令和5年度ハラスメント防止啓発講演会を開催しました

さまざまなハラスメントについて正しい認識を身につけてもらい、ハラスメントのない職場づくりにつながることを目的に、より多くの方に参加していただけるよう録画配信形式で講演会を開催しました。

【配信期間】 令和5年12月1日(金)~12月15日(金)

【主催】 佐賀県立男女共同参画センター、佐賀労働局、女性の活躍推進佐賀県会議

【第1部】講演 「今こそ学びたい!ハラスメント対策~あなたの『あたりまえ』はだれかのハラスメントかも?~」

講師:新美 智美さん(フローリッシュ社労士事務所 所長 特定社会保険労務士)


 第1部では、ハラスメントの具体的な内容と予防策について裁判事例等を含め、漫画やイラストを用いて、わかりやすくお話しいただきました。講演内容の一部をご紹介します。


パワーハラスメントについては定義を深く知ることや、客観的な視点を持つことが、予防対策、また適切な指導にもつながるとし、指導を行う側、受ける側共に、行動を平均的な労働者の感じ方から総合的に考えることが重要となります。

また、ハラスメントのグレーゾーンについては、平均的な労働者の感じ方という観点から被害がでにくい場合が多く、パワハラにはならないという境界線ができてしまうが、受け手側はパワハラと捉えることもあります。指導する側は、受け手とコミュニケーションをとり、価値観を知ること、非言語メッセージを察知することなどが必要となります。また、指導を感情の発散や嫌がらせ、見せしめ目的ではなく、本人の成長、業務の円滑な推進、職場環境を維持する目的であることを意識することが大切です。

妊娠・出産・育児休業等ハラスメントについては、制度等の利用への嫌がらせと、状態への嫌がらせ(妊娠・出産等に対し不利益な取扱い、嫌がらせ等の言動)があり、どちらも「男女の労働者」就労環境が害されることに値することになりハラスメントになります。当事者とのコミュニケーションをとり、就労環境を見直すことも重要です。

 

 SOGIハラスメントは、性的指向や性自認に対して行われるハラスメントであり、このことは当事者がオープンにしていないことが多く、言動については当事者への理解を深めることが必要となります。またアウティング(本人の了解を得ずに、他の人に公にしていない性的指向や性同一性等の秘密を暴露する行動)については、絶対に行ってはならないもので、当事者の人権を奪う行為であることを認識する必要があります。

 また、ジェンダーハラスメント(性に対する偏った固定観念に基づく発言)については、「女だから」「男だから」などの発言が相手に不快な思いをさせてしまう言動となり得えます。性差別の考えがあること自体が人権意識が低く、ハラスメントをおこしやすく、気づきにくい傾向にあります。周りも含めひとりひとりが立ち止まって人権について考えることがとても重要です。


予防策としては、第三者としてハラスメントの場面に居合わせた時にどう行動するか?を考えることが予防に繋がります。アクティブバイスタンダー(行動する傍観者)として、自分に何ができるか、できることから始めるのが大事です。

最後に、自身が加害者、被害者にならないためにも、もしハラスメントの被害を受けている場合は、しかるべき相談ができる窓口に行くことや、アクティブバイスタンダーとしてアクションを起こし、ハラスメント予備軍が加害者にならないために、その職場のひとりひとりの意識と協力のもとに、ハラスメントを許さない職場の風土づくりを行っていくことが大事と呼びかけられました。

 


【第2部】情報提供 「職場におけるハラスメント防止対策について」

説明:佐賀労働局 雇用環境・均等室

第2部_情報提供PPT表紙

第2部では、労働施策総合推進法の改正に伴い、職場におけるパワーハラスメント防止対策を講じることが、2022年(令和4年)4月1日からすべての事業主に義務付けられたことを踏まえ、「セクシャルハラスメント」、「妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント」、「パワーハラスメント」の定義や事業主が講ずべきハラスメント防止措置、望ましい取組みを中心に説明が行われました。


第2部で紹介されたハラスメントに関する相談窓口や情報サイト

  • 佐賀労働局雇用環境・均等室
    電話 0952-32-7218
    (開庁時間 8時30分~17時15分 ※土・日・祝日、12/29~1/3を除く)
  • 職場におけるハラスメント対策の総合情報サイト「あかるい職場応援団」(厚生労働省委託事業)
    ハラスメント裁判事例や職場のハラスメント対策に取り組む企業へのインタビュー記事、パンフレット・社内研修用資料・動画などが掲載されています。
    詳しくは、下記のバナーをクリックしてご覧ください。
    あかるい職場応援団バナー(←クリックすると外部サイトへ移動します)


【参加者の感想(一部抜粋)】
  • 第一部で分かりやすく説明されたことが、第二部の中でシンプルにまとめられていたため、より分かりやすく感じました。
  • 自分の都合で視聴することができ、また、内容もイラストを多用し、ハラスメントの定義や注意点についても事例を交えた内容で、理解しやすかった。自身の振り返りにもなった。
  • ハラスメントについてよく耳にするが、ちゃんと内容を学んだことがなかったのでよかったです。こういった講座が定期的にあれば、会社の組織に所属している人たちが変にハラスメントに敏感になったり、被害を受けたりすることもなく、権利が守られると思いました。
  • ひと口にハラスメントと言っても、様々なケースがあるということを改めて知ることができた。また、アクティブバイスタンダーなど、ハラスメントについての新たな知識を得ることができた。
  • 価値観の違いを解決するために、会話やコミュニケーションをとることの必要性を感じることができました。ハラスメントは上司から部下だけでなく、経験の差によるものもあると知り、自分自身も、そして周りの言動にも注意をしなければと思います。

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