令和5年度 家庭教育支援者リーダー等養成講座(リーダー研修) 第4回報告

つながり育む 親子の幸せ 
~家庭教育支援者へ贈る大切にしたい5つのこと~

リーダー研修は、家庭教育・子育て支援に関わる活動経験年数が3年以上の方を対象とした連続5回講座です。

様々な経験を重ねてきた支援者の皆さんと、子どもや親の育ちを支える家庭教育支援のあり方や親子の幸せについて一緒に考えていきました。


家庭教育支援者リーダー等養成講座(リーダー研修)チラシ (1876KB; PDFファイル)

第4回 支援者のこと
支援者のリアルボイス ~実践者の思いと実践に学ぶ支援~

【開催日時】1月19日(金)13時30分~16時30分

講師 講師 

【講師】中島 直子さん(地域互助力向上ネットワーク0-100地域の輪代表)(左)

山口 ひろみさん(NPO法人唐津市子育て支援情報センターセンター長) (右)


今回は、県内で地域に寄り添って活動されているお2人の方にそれぞれの活動紹介をしていただき、支援者目線からの支援のあり方について理解を深めていきました。

講師は、昨年度当講座にて事例発表者として登壇していただいた「0-100地域の輪」代表の中島直子さんと、唐津市子育て支援情報センター長の山口ひろみさんです。ダブル講師として一緒に進行をしていただきました。

講師のお2人は、ご自身がお母さん同士や地域とのつながりをきっかけに元気になれたことや、困ったときに頼れる場所につないでくれた人との出会いで新たなスタートをきることが出来たという経緯を話されました。そして、支援者として大切にしていきたいキーワードに『つながり』を提示されました。

事例発表


事例発表者 

木村 泰代さん(全国母子保健推進員等連絡協議会会長/佐賀市諸富地区民生委員児童委員協議会会長)

夏休みのラジオ体操の支援を続けて40年、体操後は手作りの紙芝居を読んだり、折り紙で遊んだりして子ども達と触れ合われています。子ども達の夏休みの思い出づくりになればと子ども食堂や勉強会を行い、さらに地域のために出来ることをしていきたいと高齢者サロンの立ち上げや地域活動など、活動の幅を広げて取り組まれています。「あめ玉を配ると子ども達は笑顔になり、大人に成長した後も『おばちゃん』と慕ってくれます。あめ玉で広がった地域の輪の威力を実感しています」と話され、受講者にも折り紙で作ったミニバックにあめ玉を入れて配られました。


事例発表者 講座の様子

入江 航さん(一般社団法人ここてらす代表理事)

大学在学中に地元の基山町で「ここてらす」を立ち上げられ、2020年1月から子どもの居場所を開始して今年で5年目、通算500回の開催を迎えられました。財団の助成金を元手に、企業や地域の人から寄付や物資の支援を受けながら、訪れる子ども達にあたたかな夕食と安心な居場所を週3回提供されています。また、支援の必要な家庭への弁当配達や、児童養護施設洗心寮の子ども達一人ひとりにオリジナルの誕生日ケーキを毎年贈るなど、個々の悩みや想いに寄り添った活動もされています。「子どもとの関わりを通して保護者の子育てへの負担や不安の解消にもつながるよう、これからも相談してもらえる関係性づくりを育てていきたい」と話されました。

講師 事例発表者


事例発表者への質問タイム

講座の様子 質問タイム

受講者の皆さんは事例発表を聞いての気付きや感想を共有した後、発表者への質問を付せんに書いて貼り出し、講師からはその質問について深掘りしていただきました。「第1歩を踏み出したときの勇気」や「普段心掛けていること」、また「失敗談」や「資金面のやりくり」など、受講者の皆さんが気になるリアルな活動の実態についても答えていただき、皆さんは感心した様子で前のめりの姿勢で聞き入っていました。

講師は「先生でも親でもない、第3者のような人との関わりが子ども達に安心感を与えていて、地域の大人の存在の大切さを感じました。子どもにどんな支援や居場所が必要なのか、地域で連携して情報共有することも大事にしていきましょう」と話されました。


グループワーク

講座の様子 講座の様子


講座の様子 発表の様子 

後半は、2つの課題について考えていきました。1つは所属メンバーや連携機関など支援者同士の課題、もう1つは支える対象となる保護者や子ども、地域等とのつながりの中での課題です。支援者間の問題として意見や方向性の齟齬については、同じビジョン(方向)を向けるように意見を出し合える場所と時間を作ること、一人で抱えず周りや専門家に相談する、などの意見が出ました。社会から孤立している保護者や困りごとを抱える対象者には、まずは話を聞く、こちらからアドバイスや知識を伝えるより、相手が話し出すのを待つ、相手を肯定する、信頼関係を育む、という声があがりました。

最後に講師からは「私達に何が出来るかを考え、小さなことでも一歩を踏み出し関わることが大切だと思います。親や子どもだけでなく、私達支援する側も地域とともに育ち、地域全体でまるごと子育てしていきましょう」と話され「発表者のお二人の笑顔を見て思うのは、周りを大切にする人は自分自身を大切にすることも忘れていないということ。自分が幸せでないと人を幸せに出来ません。誰よりも自分が一番好きと言える支援者になってほしい」とエールを送られました。

講師から贈るHappyWord

この講座では毎回講師から言葉を贈っていただいています。

事例発表者の木村さん 「出会いと感動

事例発表者の入江さん 「助けてと言ってほしいなら『助けて』と言ってみる」

講師の中島さん 「どんな時も”丸ごと”受けとめてくれる仲間がいる幸せ」

講師の山口さん「はじめの一歩」

メッセージに込めた想いとともに受講者にエールを送られました。

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受講者の感想(アンケートより抜粋) 
  • 一人ひとり違うからこそ、まるごと受け止める気持ちが必要だと感じました。勇気を出して、一歩を踏み出します。

  • 私も将来、木村さんのようになる!と決めました。紙芝居を読んであめ玉を配る、楽しいおばちゃんになりたいです。

  • 長期間活動を続けることは並大抵なことではないと思います。地域とのつながりを保ち続け、自分がつながりを絶たないようにする姿にとても勇気づけられました。

  • 若い方がこんなに地域支援をされていて、これからの社会に光が見えます!勇気を出して一歩を踏み出されていることが、私の希望となりました。

  • 「つながり」について改めて考える機会となりました。自分に出来ることをもっと深めていきたいと思いました。

  • 時間が足りないくらい充実していました。とてもいい雰囲気の講座だったと思います。講師のお二人が笑顔だから、きっと周りも笑顔で過ごせるのだと思います。

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