令和5年度 学生への意識啓発事業「キャリアにおけるワーク・ライフ・バランスを考える」を開催しました
令和5年度は九州龍谷短期大学との共催で、学生への意識啓発事業を開催しました。
県内の様々な職種で働く社会人の3名をパネリストに迎え、「キャリアにおけるワーク・ライフ・バランスを考える」と題し、学生時代の経験や職業選択の動機、育児や介護への参画など、キャリアの転機、家庭やパートナーとの関係等について、それぞれお話いただきました。
【パネリスト】(五十音順)
秋吉 奈穂(あきよし なお)さん(九州龍谷短期大学卒業生、ダンス教室経営)
片桐 亮(かたぎり りょう)さん(いまパパ.代表、会社員、本業 父親)
中西 美枝子(なかにし みえこ)さん(佐賀県在宅生活サポートセンター 副所長)
【講師・ファシリテーター】
福成有美さん(株式会社アテンド 代表取締役)
~プログラム~
- 講義「ワーク・ライフ・バランスとは? 充実感のある生き方のために」
- パネリスト自己紹介
- パネルトーク「私が経験した育児・介護と仕事のこと」
- 質疑応答
~講義「ワーク・ライフ・バランスとは?充実感のある生き方のために」~
最初に、講師の福成さんから講義をしていただきました。
ワーク・ライフ・バランスの説明や、女性の働き方とジェンダーギャップ指数、男性の家事・育児への参画、超高齢化社会と介護など、社会の現状と変化を紹介し、短い時間でしたが、パネルトークの前に必要な知識を学ぶことができました。
その後、福成さんの進行でパネリストのみなさんが自己紹介をして、パネルトークが始まりました。
~パネルトーク「私が経験した育児・介護と仕事のこと」~
【秋吉さんのトーク】
秋吉さんは大学卒業後、学習塾や私立の学校で教育関係の仕事に携わていたそうです。その中で幼児教育の大切さを感じ、26歳で九州龍谷短期大学保育学科に社会人入学しました。
今はダンス教室を起業し、子どもや大人にダンスを教えています。
「起業する時も、一人ではできないので、いろいろな人に相談して、協力してもらいました」とのことです。
パネルトークでは、仕事のことや社会人入学の決断、保育学科での思い出、結婚、出産、子育て、パートナーとの関係づくりなどを話していただきました。
【片桐さんのトーク】
片桐さんは、子どもを授かり一度結婚しますが、当時は『男は仕事!』と稼ぐことに主を置いた生活を続けた結果、離婚という大切なものを失う経験をしました。
その後、転職と再婚をして、現在は父親による子育て団体「いまパパ.」の代表として活動しています。
「家族を笑顔にする。わが子の『命』と『心』を守ることが父親の役割で、そのためにも夫婦で協力して家事や育児をするのは当然だと思っています」とのことです。
仕事と家庭の関係や、家事・育児のための時間の作り方、会社で初めて男性育休を取得した時のエピソードなどを話していただきました。
【中西さんのトーク】
中西さんは、中学生の頃から障害のある子ども為の福祉施設でボランティア活動をしていました。保育や介護の仕事を経験し、今は佐賀県在宅生活サポートセンターの副所長を務めています。
「将来は介護の仕事をしたいと考えていましたが、当時は介護の資格や勉強の手段がなく、保母(今の保育士)の資格で高齢者施設・障がい者施設での仕事ができました。介護老人保健施設で実務経験を積み、介護福祉士(介護福祉士は1987年に成立)の国家資格を取得しました」とのことです。
保育や介護のやりがいや充実感、共働きが珍しかった頃のエピソード、自身の母親を介護した経験などを話していただきました。
~質疑応答~
パネルトーク後の質疑応答では、参加した学生さんから「どうしたら、男性が家事や育児をやるようになるのか」「なぜ、今の仕事を選んだのか」「もし結婚していなければ、どのような人生を送っていたと思うか」といった、個性的な質問が飛び出し、パネリストのみなさんも首をひねりながら真剣に答えられていました。
~学生の感想(一部抜粋)~
講座後のアンケートにも様々な感想が寄せられました。その一部をご紹介します。
・3 人の方の実際の様々な働き方を知り、色々な働き方を考えてみるきっかけになりました。
・自分が将来どうやって生きていくかについてや、職についてなど、改めて考えさせられる授業でした。
・人生の道は1つだけではないし、途中で道を変えるという選択肢もあると知りました。自分がいちばん良いと思える道を選びたいです。
・育休の取得や職場復帰がもっとしやすい環境になるといいと思いました。
【主催】佐賀県立男女共同参画センター、九州龍谷短期大学
(開催日:令和5年11月20日 会場:九州龍谷短期大学 5階 視聴覚室)