令和4年度「市町男女共同参画担当職員実践研修」を実施しました

 佐賀県立男女共同参画センターでは、アバンセを会場に、県内の市役所や町役場で男女共同参画行政を担当する職員を対象に、年2回の研修を実施しています。今回は、男女共同参画に関する認識や市町で取り組むべき課題などに関する実践的な研修を行うために、「男女共同参画行政を取り巻く環境とつぶやきからみえてくる課題」と題して開催しました。

 講義写真1  


講師には、静岡県立大学国際関係学部 教授 犬塚協太さんをお迎えしました。犬塚さんからは、20年以上にわたって、地方自治体の男女共同参画計画策定や男女共同参画の推進に関わってこられた経験を踏まえて、研修の前半は男女共同参画行政を取り巻く環境や課題それを克服するためのポイントについてお話いただきました。

 

 男女共同参画については、行政内外でまだまだ理解を得られない環境にあり、課題はその環境の中で、どう克服して、男女共同参画施策を推進するかにポイントがあるとのことでした。

では、男女共同参画をどう理解して、どう広めていくか。まずは、担当者が正しい男女共同参画の認識を持つことが必要ということで、男女共同参画の基礎として、男女共同参画の意味、これまでの性別役割分業社会、アンコンシャス・バイアス、男女共同参画社会の必要性などについて学びました。そして、啓発・意識変革のポイントについて、犬塚さんは「男女共同参画は、老若男女すべての人に関わる問題で、女性・男性にとって、今よりもっと楽な生きやすい社会になる。多様性に富んだ、明るいイメージを強調することが大事。多様性(ダイバーシティ)と包摂(インクルージョン)の視点はあらゆる施策に必要で、その基本にあたるのが男女共同参画の視点だと認識して、多くの方に伝えてほしい。」とアドバイスされました。

 

次は、施策をどう効果的に作り、推進するかについてご講義いただきました。ここでは、計画の策定・改定や、施策の立案について学びました。計画中の調査、作った後の計画推進体制、計画に組み込むべきテーマなどについて細かくお話いただきました。その中で、重要なポイントは、計画・施策の推進にあたっては、とにかく担当部局の味方、理解者、サポーターを、内にも外にもたくさん作ること。さまざまな主体による「協働」の体制、ネットワークづくりこそがカギで、成功する自治体は味方作りがうまいと教えていただきました。

 

研修の後半は、日ごろの自分の仕事を通して、男女共同参画を進めていく上での課題・悩みなどをワールドカフェの手法を用いて話し合いました。そして、グループであがった課題を全体で共有し、それに対して、犬塚さんからのアドバイスや、取組みが進んでいる市町より取組み事例を紹介してもらい、課題解決につながるヒントを得ました。

ワーク写真2 ワーク写真2


 最後に犬塚さんからは、「同じ問題意識を持ったもの同士が今日出会いました。一番大事な仲間です。この出会いを大事に、日ごろからお互いに情報交換をしながら支え合って、男女共同参画を進めてください。」と参加者にエールを贈られました。

*令和4830日(火)実施

 

【参加者の声】(一部抜粋)

  • 他の市町でも同じような悩みがあることを知れて良かった。課題に丁寧に答えてもらえたので参考にしていきたい。
  • 男女共同参画のわかりやすい説明や、なぜ必要かの説明など、すぐに使える知識を得られた。自信をもって推進できる。
  • アンコンシャス・バイアスをいかに変えていけるかが重要だと思った。
  • 机上であれこれ考えるだけではなく、足を運ぶ必要性を感じた。

    チラシ(令和4年度市町男女共同参画担当職員実践研修) (667KB; PDFファイル)

トップへもどる