(一部抜粋)
●介護に向けて、心の準備が出来た。「人に頼る」ことが大事と聞いて、肩の力が抜けた(楽になった)。
●介護の予兆から、家族の関わり、介護対応まで、ひと通り話していただき、自分自身でまた詳しく調べてみようと思いました。
●自分と親の人生は、別物であることを理解する。この考え方は「なるほど!!」と思いました。楽な気持ちになれました。
講座チラシはこちらをご覧ください。 (460KB; PDFファイル)