「働く先輩たちの本音トーク」を開催しました

平成29年度 学生への意識啓発事業

 大学・短期大学等の学生を対象に、西九州大学及び西九州大学短期大学部との共催で、学生への意識啓発事業を開催しました。

 佐賀県内の様々な職種で働く社会人の方々3名をパネリストに迎え、「働く先輩たちの本音トーク」と題し、学生時代の経験や職業選択の動機、社会人となり現在に至るまでの苦労や成長など、それぞれお話しいただきました。

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【パネリスト】(五十音順)

 永田千明さん(佐賀市立本庄幼稚園 教頭)

 横田千晶さん(株式会社佐賀新聞社 編集局生活文化部 記者)

 和田仁智さん(JICAデスク佐賀 国際協力推進員)

【コーディネーター】

 福成有美さん(株式会社アテンド 代表取締役)

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 まず始めに、コーディネーターの福成さんから、「今日は先輩方の話を聞きながら、皆さんがこれから社会に出ていく中で、自身のキャリアをどのように選択し、どのように自分らしい生き方や働き方を実現するか、そのヒントを持ち帰っていただきたい。」と話され、講座の進め方について説明いただきました。

 

~プログラム~

  1.  個人ワーク(10年後の自分を想像し未来予想図としてワークシートに記入する)
  2.  パネリスト自己紹介
  3.  パネルトーク
  4.  グループワーク(パネリストの先輩たちへの質問をグループで考える)
  5.  パネリストからの回答

 

和田.jpg和田さんは、大学(教育学部健康福祉スポーツ科)を卒業後、旅行会社の営業職を経て、青年海外協力隊としてケニアに赴任。現在はJICAで青年海外協力隊の海外ボランティアの相談受付や県内の国際協力に関わる事業の支援をされています。

 はじめに就いた旅行会社の仕事は、想像よりも大変で、朝早く出社して夜遅くまで残業するという生活を2年ほど続けていたそうです。「いつまでこの状態が続くのだろう」と思いながらも、10年ぐらい頑張ったら仕事にも慣れて、もっと収入も良くなるのではないかと期待をしていたが、ふと周りを見ると、先輩たちは自分と同じように大変そうで、このまま仕事を続けていくことに疑問を感じ、自分が本当にやりたいことをやりたいと考えるようになったそうです。ちょうどその頃に再会した友人から、青年海外協力隊に行きたいとの相談を受けたそうで、和田さん自身も以前から海外に行ってみたいとの想いがあったことから、海外ボランティアの仕事に興味を抱くようになり、その後、青年海外協力隊として海外ボランティアに就くことを決断したとのことでした。仕事を辞めることについては、特に迷いや覚悟は無かったそうです。

青年海外協力隊となってからは、ケニアの学校で体育と図工を教えていたとのことで、学生時代に教育学部で学んだことが少しでも活かされたのではないかと話されました。

永田.jpg永田さんは、短期大学(保育科)を卒業後、アルバイトを経て、佐賀市の職員として保育士となり、現在は本庄幼稚園に教頭として勤務されています。

 もともと保育士になるつもりはなかったそうで、希望の大学に受からなかったため、何か資格を取れればとの思いから保育科を選んだとのことでした。保育所での実習はとても大変で、自分に保育士はできないと思ったそうです。卒業後はすぐに就職せず、「世の中を見てみよう」との思いから、いろいろなアルバイトを経験されたそうです。その後、佐賀市の保育士試験を受けて採用され、佐賀市内の保育所や幼稚園、佐賀市の保育幼稚園課など、異動をしながら勤務をされているとのことでした。プライベートでは中学1年生と小学4年生のふたりの娘さんのお母さんであり、家事や育児、仕事との両立で忙しい毎日を送っているとのことでした。

保育士になりたての頃は、理想と現実のギャップからすぐにでも辞めたいと思うこともあったが、頑張って続けていくうちにやりがいを感じるようになったとのことでした。今では、若い世代の保育士と仕事をすることが楽しく、またその若手をどう育てていくのかも楽しみであると話されました。

 

横田.jpg 横田さんは、2017年の3月に大学(文化教育学部国際文化課程)を卒業し、佐賀新聞社に就職されたばかり。生活文化部の記者として、日々取材をし、記事を書いていらっしゃいます。

 以前から報道関係の仕事に就きたかったとのことで、主にテレビ局や新聞社に絞って就職活動をされたそうです。学生時代に佐賀新聞社から取材を受けたことがあり、その時に自分たちの想いをちゃんと汲み取った記事を書いてもらったことから、会社に対しても、記者という職業に対しても、良いイメージを持っていたそうです。

