「男の介護を考える~大介護時代を迎えて~」を開催しました

平成28年度 男性の家事参画促進講座(介護編) 〔佐賀ダンディ5段チャレンジ事業〕

 佐賀県立男女共同参画センターでは、「男性介護者」をテーマとした講座をアバンセにて開催しました。第一部では講演、第二部では県内で介護を行っている男性にお話しを伺う二部形式で実施しました。その様子をご紹介します。                                        

 

第1部 講演 「男の介護を考える~大介護時代を迎えて~」 

 

DSC_0050 - コピー.JPG 第1部では、講師に立命館大学産業社会学部教授で「男性介護者と支援者の全国ネットワーク(通称『男性介護ネット』)」事務局長の津止正敏(つどめまさとし)さんお迎えしました。

 津止さんが事務局長を務める『男性介護ネット』は、2009年に設立されました。当時、全国で男性介護者の会がいくつか誕生してきており、会の発足を後押しすることで救われる男性介護者がたくさんいるのではないかとの思いでネットワークを立ち上げたそうです。また、全国で不安を抱えながら介護している男性への応援メッセージになればとの思いで、介護体験記を募集し発行したところ、男性介護者からの反響はもちろん、その家族からの反響も非常に大きかったことなどを紹介されました。

                                         (講師:津止正敏さん)    

 次に、2000年に始まった介護保険制度は「介護の社会化」を「在宅の介護環境整備」でという狙いでスタートしたが、そのことにより在宅介護期間の長期化や、介護する・される側の高齢化や重度化などを誘引したと述べられました。また、約50年前は介護者の9割が女性だったが、現在は3人に1人が男性であることや高齢者が高齢者を介護する「老老介護」は当たり前になり、認知症患者同士の「認認介護」などが行われているように介護者も多様化しているとのことです。また、「通いながら」「仕事をしながら」「子育てしながら」介護する「ながら」介護が一般化するなど、「介護のカタチ」も多様化しているため、介護実態が複雑化し、介護支援政策とのギャップが生じていると話されました。


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 また、2007年頃に「介護負担感と喜びとの関係」について全国調査をしたところ、介護について負担を感じていない人より、負担を感じている人のほうが介護生活の中で何かしらの希望や喜びを見つけているとの結果が出たことを紹介され、これを「介護感情の両価性」だと述べられました。これは「家族介護」の特徴だそうです。綺麗事だと言われるかもしれないが、介護という暮らしの中に健康な時には全く気付かれずに放置されてきた、新しい価値や生きる知恵のようなものがあるのではないかと話されました。

 

  最後に、津止さんは、「介護のある暮らしや働き方こそが社会の標準になるような社会システムの創造が必要ではないか、そのために私たちがやるべきことは何なのかということを考えていく契機になれば」と述べられました。

 

第2部 男性介護経験者から話を聞く 

 

 第2部では、第1部に引き続き津止さんにコーディネーターをお願いし、男性介護経験者の方2名にお話しを伺いました。

 お二人とも県内で認知症の妻の介護をされているのですが、最初に妻の変化に気付き病院に連れて行こうとした際、本人がそれをとても嫌がり大変だったことを共通して述べられていました。また、女性物の下着を買いづらいことや、排泄の処理等にとても苦労されたことなど、男性介護者が抱える問題を話されました。

 それから、お二人とも「認知症の人と家族の会佐賀県支部」が毎月開催している「カフェ・オレンジ」という認知症患者の方やその家族が情報交換をする集いの場に参加されていると話されました。ここには医師・看護師・ケアマネージャーなど専門家の方もいらっしゃるので色々と相談もできるそうです。介護をしていると、どうしていいか分からないことがたくさんあり一人で不安になるが、専門の方に相談することや、同じ立場の方とお話しすることで前向きに介護に取り組めるようになったとおっしゃっていました。

 また、当日この講座に参加されていたケアマネージャー、介護をしている男性、「認知症の人と家族の会」の世話人の方々にもそれぞれの立場からお話しを聞くことができました。最後に津止さんは、「みんなの知恵を働かせて、地域のいろんなところで井戸端会議のように介護の話ができる、そういった社会を作っていきましょう。今日のこの講座もその第一歩ではないでしょうか」と締めくくられました。

 

 

参加者の感想 ※一部抜粋】

介護に喜びの視点を持ち込んだのがよかった。介護を避けられないと思いつつ、恐れてもいるのが現状だが、受け入れる気持ちに傾くことができました。

研究者、介護体験者、ケアマネージャー、家族の会の方など色んな立場の人の話がきけて、よかった。他ではきけないような内容だった。

 

開催日:平成29年2月5日(日)

主  催:佐賀県立男女共同参画センター(アバンセ)

後  援:公益社団法人 認知症の人と家族の会佐賀県支部 

 

 

 

 

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