令和5年度 家庭教育支援者リーダー等養成講座(リーダー研修) 第3回報告

つながり育む 親子の幸せ 
~家庭教育支援者へ贈る大切にしたい5つのこと~

リーダー研修は、家庭教育・子育て支援に関わる活動経験年数が3年以上の方を対象とした連続5回講座です。

様々な経験を重ねてきた支援者の皆さんと、子どもや親の育ちを支える家庭教育支援のあり方や親子の幸せについて一緒に考えていきました。


家庭教育支援者リーダー等養成講座(リーダー研修)チラシ (1876KB; PDFファイル)

第3回 保護者のこと 
発達障害のある子どもへの基本的対応と保護者支援について

【開催日時】12月22日(金)9時30分~12時30分


 講師

【講師】川邊 浩史さん (西九州大学短期大学部幼児保育学科教授)


第3回の講座は、西九州大学短期大学部幼児保育学科教授 川邊 浩史さんを講師に迎え、発達障害のある子どもとの関わり方や保護者への支援についてお話しいただきました。


川邊さんは自己紹介の中でご自身が運営するキャンプ活動を紹介され、一般的な生活作業を体験的に学べる機会の提供や大人が側で見守り、出来ないことは強要しないでありのままを受け入れることの大切さを説かれました。また、受講者の皆さんに佐賀の良いところを尋ねられた川邊さんは「受講者の皆さんがたくさん佐賀の良さをあげられたように、子ども達もそれぞれ良いところがある。良さを探して接してほしい」と呼びかけられました。

 

発達障害を含めた神経発達障害について種類や定義、特徴など基本的な知識を説明された後、文部科学省調査報告をもとに小中学生の現状や今後の対応について話されました。「気になる子どもは少数派ではなくなり、障害に限らず学習や生活上の困難への対応が求められる中、特定の子どもに注目して配慮するより、インクルーシブ(違いを認め合い承認し合う)に捉えていく必要がある」と伝えられました。

 

保護者への支援

講座の様子 講座の様子


県内の放課後児童等デイサービスを利用している保護者を対象としたアンケート結果から、保護者への関わり方や支援者に求められていることについて、説明していただきました。「保育者・支援者には専門的な知識を持ち、専門機関と連携して、保護者の困り感に寄り添った細やかな相談業務を行ってほしい。また、周囲の保護者の理解を得る機会を設けて全体で共有する必要がある」と話されました。

 

「困り感」を考える

講座の様子 講座の様子講座の様子 講座の様子

 

困り感とは、嫌な思いや苦しい思いをしながらも、それを自分だけではうまく解決できず、どうしてよいか分からない状態にあるときに、本人が抱く「感覚」とのこと。「気持ちをうまく言語化するのが難しい子どもにどう対応するのか。支援者は現場の経験上、いろんなパターンを推測することができるが、どれが正解なのか判断は難しい。だからこそ普段の子どもの様子をよく観察し、『気づき、声掛け、動く』ことが大事」と話されました。そしてその中でも「動く」ことに意義があると話され、ではどんなふうに行動(支援)すればよいかについて「困りごと」の事例をもとに学びを深めていきました。グループワークでは具体的な対応について話し合い、受講者からは「困り感について考え、情報共有できたことで、自分では気付けない視点や考えが知れました」「言葉として表現されないことも感情や反応に寄り添い分かりたいと思いました」という声が聞かれました。

 

最後に「地域から孤立している家庭はたくさんあります。押し付けではなく、待ち過ぎず相手の様子をよく観察しながら、こちらから動いていく『親切なお節介』を心掛けて支援をしてほしい」と伝えられました。

 

受講者の感想(アンケートより抜粋) 
  • とても分かりやすく、楽しく学ぶことが出来ました。現場の大変さを共有し、話し合うことがとても大切で、他のことでも同じだと感じました。
  • 子どもに寄り添ってしっかり観察することは、見るだけでなく、動いていくということが印象に残りました。
  • 親切なお節介、大好きです。この輪を広げていきたいです。ニーズを探りながら私も言葉かけを探っていきます。
  • 障害のある子の気持ちに立って考える。相手のニーズを探りながら、押しつけるのではなく、寄り添う大切さを改めて感じさせてもらいました。

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