江北町で男女共同参画推進リーダー研修を開催しました

講師

平成31年1月24日火曜日に、江北町公民館において、江北町の「江北町女性ネットワークの会」の会員、「江北町婦人会」の会員や町民の皆さんを対象に「男女共同参画推進リーダー研修」を開催しました。

講師に朝倉災害母子支援センター「きずな」事務局長の大庭きみ子さんを迎え、「みんなで考える減災・防災のまちづくり~朝倉災害母子支援センター『きずな』の取り組みから~」と題し、日頃からの意識や女性や母子などの災害弱者への視点を持った減災・防災のまちづくり、地域での女性の活躍やネットワークづくりなどについてお話いただきました。

平成29年7月5日に発災した九州北部豪雨で、想像を超える甚大な被害を受けた朝倉市。急きょ11カ所の避難所が開設され、一時は1,200人もの方が体育館などに避難されていたそうです。大庭さんは、全避難所を視察し、蒸し暑い中高齢者と小さな子ども連れの母親が同じ避難所にいて、夜中子どもの泣き声などでお互いにストレスがたまり、ゆっくり休めない状況を目の当たりにしました。東日本大震災や熊本地震を視察した経験から、母子支援の必要性を強く感じ、「朝倉市で二次被害を出したくない」その一心で母子に特化した避難所の開設を思い立ったとのことでした。

一番被害が少なかった甘木地域で休院中の産婦人科医院の使用を相談したのが、7月15日。7月20日に実行委員会を立ち上げ、8月1日開所までの10日間で規約・ホームページ・リーフレットを作り、ボランティアや運営費のための募金集めをし、予定通り「朝倉災害母子支援センター『きずな』」を開所しました。市内外から集まった60人近いボランティアスタッフで支援をスタート。利用者は3世帯延べ200人、長い方は3カ月滞在されたそうです。母子支援センターのため、スタッフは女性に限定し、24時間交代制で運営。保育士、助産師、教師やOB、元養護教諭、弁護士など専門家の協力を得ることができ、母子のための避難所にとどまらず、母子に関する相談、女性ボランティアの宿泊拠点、専門家とボランティアのマッチングなど次第に支援活動が広がって行きました。距離が遠かったり、車が被災したりして「きずな」に来られない人は、電話相談を利用され、中には、被災後に始まったというDV相談もあったとのことでした。

他にも、子どもの心のケアとして、子どもたちが思いっきり遊べるイベントの開催や、仮設住宅での相談事業や演奏会、お茶会を兼ねた支援物資の配布など、時間の経過とともに変化する被災者のニーズに寄り添う活動を続けていらっしゃるそうです。「きずな」も今後は産前産後ケアハウスとして活用していきたいとのお話でした。

大庭さんからは、「当たり前のことですが、避難者の半数が女性です。災害はいつ起こるか分かりません。日頃から避難所運営マニュアルとか自主防災組織について、女性の視点で見直しておくことが大切です。災害が起こってからの母子避難所の立ち上げには、相当なエネルギーが必要で、事前に母子や災害弱者に特化し、特別な配慮をした避難所の準備をしておくことが重要です。ハザードマップに母子避難所が明示されていれば、『まずは、避難所へ』という行動ができると思います。」とのメッセージをいただきました。

会場の様子


【参加者の声】(一部抜粋)

・朝倉市の災害が大変な事であると認識していたが、避難所の生活実態のことはあまり知らなかったので勉強になりました。今日の講演は是非男性に聞いていただきたい。

・まず行動をおこす事で、問題、課題が見え、なにをすべきか見えるのだという事に気付けた。

・母子の災害時の問題点などが具体的によくわかった。運営上の支援方法も多種多様にある事がわかった。

・避難所での課題が見えてきた。現場の声が聞けてよかった。本町に活かす方法をさぐりたい。

トップへもどる