 記者になってからは、いろいろな人と出会い、話を聞くことが楽しいとのことでした。しかし、読者に正確な情報を伝えないといけないので責任感が伴うとも話されました。SNSで自分の記事に対する書き込みを見たときは、その記事を出せたことに大変やりがいを感じたそうです。また、新聞記者は男性社会と思われがちだが、女性だから働きづらいと感じることはないと話されました。

 

 パネルトークの後は、パネリストの方々に聞いてみたいことをグループワークで話し合い、質問を付箋紙に書き出しました。

 質問には、「就職活動で大切なことは何か?」「仕事を辞めたいと思った時に頑張ろうと思えたきっかけは?」などの質問が寄せられ、時間の許す限りパネリストの方々に回答いただきました。

 回答いただいた後に、各パネリストから学生の皆さんに向けて、以下のメッセージをいただきました。

 

~和田さんより~

 「私達は日本人として何ができるかを一人一人が考え、また考えなくてもそれが当然のようにできる社会になればと思います。」また、作家のマルコム・グラッドウェルの言葉を例に挙げ、成功から学ぶことよりも失敗から学ぶことが多いことを伝えられました。

 

~永田さんより~

 「人との出会いを大切にしてください。人とのつながりは、いずれ自分に返ってきます。いいことも悪いことも返ってくるので、今の出会いを大切にしたら先の未来は明るいです。」

 

~横田さんより~

 「学生のときに何にでもチャレンジしてください。とりあえずチャレンジしてみて、どうなるかはその時の運が決めてくれることだと思います。」

 

 最後に、コーディネーターの福成さんは、「自分がやりたい仕事をしているところをイメージしてみること。イメージすることで、その職業と自分を近づけていくことが大事です。ぜひ、いろいろなことに興味を持って、いろいろな人に出会いながら、自分のキャリアを選択していただきたい。」と締めくくられました。

 

~参加した学生の感想(一部抜粋)~

 ・仕事の大変さ、つらさを知り、またそれは人との関わりがとても大切だと学びました。

 ・自分たちが将来的に働くための自信や参考になった。

 ・パネリストの生き方を参考にしながら、これから自分の夢に向かって頑張りたい。

 

檀上.jpg 福成.jpg 会場.jpg

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 《講評》 平成29年度学生への意識啓発事業「働く先輩たちの本音トーク」を実施して

               

                         佐賀県立男女共同参画センター客員研究員

                                    西九州大学子ども学部教授    香川せつ子

 

 アバンセによる学生への意識啓発事業を、本年度西九州大学佐賀キャンパスで開催できたのは、学生の教育に当たる立場からも極めてラッキーなことだった。キャリア教育の重要性が認識されて久しい。本学でも1年生全員に対して、「社会人基礎力」について、座学で、あるいはボランティア活動やインターンシップ等の体験活動を通して学ぶ機会を設けている。とはいえ、今回の受講者のほぼ全員が1年生で、本格的就職活動開始までに時間があることから、どこまでこの話題についていけるのか、内心心配な面もあった。

 しかし、3人のパネリストのお話はすべて新鮮で、若さとチャレンジ精神に溢れ、時折失敗談も交っていたのが、学生にはとても身近に感じられたようだ。グループワークも含んだ90分はあっという間に過ぎて、学生の表情も終始生き生きとしていた。実施後のアンケートでも、約3分の2の学生が「とてもよかった」と回答している。「働くことの大変さと面白さ」を感じ、「将来のことをイメージしやすかった」と答える者も多かった。「自分の知りたいことをたくさん知ることができた」「もっと時間があるとよいと思った」という回答からも、学生の意識と内容とがしっかりマッチングしていたことがわかる。JICA、新聞社、幼稚園教諭と全く職種の異なる3人の方々の、仕事にまつわる「本音」を引き出し、わかりやすく筋道をつけて学生にポイントを提示されたコーディネーターの手腕は見事なものだった。

 大学が地域で活躍する方々や団体・機関と連携することの意義を改めて実感するとともに、このような有意義なトークを届けていただいたアバンセ事業部に感謝いたします。

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【主催】佐賀県立男女共同参画センター、西九州大学、西九州大学短期大学部

【協力】九州龍谷短期大学、佐賀女子短期大学、佐賀大学ダイバーシティ推進室、

     放送大学佐賀学習センター

(開催日:平成29年12月20日 会場:西九州大学 佐賀キャンパス 5号館2階 大講義室)

 

 

 

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